発表年:1996年
ez的ジャンル:ダビー/アンビエント系UKジャズ・ファンク
気分は... :Sadeとは似て非なる
今日はSweetbackの1stアルバム『Sweetback』(1996年)です。
Sweetbackは、SadeのメンバーであるStuart Matthewman(g、s)、Andrew Hale(key)、Paul S. Denman(b)の3人が結成したグループ。リード・ヴォーカリストSade Adu抜きのSadeですね。
これまで『Sweetback』(1996年)、『Stage 2』(2004年)という2枚のアルバムをリリースしています。
僕の場合、Sweetbackに惹かれるのはSadeのメンバーであることに加えて、ゲスト参加しているヴォーカリスト等に僕のお気に入りアーティストが多いせいかもしれません。
『Sweetback』では元Groove Theoryの Amel Larrieux 、Maxwellがゲストヴォーカルで参加し、当時好きだった日本人ユニットLOVE T.K.O.も作曲&演奏で参加しています。
続く『Stage 2』では、元Digable Planetの女性ラッパー Ladybug Mecca、元Ten Cityのリード・ヴォーカルByron Stingily、Blue six等でお馴染みの女性ヴォーカリストAyaが参加しています。
といったように、Sweetbackのアルバムにゲスト参加しているアーティストの多くは、当ブログで紹介済みの僕のお気に入りアーティストなんですよね。なので、僕自身の中でSweetbackは聴かなければいけないグループという位置づけになっています。
肝心のサウンドの方ですが、アルバム全体を通じてダビーな音空間が貫かれています。Sadeを聴く感覚で聴くと、少しギャップがある内容かもしれません。そう考えると、冒頭に僕が書いた"Sade Adu抜きのSade"という説明は適切ではありませんね。Sadeとは異なるSweetbackならではのサウンドがここにはあります。
きっとSade好きの人以上に、クラブ・ミュージックやダブ、トリップホップ、アンビエントあたりが好きな人がハマる作品だと思います。
前述のゲスト以外に、長らくSadeのバック・ヴォーカルを務めてきた男性シンガーLeroy Osbourne、Gang StarrのGuruが発掘したフィラデルフィア出身の女性ラッパーBahamadia、バングラ・ビートとドラムンベースを融合させたサウンドで人気を博していたTalvin Singhなどがアルバムに参加しています。
Sadeとは似て非なるSweetbackならではのクール・サウンドを堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「Gaze」
オープニングはAmel Larrieuxをフィーチャー。同じヒンヤリ・モードの音空間でもSadeとは明らかに異なる空気を感じます。ダビーなエコーが快感です!
http://www.youtube.com/watch?v=q0xABiDVAtQ
「Softly Softly」
Maxwellをフィーチャー。『Maxwell's Urban Hang Suite』(1996年)、『Embrya』(1998年)をStuart Matthewmanがプロデュースするなどメンバーとのつながりが深いMaxwellですね。Maxwellらしい愁いを帯びたファルセット・ヴォーカルを聴かせてくれます。本作におけるクール・サウンドとMaxwellのキャラが実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=NHjGZeWcCuY
「Sensations」
ダビーに揺らめくインスト・チューン。一音一音の音像が実感できるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=ewbMXAPZEEI
「Au Natural」
女性ラッパーBahamadiaをフィーチャー。Bahamadiaのシングル「Unknowhowwedu」を気に入ったメンバーがオファーしたようです。演奏・ラップ共にクールにキメてくれます。淡々とした雰囲気がグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=rAnSQKCRzb8
実はオリジナル以上にお気に入りなのが、The RootsによるリミックスThe Roots After Midnight Remixです。アーバン・ナイトな仕上がりがサイコーです。
「Au Natural(The Roots After Midnight Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=xwZWWxhk5mI
「Arabesque」
ダビーなサウンドを楽しみたいのであれば、このAndrew HaleとToshi & Kudo(中西俊夫 & 工藤昌之)のコラボにグッとくるはず。Toshi & Kudoの両氏はMajor ForceおよびLOVE T.K.O.あるいはMELON(屋敷豪太氏も在籍)での活動でお馴染みですね。
http://www.youtube.com/watch?v=_bQ6c1iZNCQ
話が逸れますが、LOVE T.K.O.の『Head Turner』(1993年)を当時よく聴きました。いかにも僕が好きそうなアーティストでしょ(笑)。急に懐かしくなって、久々にCD棚から引っ張り出し、今聴きながら記事を書いています。ヴォーカルが全て外国人シンガーなので洋楽感覚で楽しめます。
「You Will Rise」
シングル曲。Amel Larrieuxをフィーチャーしています。アルバム中最もキャッチーで正統派R&Bらしい仕上がりです。各種のリミックスも楽しめます。個人的には本作の雰囲気にマッチしたDeliverance Prayer Bowl Mixがオススメです。
http://www.youtube.com/watch?v=Av3LXdpi7q0
「You Will Rise(Deliverance Prayer Bowl Mix)」
http://www.youtube.com/watch?v=br8CQuIzGb4
「You Will Rise(Cottonbelly's PG Mix)」
http://www.youtube.com/watch?v=cB0RaVj1zm4
「Chord」
Stuartのサックスをフィーチャーしたインスト。面白みには欠けるかも?
http://www.youtube.com/watch?v=A-9A_mVJ2QY
「Walk of Ju」
Stuart一人で全て手掛けた1曲。美しくも寂しげなギターが印象的な前半からアンビエントな後半へと展開していきます。
http://www.youtube.com/watch?v=uIoWFWstM6A
「Hope She'll Be Happier」
Bill Withersのカヴァー(アルバム『Just as I Am』収録)。Leroy Osbourneをフィーチャー。長年のSadeへの貢献のお返しとして彼にスポットライトを当てたのかもしれませんね。それに応えてLeroyも素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれます。どこか寂しげな雰囲気が実にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=3houeC5WBFI
「Come Dubbing」
http://www.youtube.com/watch?v=hKLShP6i5-E
「Cloud People」
http://www.youtube.com/watch?v=okd7DJhnmc4
「Powder」
http://www.youtube.com/watch?v=KZ7o_lC6wL4
ラスト3曲はダビー&アンビエントなインスト。ボーッとしながらこのあたりのインストのみ繰り返し聴くのもいいかも?「Come Dubbing」ではTom Scott「Outzone」ネタも聴けます。「Cloud People」ではTalvin Singhがタブラで参加しています。Talvin Singhの作品もそのうち紹介しますね。
本作を気に入った方は2nd『Stage 2』(2004年)もどうぞ!
『Stage 2』
以前に『Between The Sheetsネタ10選』の記事で紹介した「Love Is The Word」(Bobby Caldwell「What You Won't Do For Love」とThe Isley Brothers「Between The Sheets」のダブル大ネタ使い)がお気に入りです。
「Love Is The Word」
http://www.youtube.com/watch?v=jHCfSDiraNo