発表年:2009年
ez的ジャンル:北欧クラブ・ジャズ
気分は... :完全にDalindeo中毒です...
今日はクラブ・ジャズのオススメ新譜Dalindeo『Soundtrack for the Sound Eye』です。
DalindeoはリーダーのValtteri Poyhonenを中心にフィンランドのヘルシンキで結成されたジャズ・バンド。
メンバーはValtteri Poyhonen(g、el-p)、Jose Maenpaa(tp)、Pope Puolitaival(fl、s)、Pekka Lehti(b)、Rasmus Pailos(per)、Jaska Lukkarinen(ds)の6名。
フィンランドのクラブ・ジャズと言えば、The Five Corners Quintet(FCQ)が有名ですが、そのFCQも所属するクラブ・ジャズ・レーベルRicky Tickより2004年にデビュー。2006年にはFCQ作品も手掛けるTuomas Kallioのプロデュースによる1stアルバム『Open Scenes』をリリースしています。その意味で当初はFCQの弟分バンドといったイメージが強かったようですね。
ブラジル/ボッサ色が強かった1stアルバム『Open Scenes』に対して、2ndとなる本作『Soundtrack for the Sound Eye』では、タイトルの通り映画音楽を彷彿させる楽曲が並びます。映画の中でもスパイ映画、刑事/探偵もの、アクション/アクション・コメディ映画の雰囲気ですね。
そうした映画音楽的なアプローチに加えて、アフロ・ジャズ色を強く打ち出したディープな仕上がりも目立ちます。
前作では日本人女性ヴォーカリストMichikoがフィーチャーされていましたが、本作ではドイツ、ベルリン出身の女性ヴォーカリストであり、ソングライター/詩人としても活動するBajkaがフィーチャーされています。本作の持つディープな雰囲気と実にフィットしていると思います。また、FCQのTimo Lassyもゲスト参加しています。
ここ数週間、完全に本作の虜になっています。
かなり中毒性の高いアルバムです。
全曲紹介しときやす。
「Lights,Camera,Action!」
スタイリッシュなスパイ・アクション映画や探偵ドラマのテーマ曲になりそうな雰囲気のオープニング。最近のTVドラマならば、
今夏に放映していた長瀬智也、深田恭子出演の『華麗なるスパイ』のイメージにピッタリですね。
「Vintage Voyage」
アルバムに先駆けてリリースされたEP『Vintage Voyage』収録曲。アルバムで一番好きな曲かも?ディープ&スリリングなアフロ・ジャズです。特にホーン・アンサンブルのカッチョ良さには相当グッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=vMCpJdyka4k
「Willpower」
この曲も『Vintage Voyage』収録曲。女性シンガーBajkaをフィーチャーした1曲目。既にクラブ・ヒットしているようであり、本作のハイライト曲と言えるかもしれませんね。妖艶な声質、ポエット・リーディングのような歌とあらゆる面で個性的なBajkaのヴォーカルと、本作を貫く黒くディープなグルーヴ感が見事に融合した魅惑の1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=vL5qw4OES_o
「Take Cover!」
アフリカン・テイストの黒くディープなグルーヴが支配します。戦い挑む前の戦士のような張り詰めた緊張感がたまりません。
「Another Devil」
ロカビリー・ジャズとでも呼びたくなる仕上がりです。どこかユーモラスな雰囲気がいいですね。アクション・コメディ映画の主題歌って感じでしょうか。
「New Creation」
Bajkaフィーチャーの2曲目。ノスタルジックな雰囲気が逆にカッチョ良いです。女性スパイ映画のヒロインのテーマ曲って雰囲気ですね。
「Belleville-Pantin」
中近東風のエキゾティックな仕上がり。僕には妖艶にベリーダンスを踊る女性の映像しか頭に浮かんできません(笑)
「Herrmann」
スピード感にグッときます。『ダーティーハリー』のような刑事もの映画で、主人公の刑事が犯人を追いかけるシーンにピッタリですね。
「Words Unspoken」
大らかなモーダル感が印象的です。北欧ジャズらしい仕上がりかもしれませんね。
「Flow On」
大自然のように雄大な美しさ持った仕上がり。
「Mr.J.L.」
EP『Vintage Voyage』収録曲。ワイルドでカッチョ良い!の一言に尽きます。Mr.J.L.とはドラムのJaska Lukkarinenのことなのでしょうか。そう言えば、短いドラム・ソロでキメてくれます。やはり『Vintage Voyage』収録の3曲が好きですね。
「Two Down,One To Go」
躍動するボッサ・ジャズ。オシャレなクラブ・ジャズ好きの方ならば気に入るはずです。
「Kantava voima(second movement)」
ラストは壮大なオーケストレーションをバックに配した演奏です。シリアスな結末の映画のエンディング曲といった感じでしょうか。
Dalindeoに興味を持った方は1st『Open Scenes』もどうぞ!
当ブログでフィンランド人アーティストを紹介するのは、Jimi Tenor、Tuomoに続き3回目となりますが、まだDalindeoの兄貴分The Five Corners Quintetは未紹介でしたね。そのうちFCQも紹介しますね。