2009年12月07日

Talking Heads『Talking Heads: 77』

知的でユルいデビュー作☆Talking Heads『Talking Heads:77』
Talking Heads: 77
発表年:1977年
ez的ジャンル:NYパンク/ニューウェイヴ
気分は... :このヘンテコ感がクセになる!

NYパンク/ニューウェイヴを代表するグループTalking Headsの4回目の登場です。

これまで当ブログで紹介してきたTalking Heads作品は以下の3枚。

 『Fear Of Music』(1979年)
 『Remain in Light』(1980年)
 『True Stories』(1986年)

4枚目に紹介するのは、デビュー・アルバム『Talking Heads: 77』(1977年)です。

アートスクールの仲間であったDavid Byrne(vo、g)、Tina Weymouth(b)、Chris Frantz(ds)の3人で結成され、その後Jerry Harrison(g、vo)が加わり4人編成となったTalking HeadsがSireとの契約に成功し、Tony Bongiovi(Jon Bon Joviの伯父)らのプロデュースで制作されたのが『Talking Heads: 77』です。

僕の場合、『Fear Of Music』『Remain in Light』といった独自のファンク・サウンドを追求した作品がお気に入りなので、それらの作品と比較すると随分シンプルかつ未完成な印象を受けるアルバムです。

代表的なパンク/ニューウェイヴ・グループのようなインパクトはありませんが、他のグループとは一線を画すTalking Headsらしい知的なヘンテコ感(?)が際立っています。あのDavid Byrneらしいヘンテコなメロディ&ヴォーカルを存分に堪能できます。

正直、昔はそれほど好きなTalking Heads作品ではありませんでしたが、現在ではユル〜い知的なヘンテコ感を気に入っています。全体的に音がスカスカな所も好きだったりします。

今聴くと、のどかさの裏のシニカルさという点で『True Stories』あたりと共通するものも感じますね。

キャッチーなメロディ、メロウなサウンド、上手い演奏&ヴォーカル、躍動するリズムといった要素が1つもない作品ですが、それでも魅了されてしまうのがTalking Headsというグループのユニークさだと思います。

知的でユルいNYパンク/ニューウェイヴを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Uh-Oh, Love Comes to Town」
オープニングは脱力モードのユルユル・チューン。スティール・ドラムも入り、トロピカルな雰囲気も漂います。リラックス感が好きです。シングルにもなりました。

「New Feeling」
一番のお気に入り曲。Talking Headsらしいセンスに溢れた、まさに"ニュー・フィーリング"な1曲。スカスカな音空間がニューウェイヴっぽくて大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=TWLs0M01KD8

「Tentative Decisions」
良くも悪くもヘンテコ感が漂う行進曲風の仕上がり。もしリアルタイムで聴いていたら"何だこりゃ?"という印象だったでしょうね(笑)

「Happy Day」
タイトルの割には全然ハッピーな気分になれない仕上がり(笑)このシニカルなテイストこそTalking Headsの魅力ですが。

「Who Is It?」
チープなキーボード・サウンドがニューウェイヴっぽくて大好きです。

「No Compassion」
前半、中間、後半でガラッと変わる構成です?中間のリズミックな展開がなかなか格好良いですね。

「The Book I Read」
ダークなピアノの音色が印象的です。Talking Headsのシニカルな部分を堪能できる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=QIYIoouZBAk

「Don't Worry About the Government」
脱力&ヘンテコ・モードの仕上がりですが、よく聴くとDavid Byrneのワールド・ミュージック志向を垣間見ることができます。

「First Week/Last Week ... Carefree」
ラテン・フレイヴァーが効いた僕好みの仕上がりです。ホーンもいいアクセントになっています。

「Psycho Killer」
本作のハイライト曲であり、シングルにもなったグループの代表曲の1つ。物騒なタイトルですが、彼女と上手くいかず暴発する一歩手前の男の精神状態を歌ったものです。Tina Weymouthによるベースラインが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=ZTYz9dsbF7c

様々なアーティストによってカヴァーされていますが、その中からAlfred Hitchcock監督の名作スリラー映画『Psycho』のリメイク版(1998年、Gus Van Sant監督)のサントラに収録されていたJames Hallによるカヴァーを紹介しておきます。映画自体の評価は最低でしたが、本カヴァーはなかなか印象的なカヴァーに仕上がっています。

James Hall「Psycho Killer」
 http://www.youtube.com/watch?v=3MWuQx3HP6g

「Pulled Up」
ノリの良さでいけばアルバム随一。シングル曲にもなりました。軽快なギターとDavid Byrneのヘナヘナ・ヴォーカルがいい感じ!
http://www.youtube.com/watch?v=0KYPsz-6xo8

本作ではTina Weymouthのクレジットが本名のMartinaになっています。
posted by ez at 02:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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