2009年12月21日

SWV『Release Some Tension』

再結成し、来年1月に来日公演するSWVの3rd☆SWV『Release Some Tension』
Release Some Tension
発表年:1997年
ez的ジャンル:ストリート系女性R&Bグループ
気分は... :ちょっとケバケバしいですが...

TLCと並ぶ90年代を代表する女性R&BグループSWVの3回目の登場です。

1st『It's About Time』(1992年)、『New Beginning』(1996年)に続いて紹介するのは、3rdアルバム『Release Some Tension』(1997年)です。

1997年にクリスマス・アルバム『A Special Christmas』をリリースした直後に解散してしまったSWVですが、ファンの方はご存知の通り、Cheryl "Coko" GambleTamara "Taj" JohnsonLeanne "Lelee" Lyonsというオリジナル・メンバー3人で再結成し、来年1月に来日公演を行う予定です。

2005年にも再結成の動きがあり、来日公演も行いましたが、結局は途中で頓挫してしまった経緯があります。今回はそうならないことを願っています。

SWV大好き!な僕ですが、3枚のオリジナル・アルバムの中では本作『Release Some Tension』が一番ビミョーなアルバムかもしれません。『New Beginning』が大好きな僕としては、本作『Release Some Tension』は本来のSWVの姿ではないような気がしてなりません。

ケバケバしいバッド・ガールなジャケからして、品良く清純なイメージの『New Beginning』のジャケとは大違いですよね。

そんなジャケのイメージそのままに、本作では全12曲中8曲でラッパーがフィーチャーされており、よりストリートを意識した仕上がりになっています。具体的にはPuff Daddy、Foxy Brown、Redman、Lil' Ceasar、Missy Elliott、Lil' Kim、E-40、Snoop Doggy Doggをフィーチャーされています。

プロデューサー陣も一新され、前作からの継続はBrian Alexander Morganのみ。それ以外はPuff Daddy(Diddy)、Roderick Wiggins、Malik Pendleton、The Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)、Timbaland、Deric "D-Dot" Angelettie/Lantz Mitchell、Marc Kinchen、K. Perez/A.D. Perez、Kevin Evansが起用されています。

そんな作りのせいで、前作『New Beginning』で確立した成熟したヴォーカル・グループというイメージが一変してしまい、当時かなり戸惑いながら聴いていた記憶があります。

まぁ、当時の僕のように『New Beginning』のイメージに固執しなければ、それなりに楽しめるアルバムだと思います。

全曲を紹介しときやす。

「Someone」
Puff Daddy(Diddy)プロデュース。自身のラップをフィーチャーしています。The Notorious B.I.G.「Ten Crack Commandments」(アルバム『Life After Death』収録、DJ Premierプロデュース)をそのまま利用している反則トラックです。商魂たくましいDiddyらしいですね(笑)。Diddy嫌いの僕ですが、それ以上にPrimo大先生のトラックとSWVの歌が大好きなので許しちゃいます。キャッチー&クールなミッド・グルーヴに仕上がっており、シングルとして全米チャート第19位、同R&Bチャート第5位のヒットとなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=_SDDZwug_N8

The Notorious B.I.G.「Ten Crack Commandments」
 http://www.youtube.com/watch?v=bmqLHWJsv18

「Release Some Tension」
タイトル曲はFoxy Brownのラップをフィーチャー。Ramsey Lewis Trio「Collage」ネタのクールなトラックとKelly Priceのヴォーカル・プロダクションによるヴォーカル&コーラスがマッチしています。Roderick Wigginsプロデュース、共同プロデュースとしてCoko『Hot Coko』でも起用されていたJohn Danielsの名前もクレジットされています。
http://www.youtube.com/watch?v=TUjZYY8FWMo

「Lose My Cool」
Redmanをフィーチャーしたミディアム・チューン。Malik Pendletonプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=wLCxveiawnU

「Love Like This」
The Charactersプロデュース。Lil' Ceasarのラップをフィーチャー。Jeff Lorber Fusion「Rain Dance」ネタのキャッチーなミッド・グルーヴに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=7cuP2fgStIk

「Can We」
Timbalandプロデュース。Missy Elliottをフィーチャー。Timbaland & Missy Elliottの勢いを感じるキャッチーな仕上がりがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=bf3vlOAc71o

「Rain」
Brian Alexander Morganプロデュース。シングルとして全米チャート第25位、同R&Bチャート第7位のヒットとなりました。雨が滴り落ちるリズムと切ないヴォーカル&コーラスにグッとくるミディアム・スロウに仕上がっています。当ブログでも紹介したJaco Pastorius「Portrait Of Tracy」ネタ。『It's About Time』『New Beginning』でもいい仕事ぶりが目立ったBrian Alexander Morganですが、本作では本曲のみの関与です。個人的にはあと2〜3曲はプロデュースして欲しかった気がしますが。
http://www.youtube.com/watch?v=hY7UG3BFilA

本曲をネタにしたChingy feat. Tyrese「Pullin' Me Back」とセットで聴くのも楽しいですね。
Chingy feat. Tyrese「Pullin' Me Back」
 http://www.youtube.com/watch?v=j8Ykkc3HXSE

「Give It Up」
Lil' Kimをフィーチャー。Latee「No Tricks」ネタのトラックが印象的なミッド・チューン。Deric "D-Dot" Angelettie/Lantz Mitchellプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=KCI6MqETPF8

「Come and Get Some」
E-40のラップをフィーチャー。Marc Kinchenプロデュース。決してSWVらしいとは思いませんが、なかなかキャッチーな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=2-qQAIBQFwY

「When U Cry」
K. Perez/A.D. Perezプロデュース。個人的にはこの手の切ないミッド・チューンがSWVに一番合っている気がします。。ラッパーの参加なしの曲を聴くとホッとしますね(笑)。Tyrone Davis「In The Mood」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=mXQY-PZ4CR0

「Lose Myself」
The Charactersプロデュース。彼らのいい仕事ぶりを聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=flA5AWU8abg

「Here for You」
The Charactersプロデュース。哀愁モードのミディアム・スロウ。こうした3人のヴォーカル&コーラスを生かした曲をもっと聴きたかったですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qO77nxa7S28

「Gettin' Funky」
ラストはSnoop Doggy Doggをフィーチャー。キャッチーな仕上がりで悪くはありませんが、主役はSnoopでSWVは完全に脇役になってしまっています。Kevin Evans/Marc Kinchenプロデュース。 Foster Sylvers「Misdemeanor」ネタ。

新作スタジオ・アルバムの噂もあるようですね。
どうなることやら...
posted by ez at 09:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Thanks for introducing tune "Rain Dance", fabulous blogですね。
Posted by Jeff Lorber Fansite at 2010年01月03日 23:52
☆Jeff Lorber Fansiteさん

ありがとうございます。
正直、Jeff Lorberはそれ程詳しくないので、これから勉強したいと思います。
Posted by ez at 2010年01月04日 05:52
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