発表年:1986年
ez的ジャンル:UKブルーアイド・ソウル
気分は... :「Digging Your Scene」だけじゃない!
いよいよ年末モードになってきましたね。
年賀状、大掃除と何も手付かずで、そろそろ焦り始めています。
毎年このパターンに陥るのに、全く学習効果がないようです。
Dr.Robert率いるUKブルーアイド・ソウル・グループThe Blow Monkeysの2回目の登場です。
3rdアルバム『She Was Only A Grocer's Daughter』(1987年)に続いて紹介するのは、2ndアルバム『Animal Magic』(1986年)です。
僕にとってBlow Monkeysは、Style Council、Scritti Polittiあたりと並んでお気に入りの80年代UKグループでした。三者三様のソウル/R&Bへのアプローチに魅了されましたね。
2008年にDr. Robert(vo、g)、Neville Henry(sax)、Mick Anker(b)、Tony Kiley(ds)というオリジナル・メンバーで再結成を果たし、約18年ぶりの新作『Devils Tavern』をリリースしたBlow Monkeys。かつてのファンには嬉しいニュースだったのでは?
そんなThe Blow Monkeysの代表曲と言えば、やはり「Digging Your Scene」ですね。僕も「Digging Your Scene」で彼らにハマっていきました。
「Digging Your Scene」と「It Doesn't Have To Be This Way」(『She Was Only A Grocer's Daughter』収録)の2曲は、聴くだけで青春時代の思い出が一気に湧き出てくる特別な2曲です。
「Digging Your Scene」
http://www.youtube.com/watch?v=ThfrfBlOE5E
「It Doesn't Have To Be This Way」
http://www.youtube.com/watch?v=co8P6fN732U
そんな名曲「Digging Your Scene」を収録しているのが2ndアルバム『Animal Magic』(1986年)です。
デビュー・アルバム『Limping for a Generation』(1984年)は、名曲「Wildflower」等を収録しているにも関わらず、商業的には不発に終わりました。
「Wildflower」
http://www.youtube.com/watch?v=wfJ1KAIyvlg
そんな反省を踏まえてか、本作では「Digging Your Scene」をはじめ、「Forbidden Fruit」、「Wicked Ways」、「Don't Be Scared Of Me」というキャッチーな楽曲がズラリと並び、シングル・カットされました。
これらシングル曲がアルバムのイメージを決定付けていることは確かですが、シングル以外の楽曲の方がBlow Monkeys及びDr. Robertのソウル志向を存分に堪能することができます。シングル曲を集めたベスト盤のみでBlow Monkeysをイメージすると、オリジナル・アルバムの方がよりディープな印象を受けると思います。
プロデュースは『Limping for a Generation』に続きPeter Wilsonが起用されています。Style Council作品でもお馴染みですね。
ソウル・マニアとしても有名なDr. Robertが創り出すブルーアイド・ソウルは、なかなか侮れないと思います。
全曲紹介しときやす。
「Digging Your Scene」
前述の通り、本作のハイライト曲。シングルとして、全英チャート第12位、全米チャート第14位のヒットとなりました。このゴージャスなグルーヴ感はいつ聴いてもグッときます。UKポップとソウル・ミュージックが見事な融合し、Blow Monkeysならではのブルーアイド・ソウルとして結実しています。僕にとって永遠の名曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=ThfrfBlOE5E
「Animal Magic」
タイトル曲もかなりソウル度高いです。キャッチーさを狙ったシングル曲以上に、Dr. Robertのソウル・フリークぶりが反映された仕上がりになっています。
「Wicked Ways」
アルバムからの3rdシングル。「Digging Your Scene」同様Blow Monkeysらしいセクシー&キャッチーな哀愁ソウル・チューン。女性コーラス隊が盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=d_Iw06HYh90
「Sweet Murder」
イントロでレゲエ・アーティストEek-a-MouseののSingjayをフィーチャー。ラガ・テイストにスタートしますが、全体としては浮遊感漂うファンキー・チューンに仕上がっています。Dr. Robertのギター・プレイも聴きものの1曲。サウンド的にはアルバムで一番グッとくるかも?
「Aeroplane City Lovesong」
フォーキーながらもエレガント&セクシーなソウル・チューン。パーカッシヴな仕上がりがモロに僕好み。シングル曲以外では一番のお気に入り。Neville Henryをはじめとするホーン隊も盛り上げてくれます。
「Walking the Blue Beat」
オリジナルLPには未収録だった正統派ソウル・チューン。Dr. Robertのソウル・ミュージックへの愛情が感じられます。
「I Nearly Died Laughing」
少しイナたい感じがグッとくるソウル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=UrTDJHvccuI
「Don't Be Scared Of Me」
アルバムからの4thシングル。ノーザン・ソウル/モータウン調のキャッチーな仕上がりがグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=JDbBj0oe98Q
本アルバムには未収録ですが、シングルB面に収録されたCurtis Mayfield「Superfly」のカヴァーも要チェックですね。さらに次作『She Was Only A Grocer's Daughter』ではCurtis Mayfield本人との共演を果たすことになります。
Blow Monkeys「Superfly」
http://www.youtube.com/watch?v=zgZrxguYwJw
「Burn The Rich」
アーシー&ブルージーな仕上がり。シングル曲でしかBlow Monkeysを聴いていない人は、こんな土臭いDr. Robertは意外に感じるのでは?
「I Backed A Winner (In You) 」
The Demon Barbersによるドゥーワップ・コーラスをバックに従えたアコースティック・ソウル。
「Forbidden Fruit」
アルバムからの1stシングル。元T.RexのMickey Finnがボンゴで参加しています。曲自体はセクシーなポップ・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=Rmtd1YI0fL8
「Heaven Is A Place I'm Moving To」
ラストはアコースティック・ソウルで締めくくってくれます。Dick Morrisseyのソプラノ・サックスもグッド!
彼らの再結成自体はいいと思いますが、激太りでかつての色男ぶりは見る影もないDr. Robertの姿はかなりビミョーです(笑)