2009年12月30日

Manfred Mann『Mann Made』

独自のサウンド・センスが冴え渡る2nd☆Manfred Mann『Mann Made』
Mann Made
発表年:1965年
ez的ジャンル:Mod系ブリティッシュ・ビート
気分は... :年末は小粋なサウンドで!

年末モードの中で何となくManfred Mannが聴きたくなりました。
派手さはないけど小粋なサウンドを欲しているのかもしれません。

60年代に活躍したモッドなブリティッシュ・ビート・グループManfred Mannの紹介は4回目になります。

これまで紹介したManfred Mann作品は以下の3枚(発売順)。

 『Five Faces Of Manfred Mann』(1964年)
 『Soul Of Mann』(1967年)
 『Up The Junction』(1968年)

今回は2ndアルバム『Mann Made』(1965年)です。

60年代UKロックで同一アーティストを4回以上紹介しているのは、BeatlesRolling StonesThe WhoKinksといったビッグネームくらいだと思います。

自分ではManfred Mann好き!という意識はないのですが、案外僕の嗜好に合致しているグループなのかもしれません。また、数ある60年代ブリティッシュ・ビート・グループの中でも、R&B、ジャズを巧み取り入れた独自サウンドは最も今の時代にフィットしている気がします。そのため、ブログで紹介しやすいという面もあるのかも?

そんなManfred Mannらしい独自のサウンド・センスを堪能できる作品が2ndアルバム『Mann Made』です。

前作に続きメンバーは、Manfred Mann(key)、Mike Hugg(ds、vib)、Paul Jones(vo、harp)、Tom McGuiness(b)、Mike Vickers(g、sax)の5人です。

シングル・ヒットが収録されていないため手を出しづらい面があるかもしれませんが、ファンの間では初期(HMV時代)の傑作との評価もある作品です。R&B色が強かったデビュー・アルバム『Five Faces Of Manfred Mann』(1964年)以上にカラフルなサウンドを楽しむことができます。特にオルガン、ヴァイヴ、サックスあたりにManfred Mannらしさが感じられます。勿論、Paul Jonesのソウルフルなヴォーカルも健在です。

本作を最後にMike Vickersが脱退し、Paul Jonesも独立を表明します(結局1966年夏まで在籍)。その意味でオリジナル・メンバー5名ならではのManfred Mannサウンドを楽しめる貴重な作品だと思います。

全曲を紹介しときやす。

「Since I Don't Have You」
ドゥーワップ・グループSkyliners、1958年のヒット曲カヴァー。Barbra StreisandArt Garfunkel、Don McLean、Guns N' Roses等もカヴァーしています。ブリティッシュ・ビート・グループらしいR&Bテイストの仕上がりにグッときます。Paul Jonesのヴォーカルが素晴らしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pteJ5GSMCaQ

「You're For Me」
Mike Vickers作のオリジナル。小粋なモッド・ジャズ・テイストが実にManfred Mannらしいですね。

「Look Away」
Janis Joplinの名カヴァーで有名な「Cry baby」のオリジナル・ヒットで知られるR&BシンガーGarnet Mimmsの1964年のシングルをカヴァー(Bob Russell/Norman Meade作)。この曲はThe Spencer Davis Groupもカヴァーしているので聴き比べるのも楽しいですね。個人的にはManfred Mannヴァージョンの方がクールで格好良いと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=lY_xzdmn5cQ

The Spencer Davis Group「Look Away」
 http://www.youtube.com/watch?v=7gnJmmMO96A

「The Abominable Showmann」
Mike Vickers作のオリジナル。『Soul Of Mann』にも収録されていたブルージーなインスト・チューン。Manfred Mannのオルガンにグッときます。Mike Huggのヴァイヴもいいアクセントになっていてグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=9iAZoYBXTPo

「Watch Your Step」
ブルース・シンガー/ギタリストBobby Parkerのカヴァー。この曲もThe Spencer Davis Groupもカヴァーしているので聴き比べてみては?これについては両者甲乙つけ難いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=XxXSKZJSk80

The Spencer Davis Group「Watch Your Step」
 http://www.youtube.com/watch?v=DVga3Hb9jSg

「Call It Stormy Monday」
T-Bone Walker作のブルース・スタンダード。 「Stormy Monday」「Stormy Monday Blues」のタイトルも含めて数多くのアーティストがカヴァーしています。一番有名なのはAllman Brothers Band『At Fillmore East』のライブ・カヴァーですね。ここではPaul Jonesのブルージーなヴォーカル&ハープを楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=94Qsw44NFnw

「I Really Do Believe」
Paul Jones作のオリジナル。軽快な仕上がりですが僕の好みではありません。
http://www.youtube.com/watch?v=O1m695EZXWw

「Hi Lili, Hi Lo」
Helen Deutsch作詞、Bronislau Kaper作曲のポピュラー・ソング。Alan Price Set等もカヴァーしています。ブリティッシュ・ビート・グループらしい仕上がりにグッときますね。
http://www.youtube.com/watch?v=kWcZpPRbnwE

「The Way You Do The Things You Do」
The Temptations、1964年のヒット・シングルをカヴァー(Smokey Robinson/Bobby Rogers作)。モッズ好きの人はグッとくるカッチョ良いカヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=ZxwC_9X0DPs

「Bare Hugg」
Mike Hugg作のオリジナル。『Soul Of Mann』にも収録されていたモッドなインスト。オルガン、ヴァイヴ、フルートの音色にグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Oc4C8MqbVpQ

「You Don't Know Me」
Cindy Walker/Eddy Arnold作。Eddy Arnoldのオリジナル以上に大ヒットした1962年のRay Charlesによるカヴァーが有名かもしれませんね。彼らもおそらくRay Charlesヴァージョンを意識していたと思います。

「L.S.D.」
Tom McGuinness作のオリジナル。ヴォーカル入りですが『Soul Of Mann』に収録されていました。Paul Jonesがブルージーなボーカル&ハープにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=3QvlPuNkIoU

「I'll Make It Up To You」
ラストは「Look Away」に続きGarnet Mimmsのカヴァーです。オリジナルのソウルフルなテイストを引き継いだカヴァーです。

Garnet Mimms「I'll Make It Up To You」
 http://www.youtube.com/watch?v=wkiBkSZdqTg

僕の所有CDはオリジナルの全13曲構成ですが、最近のCDにはボーナス・トラックが12曲追加された全25曲になっている模様です。ボーナス・トラックは嬉しいですが、ここまでテンコ盛りになると、逆にオリジナルの良さが損なわれる気もします。

年内の通常エントリーは今日が最後です。
明日は年末恒例の特別企画『ezが選ぶ2009年の10枚』です。
お楽しみに!
posted by ez at 04:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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