2010年01月17日

Eurythmics『Savage』

これがEurythmicsサウンドの完成形だと思います!☆Eurythmics『Savage』
Savage
発表年:1987年
ez的ジャンル:UKエレポップ・ユニット
気分は... :良妻から悪女へ!

昨夜、NHK-BS2で『MASTER TAPE 〜荒井由実「ひこうき雲」』という番組を観ました。

ユーミン本人をはじめ、松任谷正隆、細野晴臣、林立夫といったキャラメル・ママのメンバーや当時のプロデューサー、エンジニアが集まり、ユーミンの名盤『ひこうき雲』(1973年)のマスターテープを聴きながら当時を振り返るという番組でしたが、レコーディング秘話に加え、サウンド面での解説もあり、とても面白かったですね。中学・高校の頃はユーミンの大ファンで、洋楽アルバムと同じ位の頻度で聴いていたので...

ノンビブラート唱法で歌えるようにトレーニング通ったこと、ブリティッシュ志向であったユーミンとアメリカ志向であったキャラメル・ママとの間に当初ギャップがあったこと、ラテン、ボサノヴァ、スカ、フレンチ・ポップスの要素が各曲に散りばめられていることなど、実に楽しく観ることができました。あとは、さすがにプロのミュージシャン達の作品の聴き方は違うし、深いなぁと実感しましたね。

この流れでいくと、参加ミュージシャン達のセッションを堪能できる70年代のアメリカン・ロック/SSW作品あたりを取り上げるべきなのでしょうが、今日は全く逆のベクトルの作品Eurythmics『Savage』(1987年)です。

Dave StewartAnnie Lennoxの男女ユニットEurythmicsの紹介は、『Be Yourself Tonight』(1985年)、『Touch』(1983年)に続き3回目になります。

『Be Yourself Tonight』(1985年)、『Revenge』(1986年)と、多数のゲスト・ミュージシャンを迎え、生演奏を重視した作品をリリースしてきた彼らですが、本作『Savage』ではメンバー2人とプログラミングOlle Romoのみでレコーディングを行い、再び打ち込みサウンド主体のアルバムとなっています。

前後の作品と比較して、チャート・アクションが振るわず(UKアルバム・チャート第7位、USアルバム・チャート第41位)、ヒット・シングルにも恵まれなかったため、サウンド面での変化も含めてあまり評価が高くないアルバムかもしれません。

しかしながら、今聴き返してみると、『Be Yourself Tonight』と並ぶ傑作アルバムという気がします。ある意味Eurythmicsサウンドの完成形と呼べるのでは?

『Be Yourself Tonight』、『Revenge』で得たエモーションとダイナミズムを損なわずに、打ち込みサウンドへ還元している点が素晴らしいと思います。Dave Stewartのサウンド・メイクは剛柔両面で磨きがかかり、Annie Lennoxのヴォーカルも表現の幅が一段と広がっています。

本作では全曲PVが制作されていますが、その中でAnnie Lennoxは家庭的な良妻と自由奔放な悪女という対照的な役柄を演じ分けています。まさにAnnie Lennoxのヴォーカル表現の豊かさを象徴しているようです。

当時は気付きませんでしたが、同時期のロック/ダンス作品の打ち込みサウンドと比較すると、そのセンスの良さが実感できると思います。

それだけに今一度、再評価されるべき作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Beethoven (I Love To Listen To) 」
アルバムからの1stシングル。無機質な打ち込みビートによるダンス・チューン。初期Eurythmicsを思わせる一方で、進化したダンス・サウンドでグループの成熟ぶりも窺えます。Annie Lennox演じる家庭的な妻の人格が崩壊し、自由奔放な悪女へと変貌していくPVも印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=pnhSt6cPf0c

「I've Got A Lover (Back in Japan) 」
オススメその1。やはり日本人には気になるタイトルですね。PVではAnnie Lennoxが富士山の写真を破り捨てるシーンもあります。ヴォーカルの剛柔のコントラストが見事ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=YbLS_gzxXnA

「Do You Want To Break Up?」
キャッチーなポップ・チューン。PVでは「Beethoven (I Love To Listen To) 」で演じた良妻と同じ格好でAnnieが登場しますが、表情は明らかに悪女へ変貌しているところが面白いですね。サウンド面でも映像面でも、あえてブリッ娘路線を狙っているのがEurythmicsらしいシニカルさかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=Sq2PVneUl9Q

「You Have Placed A Chill In My Heart」
オススメその2。アルバムからの4thシングル(USでの2ndシングル)。美しいメロディがいいですね。豊かな感情表現が打ち込みサウンドと上手く融合していますね。
http://www.youtube.com/watch?v=MMY7YFmlAow

「Shame」
オススメその3。アルバムからの2ndシングル。クール・サウンドながらも柔らかな印象を受けるのがいいですね。ヨーロピアンな美しさも感じます。美しいと言えば、本PVのAnnie Lennoxは格別に美人だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=0EOufrrEbIQ

「Savage」
タイトル曲はAnnie Lennoxのヴォーカルを堪能できるバラード。大人の哀愁モードにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=LuLH6aNIWUw

「I Need A Man」
オススメその4。アルバムからの3rdシングル(USでの1stシングル)。ここではAnnieが思い切り悪女モードで挑発しまくります。Daveのギターも荒々しくてグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=fjzxIMV7T5M

「Put The Blame On Me」
オススメその5。僕の一番のお気に入り。哀愁漂う疾走感がたまりません。ChicのNile RodgersがEurythmicsをプロデュースしたら、こんなサウンドになったのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=M7-ZB54mwQc

「Heaven」
オススメその6。「Put The Blame On Me」に次ぐお気に入り。軽快なリズムと幻想的なシンセの音色はまさにへヴン・モードの心地よさ!
http://www.youtube.com/watch?v=6l7fnoStcQU

「Wide Eyed Girl」
サウンド的には初期Eurythmicsの雰囲気に近いですが、余裕たっぷりのAnnieのヴォーカルが入るとグループの進化を感じます。
できちゃった婚(?)のPVもなかなか楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=uJwnzwoOVzg

「I Need You」
Daveのアコースティック・ギターの伴奏のみをバックにAnnieが歌います。ガンガンに打ち込みサウンドで攻めまくった後に、こうした曲を持ってくる構成は心憎いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=P2wEvRIHu0k

「Brand New Day」
オススメその7。ラストはAnnieの多重録音ヴォーカルによるア・カペラでスタートします。意表を突く展開にかなりグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=Qxu6wJe2ACY

NFLは今日、明日とディビジョナル・プレーオフです。

今日はまず「セインツ対カーディナルス」、「コルツ対レイブンズ」の2試合。

「セインツ対カーディナルス」はハイパー・オフェンスの激突が楽しみですね。ハイスコアの好試合が期待されます。

「コルツ対レイブンズ」は、マニング擁するコルツ攻撃陣とルイスを中心としたレイブンズ守備陣の激突が楽しみですね。レイブンズが勝機を見出すとすれば、ロースコア・ゲームに持ち込まないと苦しいでしょうね。
posted by ez at 00:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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