2010年01月20日

Musiq『Juslisen』

まぁ、聴いてくださいな!自信を深めたMusiq Soulchildの大ヒット2nd☆Musiq『Juslisen』
Juslisen
発表年:2002年
ez的ジャンル:天才男性R&Bシンガー
気分は... :まぁ、聴いてくださいな!

今日はMusiq(Musiq Soulchild)の4回目の紹介です。

これまで当ブログで紹介したMusiq(Musiq Soulchild)作品は以下の3枚(発売順)。

 『Soulstar』(2003年)
 『Luvanmusiq』(2007年)
 『Onmyradio』(2008年)

4枚目に紹介するのは2ndアルバム『Juslisen』(2002年)です。

前作では"Musiq Soulchild"の表記でしたが、本作、次作『Soulstar』では単に"Musiq"となっています。『Luvanmusiq』以降は再び"Musiq Soulchild"に戻しています。

デビュー作『Aijuswanaseing』(2000年)で確かな存在感を示したMusiq Soulchildですが、本作『Juslisen』ではさらに自分の方向性に自信を深めた内容になっています。「とりあえず聴いてよ!」というアルバム・タイトル(Just listen!)にも自信が表れていますね。それが功を奏し、アルバムは全米アルバム・チャート、同R&Bチャート共に第1位を獲得しました。

前作時点ではまだ半信半疑で聴いていたところがありましたが、本作を聴いて"このアーティストは本物だ!"と確信するようになりました。前作では、僕の方が彼独特のヴォーカル・スタイルに慣れていない部分があって、多少戸惑っていたのかもしれません。

本作以降のMusiq Soulchildは、僕の中で21世紀最高の男性R&Bシンガーの地位を不動のものにしています。年末の記事でも少し書きましたが、男性R&BシンガーならばMusiq Soulchild、女性R&BシンガーならばAngie Stone、Hip-HopならばCommonというのが僕の2000年代でしたね。

さて、『Juslisen』に話を戻すと、何となく、1st『Aijuswanaseing』(2000年)と共に紹介するタイミングを逸していた作品だったので、ようやく紹介できホッとしています。

前作『Aijuswanaseing』同様に大半の曲でA Touch of Jazz(Jazzy Jeffがフィラデルフィアで設立したプロダクション)関連のプロデューサー達を起用しています。具体的にはIvan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsをメインに、Darren "Limitless" Hensonm & Keith "Keshon" Pelzer、Andre Harris & Vidal Davis(Dre & Vidal)が参加しています。A Touch of Jazz以外ではJames Poyser/Vikter Duplaix(前作も参加)、88-Keys等が起用されています。

Keith Sweatあたりと同じで、好き/嫌いは別れるけど、気に入ったら中毒のようにハマるタイプのシンガーだと思います。

聴き逃している方は、とりあえず聴いてくださいな!

全曲紹介しときやす。

「Scratch Interlude」
デビュー作『Aijuswanaseing』に続き、The RootsのScratchのビートボックスでアルバムは幕を開けます。

「Newness」
Musiqらしさ全開のミディアム・スロウ。ネオ・ソウルらしいメロウなエレピ・サウンドと少し引っ掛かり気味のグルーヴをバックに、Musiqのソウルフルなヴォーカルで女性に話しかけるように歌います。メロウな雰囲気が全体を支配しますが、歌自体は結構強引なナンパ・ソングです(笑)。でも大好き!Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=zQNIO3UIvSI

「Caught Up」
『Aijuswanaseing』にも参加していた彼の妹分グループAaries(Ayana Hipps & Ayinka Hipps)をフィーチャー。Hamilton Bohannon「Save Their Souls」をサンプリングしたファンキー&ビターなミッド・グルーヴに仕上がっています。前作の収録曲「Seventeen」の続編であり、前回は17歳という年齢がネックで諦めた女性に、数年ぶりに再会したビミョーな男心を歌っています。男は引きずりますからねぇ(笑)。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。

YouTubeには浮遊感漂う9th WonderによるRemixがありました。
「Caught Up (9th Wonder Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=NLWGP02KwuA

「Stoplayin」
Jill Scott、Bilal等と一緒に聴きたくなるネオソウルらしいジャジー&ソウルな仕上がりです。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=kYmvbP0os4U

「Religious」
ゴスペル風にスタートする軽快なファンキー・グルーヴ。The Meters「Thinking」をサンプリングしています。Musiqの粘っこいヴォーカルとThe Metersのグルーヴ感って実にマッチしますよね。Darren "Limitless" Hensonm & Keith "Keshon" Pelzerプロデュース。

「Babygirl」
88-Keysプロデュース。A Touch of Jazz勢以外のプロデュースで少しアクセントをつけています。88-KeysプロデュースでHip-Hop色が強い仕上がりをイメージしてしまいますが、ストリングスも入った柔らかい仕上がりで意外とネオ・ソウルしています。歌の内容は相変わらずナンパ・ソングです(笑)

「Halfcrazy」
アルバムからの1stシングル。全米シングル・チャート第16位、同R&Bチャート第2位のヒットとなった代表曲の1つ。映画『パリのめぐり逢い(Vivre Pour Vivre)』で使われたFrancis Laiの名曲「Vivre Pour Vivre(英題:Live For Life)」をサンプリングしたロマンティック・バラードです。友人だった女性が恋人となる際のハーフクレイジーな男心を歌っています。ハッピー・モードではなく切ないモードなのがグッときますね。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=IP4V3TTC3fw

「Time」
ジワジワ迫ってくる哀愁モードのビューティフル・バラード。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。

「Future」
Hip-Hopテイストの仕上がり。♪ヘイ・ヨー♪ヘイ・ヨー♪の掛け声が印象的です。Junius Bavineプロデュース。

「Intermission: Juslisen」
Sly & the Family Stone「Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)」を引用したファンク・テイストのインターミッション。88-Keysプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=PWrDilUJeQk

「Realove」
James Poyserプロデュース。演奏も全て彼です。D'Angeloのような浮遊感漂うグルーヴ感がJames Poyserらしいですね。Soulquarians好きの人はグッとくる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Ws25FayttsY

「Onenight」
Andre Harris & Vidal Davisプロデュース(Dre & Vidalと書いた方がわかりやすいですね)。当時は"21世紀のStevie Wonder"なんて呼び方もされたMusiqですが、この曲ではMarvin Gaye風のセクシー・モードで迫ります。

「Previouscats」
A. Jermaine Mobley/Hakim Young/Donahue Bakerプロデュース。哀愁モードのミッド・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=8TKtVB_5-kM

「Solong」
Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュースによる、囁くような哀愁グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=e3vTTv8neqU

「Bestfriend」
新人女性シンガーCarol Riddickのお披露目も兼ねたデュエット。ネオ・ソウルらしい引っ掛かったグルーヴ感にグッときます。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=ufpAmwdLieI

「Dontchange」
アルバムからの2ndシングル。全米シングル・チャート第17位、同R&Bチャート第3位のヒットとなりました。愛しい人へ永遠の愛を誓うバラード。淡々とした中でジワジワと感動が高まってくるのがMusiqらしいですね。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=TzBD8t0sB-4

「Motherfather」
タイトルの通り、両親への感謝を歌った感動的なソウル・チューン。James Poyser/Vikter Duplaixプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=3IUKqHH717Q&

「Something」
ラストはGeorge Harrison作のThe Beatles名曲カヴァー。前年11月に亡くなったGeorgeへの追悼の意が込められているのだと思います。意外なカヴァーの気もしますが、曲自体はMusiqに合っているのでは?Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=z8EWB4vglO8

「Ifiwouldaknew (Girlnextdoor Remix) 」
ボーナス・トラックとして前作『Aijuswanaseing』からのシングルカット「Girl Next Door」のリミックスが収録されています。AariesのAyanaをフィーチャーし、DeBargeの名曲「Stay With Me」をサンプリングしています。

国内盤はジャケの色が違います!
Juslisen

未聴の方は他作品もどうぞ!

1st『Aijuswanaseing』(2000年)※そのうち投稿します!
Aijuswanaseing

3rd『Soulstar』(2003年)
Soulstar

4th『Luvanmusiq』(2007年)
Luvanmusiq

5th『Onmyradio』(2008年)
OnMyRadio
posted by ez at 00:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前Sounds of Blacknessの記事にコメントさせてもらいましたKONです。
彼のことは気になりながら、手を出してなかったんですが。
「Newness」を聴いて、ヤバイかも、と思い。
「Dontchange」を聴いて涙し。
すぐに買いに行きます!!
ezさんに感謝!

P.S.私のブログに、このブログへのリンクを張らせてもらってもいいですか?
Posted by KON at 2010年01月20日 10:45
☆KONさん

ありがとうございます。

「Newness」がお気に入りであれば、Musiq Soulchildにハマると思います。
結構、中毒になるかもしれませんね(笑)

> このブログへのリンクを張らせてもらってもいいですか?

それは構いませんよ。
ただし、当ブログの方針で相互リンクは行っていませんので何卒ご容赦願います。
Posted by ez at 2010年01月21日 00:43
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック