2006年03月02日

Procol Harum『A Whiter Shade Of Pale』

永遠の名曲「青い影」を含むProcol Harumのデビュー・アルバム☆『A Whiter Shade Of Pale』
青い影+4(K2HD/紙ジャケット仕様)
発表年:1967年
ez的ジャンル:クラシック+ブルース系UKロック
気分は... :人生って...

ロック・ファンならば誰もが知っている「A Whiter Shade Of Pale(邦題:青い影)」♪
Bach(バッハ)のCantata14番をモチーフにしたProcol Harumの名曲中の名曲☆

僕がこの曲を聴いたのは、ロックに目覚めて、ロック史研究にのめり込んでいた中学生の頃だったかなぁ。

ホント、この曲にはかなりの衝撃を受けまシタ。よくわからないけど、初めてロックにアート的なものを感じたねぇ。その衝撃はBeatles、Rolling StonesWho、Cream、Jimi HendrixDoorsといった60年代を代表するアーティストの名曲、名アルバム以上だったかもしれない。

「A Whiter Shade Of Pale」はProcol Harumの1stアルバム『A Whiter Shade Of Pale』(1967年)に収録されている。メンバーは、Gary Brooker(vo、p)、Matthew Fisher(org)、Robin Trower(g)、David Knights(b)、B.J. Wilson(ds)、Keith Reid(words)の6人。

何と言っても、Gary Brookerのボーカルが魅力的デス。そのRay ChaelesばりのボーカルにはSteve Winwoodも真っ青だよねぇ。そして、Matthew Fisherの教会的なオルガン・プレイも特徴的っす。当時のロック・バンドのオルガンってジャズ的なオルガン・プレイが主流だったので、かなり異彩を放っていたのではと思いマス。そして、Robin Trowerのブルースを基調としたギターもイイっす。あと、当時ピアノ(Brooker)とオルガン(Fisher)が両方居たロックバンドってかなり珍しかったんじゃないかなぁ??

「A Whiter Shade Of Pale」が突出して素晴らしいのは事実だけど、アルバム全体としてもかなり充実していマス。この頃はまだプログレッシブ・ロックというスタイルは無かったけど、ロックとブルース、ジャズ、クラシックの融合した音楽は、まさにプログレッシブ(先進的)なロックだと思いマス。作詞専門のメンバー(Keith Reid)がいた点も、King Crimsonの一歩先を行っているしね!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Whiter Shade of Pale」
まずは何よりこの曲を紹介しないとね。今聴いても胸の高鳴りが抑えられない名曲っす。先に述べたように、この曲は、Bach(バッハ)のCantata14番をモチーフにしており、クラシックとロックの融合として説明されることが多い。でも、この曲を最も魅力的にしているのはBrookerのソウルフルなボーカルではないかと思いマス。その意味では、クラシック、ロック、ソウルの融合がこの曲の名曲たる所以では?

中学生の時、この曲を聴いているうちに自分の人生について真剣に悩んだ記憶がある。多分、この曲の持つ荘厳だけど儚いムードから、人生は永遠に続くものではなく、自分もいつかは死ぬということをリアルに感じて、そんな事を考えてしまったのだろう。そんな事もあって、僕にとってこの曲は衝撃的な1曲だったねぇ。まぁ、現在の僕は、そんなことクヨクヨ考えても仕方ない、なるようになるさ!って、かなり楽観的な人間になってしまったけどねっ!

「She Wandered Through the Garden Fence」
BrookerのボーカルとFisherのオルガンがグイグイと引っぱってくれる不思議なナンバー。サイケなようで、サイケでない点がこのバンドの不思議なところデス。サイケのカラフルさが無いんだよね。うまく表現できないけどブルージーなモノクロ・サイケ(何じゃそりゃ?)ってカンジかな??

「Something Following Me」
「Cerdes (Outside the Gates Of)」
Brookerのボーカルを堪能するにはうってつけのブルージーなナンバー2曲。Brookerのボーカルって、他のUKロック・グループのボーカリストのように無理やり黒人シンガーっぽくしているのではなく、実に自然にソウルフルな味わいを表現できている点がスゴイね!当時の白人シンガーでこんなに自然にソウルフルな表現をできるのは、Steve WinwoodとBrookerくらいしかいなかったんじゃないかなぁ?

「Kaleidoscope」
アルバム中一番ロックしているナンバー。当時の表現で言えば“ニュー・ロック”っぽいかもね!僕にはキーボード類が活躍するCreamってカンジがしマス。

「Repent Walpurgis」
アルバムのラストを飾るインスト曲。全体的には「Whiter Shade of Pale」の雰囲気に似ているかも?この曲って、何となく以前紹介したプログレ・ロックの記念碑的アルバムKing Crimson『In The Court Of The Crimson King』(1969年)の序章っぽいカンジがする!

ちなみに、「Whiter Shade of Pale」と並んで、当時中学生の僕に“人生とは何ぞや”と考えさせた曲がBilly Joel「Summer, Highland Falls」(アルバム『Turnstiles』収録)だった。別にそんな曲じゃないんだけどねぇ。

1週間ほど学校から帰ると、部屋でこの2曲を何度も繰り返し聴きながら、自分もいつかは死んでしまうことにものすごい恐怖を感じ、怯えていた日々を思い出す(笑)。“そんな事考えてる暇があるならば、人生を楽しめ!”って、あの頃の自分に説教してやりたいねっヾ(`0´)ノ
posted by ez at 00:59| Comment(4) | TrackBack(1) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
名曲青い影はJ.S.バッハの作品がモチーフになっていてハモンドオルガンがこれ以上ないぐらい上手く使われてますよね。アルバムも充実した内容と思いますが、今聴くとちょっとサウンドが古臭くなってきて(録音も)しまってるかな…それでも旧A面の流れとラストナンバーは絶品。よくザ・バンドみたいな音だといわれてましたねプロコルハルム…。2ndアルバムの『シャインオンブライトリー』の方が個人的には好きで1stと甲乙つけがたい名盤だと思います(ラストの長尺曲は必聴)。クリストーマスがプロデュースした『トロピックバーズ&フルーツ』(邦題幻想)も好盤。ダブルキーボードというと英プログレのグリーンスレイドが好きデスね。
Posted by マルチP at 2006年06月01日 14:24
☆マルチPさん

僕は基本的には『A Whiter Shade Of Pale』しか聴いたことがありませんが、例のRolling Stone誌レコードガイドに載っていた『A Salty Dog』のイケてないジャケ写真(笑)がやけに印象に残っています。あと昔よく名盤ガイドの類で『Grand Hotel』の紹介を見ましたが、今Rolling Stone誌のレビューを見たら結構辛口評価になっていますねm(>O<)m
Posted by ez at 2006年06月02日 02:46
Cash Box 1967年8月5日6位、12日5位、19日10位でした。
私はシングル盤8月23日買いました。
当時アメリカで流行って2カ月ぐらいして
日本で発売されるのですが、当時如何に
話題になったかおわかりになると思います。
Posted by あばちゃん at 2010年04月20日 23:09
☆あばちゃんさん

「青い影」は奇跡の名曲ですね。壮大なサウンドとBrookerのソウルフルなヴォーカルのコンビネーションが抜群です!

Posted by ez at 2010年04月21日 16:41
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

Epiphone Casino 《John Lennon・Guitar編(1)》
Excerpt:             PAPERBACK WRITER/RAINのシングル。このカップリングは衝撃だったんだろうなぁ! プロモも良かった。                           ..
Weblog: goo goo g&#39;joobな散文日記
Tracked: 2006-03-04 01:53