発表年:1968年
ez的ジャンル:クイーン・オブ・ソウル絶頂期
気分は... :全身全霊を込めて!
久々のAretha Franklinです。
これまで紹介してきたArethaは以下の4枚(発売順)。
『I Never Loved a Man the Way I Love You』(1967年)
『Lady Soul』(1968年)
『Young, Gifted And Black』(1972年)
『Sparkle』(1976年)
5枚目の紹介となるのは1968年リリースの『Aretha Now』です。
『Aretha Now』は『I Never Loved a Man the Way I Love You』(1967年)、『Aretha Arrives』(1967年)、『Lady Soul』(1968年)に続くAtlantic第四弾となる作品です。『Lady Soul』あたりと並び"クイーン・オブ・ソウル"の絶頂期を示す作品なのでは?
特に本作『Aretha Now』は、それまでの3作と比較すると軽快な楽曲が並ぶ明るさが特徴かもしれません。笑みを浮かべたジャケも含めて、意図的に明るい作品にしたかったのかもしれませんね。
プロデュースはJerry Wexler、アレンジはTom DowdとArif Mardinというお馴染みの顔ぶれ。参加ミュージシャンはSpooner Oldham(org、p、el-p)、Tommy Cogbill(g、b)、Jimmy Johnson(g)、Bobby Womack(g)、Jerry Jemmott(b)、Roger Hawkins(ds)、The Sweet Inspirations(back vo)、Carolyn Franklin(back vo)、King Curtis(ts)等です。
アルバムからは「Think」、「I Say a Little Prayer」、「See Saw」、「I Can't See Myself Leaving You」という4曲がシングル・ヒットが生まれています。
圧倒的なArethaのヴォーカルは勿論のこと、バック・コーラスThe Sweet Inspirationsも素晴らしいコーラスでクイーン・オブ・ソウルを盛り上げています。
個人的には『Lady Soul』が一番好きですが、アルバム全体の完成度では本作も引けをとらない出来栄えだと思います。
クイーン・オブ・ソウルの真髄を堪能しましょう。
全曲紹介しときやす。
「Think」
全米シングル・チャート第7位、同R&Bチャート第1位となったヒット曲。Arethaと夫Ted Whiteの共作です。バック・コーラスのThe Sweet Inspirationsとの息もピッタリの躍動感溢れたジャンプ・チューンに仕上がっています。
映画『The Blues Brothers』でも使われていましたし、Lou Rawls、Lonnie Smith等がカヴァーしています。また、3rd Bass「The Gas Face」のサンプリング・ネタにもなっています。
3rd Bass「The Gas Face」
http://www.youtube.com/watch?v=QYp28tEAVvs
「I Say a Little Prayer」
Hal David/Burt Bacharach作品の名曲カヴァー。オリジナルは1967年に全米シングル・チャート第4位となったDionne Warwickのヴァージョンです。当ブログでは以前にCal Tjaderのカヴァーを紹介しています。Arethaヴァージョンも全米シングル・チャート第10位、同R&Bチャート第3位のヒットとなりました。Dionneには申し訳ないですが、Arethaヴァージョンこそ本曲の最高峰と思われている方は多いのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=STKkWj2WpWM
また、本作には未収録ですが、シングル「I Say a Little Prayer」のB面「The House That Jack Built」(Thelma Jonesのカヴァー)も人気の高い1曲ですね。
「See Saw」
前作『Lady Soul』からの大ヒット・シングル「Chain Of Fools」の作者であるDon Covayのヒット曲をカヴァー(Steve Cropper/Don Covay作)。当ブログでは以前にLonnie Smithのカヴァーを紹介しています。Arethaヴァージョンはシングルとして全米シングル・チャート第14位、同R&Bチャート第9位のヒットとなりました。軽快ながらもコクのあるソウル・チューンに仕上がっています。
「Night Time Is the Right Time」
Ray Charlesのカヴァー・ヒット(1959年)でお馴染みのブルース・スタンダードのカヴァー(Big Bill Broonzy作)。当ブログでは以前にCreedence Clearwater Revival(CCR)のカヴァーを紹介しています。ArethaヴァージョンはRay Charlesヴァージョンの女性版といった感じですね。
「You Send Me」
Sam Cookeの名曲カヴァー。当ブログでは以前にNicolette Larsonのキュートなカヴァーを紹介しています。Arethaが本曲をカヴァーするのは、いろいろな意味でハマりすぎですね。
http://www.youtube.com/watch?v=pAqInZnSymQ
「You're a Sweet Sweet Man」
Ronnie Shannon作品。Roger Hawkinsによるドラムブレイクがキマっている小粋なソウル・チューン。
「I Take What I Want」
Sam & Daveのカヴァー(Isaac Hayes/Mabon "Teenie" Hodges/David Porter作)。小気味良いカヴァーに仕上がっています。
「Hello Sunshine」
Jimmy Cliff/King Curtis/Ronald Dean Miller作。ホーン隊やThe Sweet Inspirationsの絡みがいい感じです。Jimmy Cliffのレゲエ・ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいのでは?
「A Change」
Dorian Burton/Clyde Otis作。アコギがアクセントとなっているアップ・チューン。本作の隠れ名曲という気がします。
「I Can't See Myself Leaving You」
全米シングル・チャート第28位、同R&Bチャート第3位となったヒット曲(Ronnie Shannon作)。ラストはクイーン・オブ・ソウルの貫禄漂う堂々としたソウル・チューンで締め括ってくれまます。本曲はThe Whispersもカヴァーしていますね。
そう言えば、昨夜のサッカー日本代表の試合はひどかったですね。
あの試合ぶりではグループリーグ3戦全敗確実なのでは?
僕も、そういった趣向でブログを書いてますが、内容が濃いです。
いきなりですが、リンクとかさせていただいて宜しいでしょうか。
刺激になりそうなので。またちょくちょく読みにきます。
アレサのこの盤は、アレサにとって最もチャートを席巻したアルバムです(17週R&B1位)。
元恋人だったサムが数年前に亡くなり「You Send Me」をカヴァーし、
葬儀で歌うことになった亡きキング牧師への思いを歌にしたかのような「Think」を歌い上げるなど
このアルバムは、アレサの笑顔とは裏腹に、時代背景を考えさせられてしまいます。
ありがとうございます。
> アレサの笑顔とは裏腹に、時代背景を考えさせられてしまいます。
そうした暗い時代だからこそ、明るい希望を意図したのかもしれませんね。
> リンクとかさせていただいて宜しいでしょうか。
全然OKですよ!
ただし、当方の方針で相互リンクは行っていない点を、どうぞご容赦下さい。
> 毎日全曲レビュー
毎日更新するのは大変ですが、更新しないと逆にストレスになる...
完璧にブログ中毒かもしれません(笑)
お互い音楽ブロガー生活を楽しみましょうね!
これからもよろしくお願い致します。