発表年:1965年
ez的ジャンル:キュート&エレガント・ボサノヴァ
気分は... :ジャケのイメージに惑わされずに...
今回は評価の高いボサノヴァ作品Tita『Tita』(1965年)です。
Titaはブラジル、ミナス・ジェライス出身の女性シンガー。
詳しいバイオグラフィ、ディスコグラフィは勉強不足でよく知りませんが、アルバムで言えば、1stアルバムとなる今日紹介する『Tita』(1965年)や、夫でベーシストのEdson LoboのグループLe Trio Camaraと共にフランスへ渡りレコーディングしたアルバム『L'Incomparable Tita』(1968年)が有名ですね。
僕の場合、『L'Incomparable Tita』はサバービア関連の書籍でジャケがインプットされていましたが、『Tita』を知ったのは数年前の世界初CD化の時でした。しかしながら、ジャケの見た目の雰囲気が全く異なるので最初は『Tita』と『L'Incomparable Tita』が同じアーティストの作品であるとは全然わかりませんでした。
その後2枚のアルバム共にTita作品としてつながったのですが、どうも本作『Tita』には食指が動きませんでした。ジャケを見る限り、ギター一本で悲しげに歌われる根暗なボッサという印象だったので...
昨年ようやく勇気を出して(?)本作をゲットしたのですが、"根暗ボッサ"という僕のイメージは大きな誤りでした。
まず、下手ウマなイメージがあったTitaの伸びやかな声に魅了されます。曲の雰囲気に合わせて、時にキュート、時にエレガント、時にサウダージ、時にエモーショナルと様々な表情の歌声を聴かせてくれる点もグッときますね!
Titaのヴォーカルを引き立てるアレンジの素晴らしさも魅力です。これに関しても、ギター1本のシンプルなサウンドという僕のイメージを裏切ってくれて嬉しい限りです。
アレンジを担当したのはEumir Deodato、Lindolfo Gaya、Paulo Mouraの3名。オーケストレーションも含めた素敵なサウンドを聴かせてくれます。
ジャケとのギャップに嬉しいサプライズがあるアルバムです!
全曲紹介しときやす。
「Deus Brasileiro」
オープニングはPaulo Sergio Valle/Marcos Valle作品。ジャケのイメージとは正反対の、ハジけたTitaのヴォーカルとヴィヴィドなサウンドに思わずニンマリ!
「Inutil Paisagem」
邦題「無意味な風景」。Antonio Carlos Jobimの名曲カヴァー。当ブログでは以前にTenorio Jr.、Quarteto Em Cyのヴァージョンを紹介しています。ここではオーケストレーションを配したエレガントなアレンジが印象的です。
「Bem Mais Que a Beleza」
Paulo Sergio Valle/Pingarilho作品。本作で一番のお気に入り曲。昼よりも夜が似合う小粋な大人のジャズ・サンバといったところでしょうか。ムーディーなサックス・ソロもグッド!
「Sono de Pedra」
Betinho/Renato Silveira作品。♪ぐっすり眠りたいの♪と歌われるように夢見モードの仕上がりです。オーケストレーションが盛り上げてくれます。
「Amor de Nada」
Paulo Sergio Valle/Marcos Valle作品の2曲目。「Bem Mais Que a Beleza」、「So Tinha de Ser Com Voce」と並ぶ僕のお気に入り。軽快なテンポでTitaの伸びやかなヴォーカルを堪能できます。
「Ficou Saudade」
Helder Camara/Sergio Malta作品。タイトル通りサウダージ・モードのボッサ・チューン。大人の色気漂うTitaのヴォーカルにグッときます。
「Sozinha de Voce」
Pedro Camargo/Durval Ferreira作品。恋の終わりを歌った作品ですが、素晴らしいアレンジに思わずウットリしてしまいます。
「So Tinha de Ser Com Voce」
Aloysio de Oliveira/Antonio Carlos Jobim作品。溢れんばかりの愛情を歌ったものですが、やや抑えたトーンのヴォーカルが素晴らしいですね。大好きな1曲。
「Pensa」
Paulo Sergio Valle/Marcos Valle作品の3曲目。エレガントなアレンジが印象的です。
「Mais Valia Nao Chorar」
Normando/Ronaldo Boscoli作品。 当ブログでは以前にClara Morenoのヴァージョンを紹介ました。ここでは語り掛けるようなTitaのキュートなヴォーカルにグッときます。作者のBoscoliは裏ジャケで本作への推薦文も書いています。
「Aniversario da Tristeza」
Betinho/Renato Silveira作品の2曲目。邦題「悲しみの誕生日」。哀愁モードの曲を情感たっぷりに聴かせてくれます。
「Questao de Moral」
Paulo Tito/Roberto Faissal作品。揺れる乙女心を表情豊かに聴かせてくれます。ラブ・コメディのバックとかで流れるとピッタリな感じ!
「Tristeza」
本作唯一のTitaオリジナルはインストです。このタイトルからはHaroldo Lobo/Niltinho作の名曲「Tristeza(Goodbye Sadness)」を思い浮かべてしまいますが同名異曲です。
『L'Incomparable Tita』(1968年)も必ずゲットしたい1枚ですね。
Amazonにジャケ画像がないのが残念ですが...
そろそろ寝ようと思ったら、五輪のカーリングの生中継が始まってしまいました...困っちゃうなぁ(笑)
「スカートをはいたジョアン・ジルベルト」というのは、???ですが。
ありがとうございます。
> 「スカートをはいたジョアン・ジルベルト」というのは、???ですが
僕もこのキャッチ好きではないので書きませんでした。
とても安易ですよね。
数曲YouTubeにUPされていますので、それで試聴するのもアリだとおもいます♪
http://www.youtube.com/watch?v=b3l6oGyvgOc
ありがとうございます。
YouTube試聴しました。
余計に現物が欲しくなりますね。