発表年:2007年
ez的ジャンル:西ロンドン系クラブソウル
気分は... :遂に1,500回目
昨日からseesaaブログが長期メンテで全く更新ができませんでした。
昨日正午に終了予定でしたが、結局24時間以上の遅れ...しかも表示は遅いまま...
seesaaってこのあたりがイマイチなんですよねぇ!
目新しいサービスなんてどうでもいいから、もっと基本を見つめ直して欲しいですな。
今日のエントリーが区切りの1,500回目のエントリーとなります。
1,500回という数字を目の前にすると、なかなか感慨深いものがありますね。
当ブログの場合、日記というよりもデータベース・備忘録の色彩が強いので、エントリーが増えれば増えるほど面白くなってくると勝手に思っています。これからも僕自身が音楽を楽しむことを大前提に、年代・ジャンル問わずに広く作品を紹介していきたいと思います。また、新着エントリーのみならず過去エントリーも含めて楽しんでいただけれると嬉しい限りです。
さて、区切りのエントリーにセレクトしたのは西ロンドンの音楽シーンを牽引するユニットReel Peopleの2ndアルバム『Seven Ways To Wonder』(2007年)です。
先月のMark De Clive-Loweのエントリーでも書いたように、ここ数年僕の中で西ロンドン系アーティストの存在感が増しており、その中でも特に僕を虜にしているのがReel Peopleです。
Reel Peopleは西ロンドンを拠点に活動するクラブ・ミュージック・ユニット。
Oli Lazarusがスタジオ・エンジニアのTom Davidsonと出会い、2001年にPapa Recordsを設立し、シングル「Spiritual」をリリースしたのがグループの歴史の始まりのようです。
その後マルチ奏者Mike Pattoが加わったReel Peopleは2003年に1stアルバム『Second Guess』をリリースします。
アルバムにはDJ Spinna、Phil Asher、Bugz In The AtticのSeiji、Afronaughtといったクラブ・ミュージック系アーティストや、先日Cooly's Hot-Boxの記事で紹介したAngela Johnsonをはじめ、Vanessa Freeman、Dyanna Fearon、Shelley Nelson等の多彩なヴォーカリストが参加し、クラブ・ミュージックとUKソウルが融合した傑作アルバムに仕上がっています。
このデビュー・アルバムはリリース当時も高い評価を得ましたが、ハウス・レーベルのDefectedから収録曲の一部を差し替え、リミックスやライブ・ヴァージョンが追加された再編盤が2005年に再リリースされると、再び注目されることになります。特に追加収録された新曲「The Rain」は人気曲として多くのクラブ系リスナーを虜にしました。
そして、『Second Guess』再リリースの余韻が冷めぬうちにリリースされた2ndアルバムが本作『Seven Ways To Wonder』(2007年)です。詳細知りませんが、本作におけるメンバーはOli LazarusとMike Pattoの2人のみの模様です。
昨年リリースした『If These Walls Could Talk』が高い評価を受け、日本でも一気に知名度が上がった期待のUS男性R&BシンガーDarien、アシッド・ジャズ期から活躍するUK男性R&BシンガーOmar、『Second Guess』にも参加していたVanessa Freeman、Dyanna Fearonといったウエスト・ロンドンの歌姫たち、Incognito作品にフィーチャリング・ヴォーカリストとして参加したキャリアを持つImani、Tony Momrelle、Joy Roseの3名、さらに女性シンガーTasita D'Mourという『Second Guess』以上に多彩なヴォーカリストが参加しています。
そんな多彩なヴォーカリスト達の魅力を活かすべく、全体的にはよりUKソウル色が強くなった作品に仕上がっています。音楽性のバラエティにも配慮していた『Second Guess』に対して、本作ではクラブ・ミュージック経由ソウルの純度を高めることを重視している印象を受けます。
前作『Second Guess』からサウンド面での最大の変化は、生音の演奏を重視している点です。70年代フュージョン/ジャズ・ファンク・フレイヴァーの楽曲が多いのも目立ちますね。このあたりはMike Pattoの色がよく出ているのでは?
『Second Guess』同様、クラブ・ミュージックとUKソウルが融合した傑作だと思いますが、クラブ・ミュージック好き以外に、UKソウル好き、クラブジャズ好きの人も楽しめるアルバムだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Alibi」
オススメその1。オープニングはDarienのヴォーカルをフィーチャー。Stevie WonderテイストのDarienヴォーカルとトロピカル・フュージョン風のダンス・サウンドがマッチしたハッピー・モードのウエスト・ロンドン・ソウルに仕上がっています。モロに僕好みの1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=3joMq0awZ8g
国内盤ボーナス・トラックには日本でも人気の高いスウェーデン出身のハウス・クリエイターRasmus Faberによるリミックスも収録されているので要チェックです。
「Alibi (Rasmus Faber Remix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=Z-guy3OAD4A
「Outta Love」
オススメその2。Omarのヴォーカルをフィーチャー。ソウルとジャズ・ファンクとクラブ・ミュージックが融合したUKソウルらしい仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=5go8RadaTdo
Omar(Omar Lye-Fook)は90年代前半アシッド・ジャズ期のUKソウルを聴いていた方にはお馴染みの男性シンガーですね。僕も『There's Nothing Like This』(1990年)、『Music』(1992年)、『For Pleasure』(1994年)の3枚は持っています。特にデビュー作『There's Nothing Like This』はよく聴きました。
「Amazing」
オススメその3。Imaani、Tony Momrelleの男女ヴォーカルをフィーチャー。Incognito作品にも参加するヴォーカリスト二人のソウルフルな側面を強調したアルバムの中でも特にエモーショナルな仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=blk2BUS4vl8
ハウス好きの方はTarantulazによるリミックス(アルバム未収録)がオススメです。
「Amazing(Tarantulaz Mix)」
http://www.youtube.com/watch?v=EQyGxfvCU6c
「Rise & Fly」
オススメその4。Vanessa Freemanのヴォーカルをフィーチャー。西ロンドンの歌姫Vanessaの艶やかなヴォーカルの魅力を生かした幻想的かつドラマチックな仕上がりが印象的です。
「It Will Be」
オススメその5。再びTony Momrelleのヴォーカルをフィーチャー。パーカッシヴなリズムとフュージョン風の心地よいギター・サウンドがTonyのソウルフルなヴォーカルに上手く絡みます。
http://www.youtube.com/watch?v=Cew8_OzXxOI
後述する本作のリミックス・アルバム『Seven Ways to Wonder:The Remixes』にはKyoto Jazz Massiveによるリミックスも収録されています。こちらは疾走感溢れるクラブサウンドに仕上がっています。
「It Will Be(Kyoto Jazz Massive Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=Gx85SBQhlGI
「Perfect Sky」
Joy Roseのヴォーカルをフィーチャー。アルバム・ジャケの深遠なイメージとリンクする幻想的なグルーヴが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=w1vrqwHPXW4
「Ordinary Man」
ここではMike Patto自身がTasita D'MourとVanessa Freemanをバック・コーラスに従えてリード・ヴォーカルを務めます。そのMikeのキーボードを主体とした生音サウンドが印象的です。
「High」
オススメその6。Dyanna Fearonのヴォーカルをフィーチャー。ブラジリアン・フレイヴァーとウエスト・ロンドンらしさが融合したが爽快グルーヴが絶品です。Dyannaの声はD-Influence関連作品でも聴くことができます。
http://www.youtube.com/watch?v=WPY3kBMKyIs
「Anything You Want」
Tasita D'Mourのヴォーカルをフィーチャー。躍動感溢れるヴィヴィッドな仕上がりがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=X0uTk9hXcWs
「Upside」
オススメその7。Darienのヴォーカル2曲目。Darienのソウルフルなヴォーカルを引き立てるアーバン・ソウルなミッド・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=-x0-HaI90Oc
国内盤にはリミックス (Pete Kuzma Remix) も収録されています。また、前述のリミックス・アルバム『Seven Ways to Wonder:The Remixes』にはBugz In The Atticによるブロークンビーツ・リミックスも収録されています。
「Upside (Pete Kuzma Remix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=bkuqC7rux_c
「Upside (Bugz Upside Mix) 」
http://www.youtube.com/watch?v=pKMRGnSJrU0
「Love Is Where You Are」
Tony Momrelleのヴォーカル3曲目。スケールの大きな疾走感とオーケストレーションを配したドラマチックな展開が印象的です。
「Outta Love (Reprise) 」
ラストは「Outta Love」のリプライズです。
国内盤にはボーナス・トラックとして、前述のように 「Alibi (Rasmus Faber Remix) 」 、 「Upside (Pete Kuzma Remix) 」 の2曲が追加収録されています。Rasmus Faberに関しては、当ブログで以前に紹介した『So Far』に「THe Rain (Rasmus Faber Remix)」が収録されています。お持ちの方は再チェックしてみてください!
本作のリミックス・アルバム『Seven Ways to Wonder:The Remixes』(2008年)もリリースされています。4Hero、Bugz In The Attic、Rasmus Faber、Kyoto Jazz Massive等がリミックスを手掛けており、クラブ・ミュージック好きの方はチェックしてみては?
『Seven Ways to Wonder:The Remixes』(2008年)
未聴の方は1st『Second Guess』も素晴らしい作品なので、ぜひ聴いてみてください。
『Second Guess』※Defected盤CD
前述のDefected盤。「The Rain」が欲しい方にはオススメ!但し、オリジナル12曲から4曲がカットされているのでご注意を!
『Second Guess』 ※国内再発CD
オリジナル12曲+リミックス8曲の2枚組