2010年03月13日

Marcos Valle『Vento Sul』

O Tercoらと共演したソフト・サイケ/サイケ・フォークな異色作☆Marcos Valle『Vento Sul』
ヴェント・スル
発表年:1972年
ez的ジャンル:ソフト・サイケ/サイケ・フォーク系MPB
気分は... :サイケな異色作!

ブラジルを代表するシンガー・ソングライターMarcos Valleです。

Marcos Valleの紹介は、『Vontade De Rever Voce』(1981年)、『Previsao Do Tempo』(1973年)、Celso Fonsecaとの共演作『Pagina Central』(2009年)に続き4回目となります。

個人的には60年代後半から70年代前半のMarcos Valleが気になっています。

具体的には、『Viola Enluarada』(1968年)、『Mustang Cor de Sangue』(1969年)、『Marcos Valle』(1970年)、『Garra』(1971年)、『Vento Sul』(1972年)、『Previsao Do Tempo』(1973年)、『Marcos Valle』(1974年)あたりですね。

その中から今回は『Vento Sul』(1972年)をセレクト。
Marcos本人も認めているように、上記7枚の中でも最も異色作かもしれません。

"ソフト・サイケ/サイケ・フォーク"という印象のアルバムですね。
Juarez Machadoが手掛けたジャケがアルバムの持つ不思議なムードをよく表しています。

本作では当時ブラジルを代表するプログレッシヴ・グループであったO Tercoとの共演が話題となりました。Sergio Hinds(g)、Cezar de Merces(b)、Vinicius Cantuaria(ds)といったメンバーは当時のMarcosのバック・バンドも務めていたようですね。

それ以外にPaulo Guimaraes(fl)、Claudio Guimaraes(g)のGuimaraes兄弟とMauricio Maestro(b)、さらにはMilton Nascimentoのバック・バンドも務めたSom ImaginarioのメンバーFrederico(g)、Robertinho Silva(per)がレコーディングに参加しています。

ソフト・サイケ/サイケ・フォークなアルバムと言っても、Marcosワールドは健在です。
2曲を除き、兄Paulo Sergio Valleとのコンビによる作品です。

ブラジル音楽好きというよりも、Marcos Valle好き、サイケ・ロック/サイケ・フォーク好きの人がグッとくる作品かもしれませんね。

全曲紹介しときやす。

「Revolucao Organica」
邦題「有機的革命」。ブラジリアン・プログレ・ロックといった趣のストレンジなオープニング。妖しげに響くPaulo Guimaraesのフルートも印象的です。

「Malena」
アルバムで一番のお気に入り。ポップなソフト・サイケ・チューンに仕上がっています。♪Aleluia〜♪Aleluia〜♪のコーラス部分が大好きです。

「Pista 02」
邦題『滑走路02〜アイレロンにさわらずに着陸する方法』。航空パイロットであったPaulo Sergio Valleらしい歌かもしれません。歌詞と演奏のリズムがばっちりシンクロしているのがいいですね。

「Voo Cego」
邦題「暗闇の飛行」。Claudio Guimaraes作品です。フォーキーなソフト・サイケ。牧歌的な中にストレンジな雰囲気が漂います。

「Bodas de Sangue」
邦題「血の洗礼」。Ian Guestがオーケストレーションを担当したインスト・チューン。荘厳な雰囲気
http://www.youtube.com/watch?v=CrBsHka_W0Q

「Democustico」
頭文字Dの単語を並べたDつながりソングです。ポエトリー・リーディングのような歌い方やサウンド面も含めてSerge Gainsbourgっぽい雰囲気です。

「Vento Sul」
邦題「南の風」。タイトル曲はビューティフルな仕上がりです。切なる思いがグッと伝わってきます。

「Rosto Barbado」
邦題「ひげ面」。哀愁ブラジリアン・グルーヴですが、ロック・テイストのFredericoのギター・ソロがアクセントになっています。

「Mi Hermoza」
邦題「美しい人」。パーカッシッヴなサイケ・フォークですが中盤のロック・パートも盛り上がります。
http://www.youtube.com/watch?v=j9rdm24gEzo

「Paisagem de Mariana」
邦題「マリアーナの風景」。Frederico作品です。妖しい空気の流れる哀愁フォーキー・チューン。

「Deixa O Mundo E o Sol Entrar」
邦題「世界と太陽に腕を開いて」。ラストは実に穏やかです。ただし、悲しみを乗り越えて歩みだそうとする、開き直った穏やかさといった感じですが。Hugo Bellardがオーケストレーションを担当しています。

「O Beato」
邦題「狂信者」。CDのボーナス・トラック。本作と同じ1972年にリリースされたTVドラマのサントラ収録曲。本編の雰囲気とは全く異なるハジけた仕上がりです。

この時期のMarcosは本当に面白いですね。
まだまだ歯抜け状態のマイ・コレクションですが、ぜひコンプリートさせたいですね。

『Viola Enluarada』(1968年)
Viola Enluarada

『Mustang Cor de Sangue』(1969年)
ムスタンギ・コール・ヂ・サンギ

『Marcos Valle』(1970年)
マルコス・ヴァーリ(1970)

『Garra』(1971年)
ガーハ

『Previsao Do Tempo』(1973年)
Previsao Do Tempo

『Marcos Valle』(1974年)
マルコス・ヴァーリ(1974)
posted by ez at 02:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック