2006年03月08日

Othello & The Hipknotics『Classic』

生演奏とHip-Hopを組み合わせた理想のライブ・ミュージックの追求☆Othello & The Hipknotics『Classic』
Classic
発表年:2004年
ez的ジャンル:生音系ジャジーHip-Hop
気分は... :気持ちイイけどキレもある!

Othello & The Hipknotics『Classic』は、ポートランドを拠点に活躍する注目のHip-HopグループLightheadedのMCの一人であるOthelloが、Lief Dalan(key)、Alex Mortland(b)、Bryan Bisordi(ds)、Gregor Lothian(sax)というさまざまなジャンルで活躍する凄腕ミュージシャンが集まったHip-HopバンドThe Hipknoticsと組んだ生音Hip-Hopのプロジェクト。

A Tribe Called Quest(ATCQ)The Pharcyde好きの僕としては、Othelloのフロウを聞いていると、ATCQのQ-TipやPharcydeのImaniあたりを思い出してしまいマス。どことなく、Q-Tipをソリッドにしたような声質かな?

以前Time Machine『Slow Your Roll』の紹介の時にも書いたが、昨年末から今年初めにかけて、Lightheaded『Wrong Way』(2005年)、Othello『Elevator Music』(2005年)をかなり聴いていた。

Light Headedは、Muneshineが脱退し、現在はOthello、Braille、Omega Wattsの3MC体制となっている。彼らの2ndアルバム『Wrong Way』は、メンバーのうちOmega Watts主導で作ったアルバムなので、Othello自体の魅力を堪能したいのであれば、ソロ作品の方が楽しめるかも?

『Elevator Music』(2005年)は、僕の一番のお気に入りHip-HopアルバムATCQ『Midnight Marauders』と共通する雰囲気を持ったアルバムだと思いマス。つまり、クールで知的だけどリラックスできる芸術的Hip-Hopってカンジかなぁ。

ただし、Othello最大の魅力であるリズミカルなフロウが最も輝いているのは、生バンドを従え、よりライブ感に溢れる『Classic』の方かもしれないね。特に、このアルバムは、MC(Othello)とバンド(Hipknotics)が対等にやり合っているカンジがイイっす!

『Elevator Music』は『Classic』録音以前の音源がベースになっており、実態としては『Elevator Music』の方がOthelloの1stアルバムと呼べるのかもしれないけどね!また、『Elevator Music』と『Classic』では重複する曲も数曲あるので、そのあたりを聴き比べてみるのも面白いかも?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Opposite Side」
余裕たっぷりのHipknoticsの演奏とキレのあるOthelloのフロウを楽しめる曲。とってもJazzクラブなムード満点の仕上がりっす。

「Organic」
『Elevator Music』にも別バージョン(Original Mix)が収録されていマス。本アルバムの方はモノクロの渋めバージョン、Original Mixの方はカラフルな華やかバージョンってカンジかな?

「Right Now」
スリリングなHipknoticsの演奏とリズミカルなOthelloのフロウが見事にかみ合った1曲。アルバム中一番のお気に入りデス。

「Classic」
スウィンギーかつメロウな演奏とリラックスしたOthelloのフロウが実に気持ちイイ曲。この気持ちのイイスイング感は、本アルバムならではのもの。

「Conquered」
「Peace」
こちらも注目のHop-HopグループThe ProcussionsのMCであるMr.Jのプロデュースによる2曲。硬質なリズムと心地良い上モノのバランスがいいですな!

「Rock Rock」
『Elevator Music』にも収録されているまさにRocK!Rock!なソリッドでパンチの効いたナンバー。元Lightheadedの盟友Muneshineプロデュース曲。

「No Mic 4 Thai」
「In The Place Tonight (Rock Rock Reprise) 」
CD盤のみ収録のライブ録音2曲。このプロジェクトの狙いが“生演奏とHip-Hopを組み合わせた理想のライブ・ミュージック”の追求にあることを考えると、このボーナス・トラックにこそ、このプロジェクトの本質があるのかもしれない。「No Mic 4 Thai」は、(別バージョンで)『Elevator Music』にも収録されれいるインスト曲デス。

小さなハコでのバンドと観客の一体感やざわつきあたりは、ニューソウル・ライブの名盤Curtis Mayfield『Curtis/Live!』あたりにも通じるかもね。こんなざわついた中でもフェンダーの音色だけは鮮やかに聴こえるのが気持ちイイっす。

詳しくは知らないけど、OthelloとThe Hipknoticsによるこのプロジェクトはこの1枚限りなのかな?出来れば、第2弾も聴きたいですね。しかもライブ録音盤がいいなぁ!いずれにしても、OthelloやLightheaded関連のアルバムにはこれからも要注意ですね。
posted by ez at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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