2010年03月27日

The Peddlers『Three In A Cell』

クラブ・シーンでも大人気!再評価が高まる傑作3rd☆The Peddlers『Three In A Cell』
スリー・イン・ア・セル
発表年:1968年
ez的ジャンル:スウィンギング・ロンドン系モッド・ジャズ
気分は... :年度末はやはりバタバタ...

毎年そうですが、3月末はやはりバタバタしますね。

記事を書く時間を確保するのもひと苦労です。
でも更新しないと1日モヤモヤ気分が晴れなくなり...
う〜ん、どうすればいいんだろう(泣)
まぁ、記事エントリーは頭と心のリフレッシュにもなるし...

今日は再評価が高まる60年代作品The Peddlers『Three In A Cell』(1968年)です。

The Peddlersは、スウィンギング・ロンドンで沸いた60年代半ば〜後半のUK音楽シーンの中で、Manfred MannBrian Auger & The Trinityらと並ぶモッド・ジャズ・グループとして今日カルト的な人気を誇るグループです。

The Peddlersは、Roy Phillips(vo、key)、Tab Martin(b)、Trevor Morais(ds)の3人がマンチェスターで結成されました。

1964年にThe Song Peddlers名義でPhilipsよりシングル・デビューを果たし、The Peddlersとバンド名を改め、1967年にライブ盤によるデビュー・アルバム『Live At The Pickwick』(1967年)をリリースします。

その後CBSへ移籍し、『Free Wheeler』(1967年)、『Three In A Cell』(1968年)、『Birthday』(1969年)という今日人気の高い3枚のアルバムをリリースしています。

1970年代に入ると古巣Philipsへ戻り、『Three For All』(1970年)、『Suite London』(1972年)、『Live In London』(1974年)という3枚のアルバムを残しています(『Suite London』リリース後にMoraisは脱退)。

スウィンギング・ロンドンの時代らしいオルガンをフィーチャーしたR&Bテイストのモッド・ジャズ・サウンドとRay CharlesばりのRoy Phillipsの激シブ・ヴォーカルが魅力のグループですね。

本作『Three In A Cell』は、そんなPeddlersの魅力が凝縮された1枚だと思います。

オリジナルLPの全11曲のうち、4曲がオリジナル、残りはスタンダードのカヴァーです。

今日、クラブシーン、モッズ・ファン、サバビーア・ファンなどから人気の高い曲は、「Comin' Home Baby」「On A Clear Day You Can See Forever」「In The Still Of The Night」「Ebb Tide」「Just A Pretty Song」の5曲あたりでしょうか。特にスタンダードのヒップなカヴァーにグッとくるものが多いですね。

その一方で、エレガントなストリングスを配した正統派ヴォーカル・チューンもあるのが本作の面白いところかもしれません。ストリングス・アレンジを担当しているKeith Mansfieldが素晴らしい仕事ぶりも目立ちます。

ヴォーカル入りのグルーヴィーなモッド・ジャズに興味がある方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Comin' Home Baby」
ハイライトその1。Mel Tormeでお馴染みの曲のカヴァー(Bob Dorough/Ben Tucker作)。モッズ好きにはグッとくるR&Bテイストのオルガン・グルーヴ。Roy Phillipsのオルガン&スキャットがカッチョ良すぎます。Phillipsの喉力に圧倒されること間違いナシ。

「On A Clear Day You Can See Forever」
ハイライトその2。1929年に同名ミュージカルのために書かれたスタンダードのカヴァー(作詞Alan Jay Lerner/作曲Burton Lane)。グループの代表曲と呼べる1曲ですね。エレガント&ヒップな雰囲気がたまりません。Keith Mansfieldによるストリングス・アレンジも盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=lAsNH13uLjU

本曲はBarbra Streisandが主演した同名映画の主題歌にもなり、Barbra自身が歌っています。当ブログではMario Biondi & The High Five Quintetのカヴァーを紹介しました。また、ラウンジ・ブレイクビーツの人気曲Louise Vertigo「Ou Est La Femme?」の元ネタにもなっています。

Barbra Streisand「On A Clear Day You Can See Forever」
 http://www.youtube.com/watch?v=Nz5DLO8fclA
Louise Vertigo「Ou Est La Femme?」
 http://www.youtube.com/watch?v=OmpeoeTaqHI

「Basin Street Blues」
Spencer Williams作のスタンダードのカヴァー。Louis Armstrong等でお馴染みの曲です。Phillipsの激シブ・ヴォーカルを堪能できる小粋なブルースに仕上がっています。後半のエレガントなストリングスもグッド。

「Nobody Likes Me」
Phillipsのオリジナル。比較的ポップなグルーヴィー・チューン。それでもPhillipsのヴォーカルが入ると激シブ・モードになります(笑)

「I'm A Boy in Love」
Phillipsのオリジナル。スタンダードのカヴァーと錯覚しそうな正統派ヴォーカル・チューンに仕上がっています。ロマンチックなオルガン&ストリングスが印象的です。

「People」
Barbra Streisand主演のミュージカル『Funny Girl』の挿入歌(作詞Bob Merrill/作曲Jule Styne)をカヴァー。あまり話題にはなりませんが、個人的には他のハイライト曲と同じくらいに大好きな1曲。ヒップなオルガン・ジャズに仕上がっていると思います。

「In The Still Of The Night」
ハイライトその3。Cole Porter作品のカヴァー。クラブジャズ好きの人は間違いなくグッとくるアップ・チューン。Phillipsのオルガン、Martinのベース、 Moraisのドラム&パーカッションが一体となってファンキー&ヒップなジャズ・グルーヴを聴かせてくれます。

「Ebb Tide」
ハイライトその4。Carl Sigman作詞、Robert Maxwell作曲で1953年に書かれた楽曲のカヴァー。1965年のRighteous Brothersのヒットでお馴染みですね。エレガントかつモッドな雰囲気がたまりません。

「Just A Pretty Song」
ハイライトその5。フロア・チューンとしてもお馴染みのこのラテン・フレイヴァーのオルガン・グルーヴが今日的には一番人気かもしれませんね。ラテン・リズムとオルガンの音色が実にマッチしています。Phillipsのオリジナル。

「Lost Continent」
Phillipsのオリジナル。ワルツ調のリズムをバックにPhillipsの激シブ・ヴォーカルを堪能しましょう。

「Prime Of My Life」
Billy Eckstineヴァージョンで知られるRichard Jacques作品のカヴァー。Keith Mansfieldによるストリングスが素晴らしいですね。

国内盤CDには「Handle With Care」「Horses Collar」「Say No More」「Some of This Some Of That」の4曲がボーナス・トラックで追加収録されています。 「Handle With Care」以外はモッド&ヒップな曲でお得感があります。

2nd『Free Wheelers』(1967年)もセットでどうぞ!

『Free Wheelers』(1967年)
フリーホイーラーズ
posted by ez at 04:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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