発表年:2010年
ez的ジャンル:イタロ・ニュージャズ/クラブジャズ
気分は... :日本では殆ど話題になりませんが...
ニュージャズ/クラブジャズの新作よりBarrio Jazz Gang『2』です。
Amazon.co.jpでの扱いが無いのでなかなか紹介できずにいましたが、今年に入って一番多く聴いている新作アルバムが本作『2』かもしれません。ここ日本では殆ど話題になることが無いようですが、個人的には年間マイベスト10の有力候補作品です。
Barrio Jazz Gangは、イタリア・ローマのニュー・ジャズ・レーベルFunky Juice Recordsを主宰するRoby ColellaとプロデューサーStefano Micarelliによるプロジェクト。2ndアルバムとなる本作『2』は1stアルバム『Spectrum』(2002年)に続く8年ぶりの新作です。
前作『Spectrum』から8年のブランクがありますが、前作同様にイタリアらしく洗練されたニュージャズ/クラブジャズを聴かせてくれます。
Roby Colella(key、programming)、Steve Micarelli(programming、g、sitar、bongo)以外に、Pauline London(vo)、Eddie Henderson(tp)、Carlo Micheli(ts、bs、fl)、Aldo Bassi(tp)が参加しています。
何と言っても注目すべきは、ベテラン・ジャズ・トランペット奏者Eddie Hendersonの参加ですね。今日は記事のネタが少ないので、少しEddie Hendersonについて説明しておきますね(笑)
Eddie Hendersonは1940年N.Y.生まれ。ジャズと医学という二つの道を同時に歩み、サンフランシスコを拠点に医学博士号を持つ異色のジャズ・ミュージシャンとして注目されるようになります。1970年前半はHerbie Hancockのグループで活躍し、70年代半ば以降はエレクトリック・マイルスばりのジャズ・ファンク作品をリリースしています。当ブログで紹介した作品の中ではCourtney Pine『Modern Day Jazz Stories』(1995年)へ参加しています。
それ以外の参加メンバーでは女性シンガーPauline Londonにも注目です。彼女はFunky Juiceの所属アーティストであり、2004年に1stアルバム『Quiet Skies』をリリースしています。個人的にはPaulineの参加が本作の魅力を大きくアップしていると思います。
YouTubeに本作の音源がないのが残念ですが、相当グッとくるアルバムです。
ニュージャズ/クラブジャズ好きの方は、CDショップ等で見かけたらぜひチェックしてみて下さい。
全曲紹介しときやす。
「Kobra Smile」
オススメその1。Micarelliのシタールとタブラの音が響き渡るインディアン・ジャズ・チューン。シタール好きの方はグッときます。
「Five Apple-Maples」
Carlo MicheliとAldo Bassiの二管をフィーチャーしています。70年代ジャズ風にさりげなくニュー・ジャズのテイストが重なっているのはいいですね。
「Take Yr Freedom Back」
オススメその2。Pauline London登場の1曲目。Paulineのスキャットに導かれるバカンス・モードのニュー・ジャズ・チューン。ここ2ヶ月ほど僕のiPodヘビ・ロテ曲の座をキープしています、
「Jumpclub」
僕のオススメその3。クラブジャズ/ニュージャズの美味しいとこ取りといった感じの疾走感がたまりません。
「Spanish Market」
Eddie Henderson参加の1曲目。タイトルの通り、ラテン・モードの仕上がり。ラウンジっぽい雰囲気もあってグッド!Micarelliのギターが結構良かったりして。
「Entre O Ceu E O Mar」
Pauline London登場の2曲目。少しレイジーなPaulineのヴォーカルとスタイリッシュなニュー・ジャズ・サウンドの相性がバッチリです。
「Amor Para Sonhar」
オススメその4。Pauline London登場の3曲目。ボッサ・テイストのブラジリアン・メロウ・チューンです。クラブ・テイストのボッサ・サウンドがお好きな方はぜひチェックしてみて下さい。「Take Yr Freedom Back」と並ぶ僕のiPodヘビ・ロテ曲です。
「One Mile To Mumbai」
Micarelliのシタールが再び登場。ただし、「Kobra Smile」のようにモロにインドといった雰囲気ではなくバカンス・モードが漂います。
「Nude Look」
Pauline London登場の4曲目。ストレート・アヘッドな雰囲気のサウンドとPaulineの魅惑のスキャットにグッときます。
「Free As The Wind」
Pauline London登場の5曲目。70年代フュージョン風のサウンドとPaulineの哀愁ヴォーカルによるメランコリック・チューン。
「Safe Under The Sun」
オススメその5。Pauline London登場の6曲目。小粋なサンバ・テイストのクラブジャズに仕上がっています。ここでのPaulineのヴォーカルはかなりキュートです。
「Sunday Show」
オススメその6。Eddie Henderson参加の2曲目。アルバムで最もエレクトロ感があるニュー・ジャズらしい仕上がりです。
1st『Spectrum』(2002年)もセットでどうぞ!
『Spectrum』(2002年)
「Chok-A-Block Avenue」
http://www.youtube.com/watch?v=ZI1wzU1eMmo
「Linda Cancao」
http://www.youtube.com/watch?v=0IQ01Pgf-j8
「Footsteps In The Green」
http://www.youtube.com/watch?v=5CH5lmiduJA
また、本作や『Spectrum』を気に入った方は、Pauline London『Quiet Skies』(2004年)やBungalove『Samba Natural』(2007年)といったFunky Juice関連作品も要チェックだと思います。
Pauline London『Quiet Skies』(2004年)
Pauline London「In Your Eyes」
http://www.youtube.com/watch?v=SfnBxotQpwA
Pauline London「Sing A Lullaby」
http://www.youtube.com/watch?v=X-XZFREKscs
Pauline London「Fly In The Sky」
http://www.youtube.com/watch?v=JXDdt8mOBys
Bungalove『Samba Natural』(2007年)
BungaLove「Maracana」
http://www.youtube.com/watch?v=Euh0gIDbOAs
BungaLove「So'eu E Voce」
http://www.youtube.com/watch?v=bxKQYOravHk
BungaLove「Aphrodisiaco」
http://www.youtube.com/watch?v=pPAFQGPitjU
また、これを機会にEddie Hendersonをチェックしてみるのも楽しいと思います。特に70年代後半の作品群はエレクトリック・マイルスやレア・グルーヴ好きの人はグッとくる仕上がりなのでは?
Eddie Henderson『Sunburst』(1975年)
Eddie Henderson「Explodition」
http://www.youtube.com/watch?v=50EhobTs8ds
Eddie Henderson『Heritage』(1976年)
Eddie Henderson「Inside You」
http://www.youtube.com/watch?v=rvLgLJs_Y4M
Eddie Henderson「Acuphuncture」
http://www.youtube.com/watch?v=87ia_GXT89c
Eddie Henderson『Comin' Through』(1977年)
Eddie Henderson「Beyond Forever」
http://www.youtube.com/watch?v=MmYwWKxGY14
Eddie Henderson「Open Eyes」
http://www.youtube.com/watch?v=rUrBHpEcib4
このBarrio Jazz Gangにはかなりハマりましてわたしの拙ブログでふれまして、その中でezさんの本記事紹介させていただきました。
(あとPauline Londonの記事も)
ほんとB.J.G.いいですよね!センスが最高です。
※ezさんのご紹介のものはほとんどわたしの好みなので、私のブログ記事とかなり被ってしまっててすみませんです。
今後もezさんブログ楽しみにしております。
ありがとうございます。
Barrio Jazz GangやPauline Londonは日本では殆ど注目されていないアーティストなので、プッシュしてくださるブロガーさんがいて嬉しい限りです。
記事が被るなんて気にしないでください。埋もれている佳作は音楽ブロガー同士が協力して、どんどんプッシュしましょうね!