発表年:1975年
ez的ジャンル:Donald Byrd系ジャズ・ファンク/ソウル
気分は... :今週も時間がない!
今回はThe 3 Pieces『Vibes Of Truth』(1975年)です。
The 3 Piecesは Lincoln Ross (key)、 Jerry Wilder (b、vo)、 Andre Richardson(per)の3人によって結成されたグループ。本作『Vibes Of Truth』(1975年)がグループ唯一のアルバムです。
Donald Byrdプロデュースということで、同じくDonald Byrdが見出したThe Blackbyrdsの弟分グループという見方もされているみたいですね。このあたりはあまり明るくないので僕はピンと来ませんが。
『Black Byrd』(1972年)を皮切りに、『Street Lady』(1973年)、『Stepping Into Tomorrow』(1974年)、『Places and Spaces』(1975年)、『Caricatures』(1976年)とSky High Production絡みで作品をリリースしてきたDonald Byrdですが、そこで培われたサウンド・プロダクションが本作『Vibes Of Truth』にも生かされています。
本作でDonald Byrdと共にサウンド・プロダクションの要となっているのが共同プロデュース、アレンジ、ストリングスを手掛けたWade Marcusです。Donald ByrdとWade MarcusのコンビはThe Blackbyrds作品でもいい仕事ぶりを見せています。
僕がThe 3 Piecesを知ったのは、Free Soulのコンピでした。
『Free Soul Wind』には「I Need You Girl」 、『Free Soul Earth』には「If Only I Could Prove To You」が収録されています。
最近、本作の輸入CDをいくつかのショップで見かけ、思わず購入してしまいました。前述の2曲とタイトル曲以外は過度の期待をしていませんでしたが、聴いてみたら大間違い!捨て曲ナシの充実作です。
ソウル・アルバムとジャズ・ファンク/フュージョン・アルバムのいいとこ取りといった仕上がりが魅力です。
Sky High Production好きの方、爽快グルーヴィー・ソウルがお好きな方はぜひ聴いてみてください。
全曲紹介しときやす。
「I Need You Girl」
本作のハイライト。爽快モードのグルーヴィー・ソウル。イントロのギター・カッティング&ストリングスだけでもグッとくるのに、さらに爽快ソウル・ヴォーカルで止めを刺されます。
http://www.youtube.com/watch?v=N5iiOQ67h0g
「Backed Up Against The Wall」
クールなソウル・グルーヴに仕上がっています。Marvin Gaye「Inner City Blues (Make Me Wanna Holler) 」をSky High Production風に仕上げたような印象を受けます。
http://www.youtube.com/watch?v=9hIH2oxazRc
「Vibes Of Truth」
タイトル曲もコンピ・アルバムに収録されています。ゴージャスなアレンジが印象的なソウル・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=eASqG1mPPF8
「Shortin' Bread」
ジャズ・ファンクしているインスト・チューン。パーカッシヴな仕上がりが僕好み。Lincoln Rossのトロンボーンも印象的です。Ray Parker, Jr.もギターで参加。
http://www.youtube.com/watch?v=imojZ5wnG00
「Self Dealin'」
Wade Marcusのアレンジ・センスが光ります。華やかなストリングス&ホーンと爽快ヴォーカルの絡みがいい感じ。
「Concrete Jungle」
Gilles Petersonもコンピでセレクトしていたグルーヴィー・ソウル。ホーン隊の鳴り具合がいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=5JsT60GoFFs
「If Only I Could Prove To You」
「I Need You Girl」と並ぶ本作のハイライト。Marvin Gaye「What's Going On」タイプの曲ですが、Sky High Production仕様だし、よりメロウネスが効いていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=3k2-FeVx1lE
「Cool It」
めくるめくフュージョン/ジャズ・ファンク・チューン。このあたりがジャズ・アルバムっぽいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8Xvl2Cbqv-4
「Virtue」
ラストはクール&アーバンなソウル・チューン。アーバン・ナイトな雰囲気がいいですね。
The Blackbyrdsについても近々紹介したいと思います。
先週に続き、今週もあまりブログに時間を割けそうにないので、しばらく記事がコンパクトになりそうです。どうぞご容赦願います。
バードの一連の作は全部持ってますが
好きなのは Street Lady です。
ブラックバーズは第1作目とActionしか持ってません。
しかしこの3Piecesは全然知りませんでした。
Grover Washington のバックで
Pieces of Dreams というバンドがあったような気がします。
ありがとうございます。
The 3 Piecesは90年代以降の再評価で注目が高まったのでしょうね。実際、僕もそうした文脈で本作に辿り着きましたので。
Donald Byrdの魅力は必ずしもSky High時代だけではないと思いますが、ブログで取り上げるとなるとどうしてもSky High時代になってしまいます(笑)