発表年:2006年
ez的ジャンル:ハウス・ミーツ・80年代R&B/Funk/Fusion!
気分は... :歓喜の雄叫びワォーε=ε=(*ノ~∇~)ノ
先日、仕事帰りに久々に渋谷タワーレコードへ行った。
いつもは4FのR&B/Hip-Hopコーナーを中心に回っているんだけど、何となく3FのClub Musicコーナーへ足を運んだ。そこで3枚ほど思いがけない収穫があった。
その3枚とは、Latrice『Illuminate』、Luisito Quintero『Percussion Maddnes』、LA Stylez『The LA Style Project』っす。
特に、Luisito Quintero、LA Stylezをゲッチュした共通点は、クラブ・ミュージックを牽引し続けるDJ/プロデュースコンビMasters At Work(MAW)の1人としてお馴染みの大御所“Little”Louie Vegaの名を目にしたからデス。2枚とも僕がかなり惚れ込んだNuyorican Soul『Nuyorican Soul』を思い出させる何かを感じたのが購入の決め手となりまシタ。
ベネズエラ出身のパーカッション奏者で『Nuyorican Soul』にも参加していたLuisito Quinteroのソロアルバムは、“Louie Vegaプレゼンツ”というカタチで全面的に関わっていマス。
UKで活躍するプロデューサー/コンポーザーLA Stylezによる『The LA Style Project』には、『Nuyorican Soul』に参加していたガラージュ・ファンにはお馴染みの女性ボーカリストJocelyn Brownをフューチャーした「Saturday」のRemixとして参加してマス(相棒のKenny Dopeも参加)。
その2枚のうち、今回取り上げるのはLA Stylez『The LA Style Project』♪久々にClub Musicで歓喜してしまいまシタ!
このアルバムは、先に示したNuyorican Soul『Nuyorican Soul』をかなり意識したアルバムっす。Nuyorican Soulは、Nuyorican(ニューヨーク在住のプエルトリカン)が、自らのルーツであるラテン・ミュージックと最先端のダンス・ミュージックの融合を試みたMAWの二人が、ジャンルを超えた豪華ミュージシャンを集めて、NYスタイルのダンス・ミュージックとして結実させた1大プロジェクトだった。
そんな『Nuyorican Soul』のウエストコースト版を目指したのが、この『The LA Style Project』ということらしい。NYスタイルのダンス・ミュージックに対するLAスタイルのダンス・ミュージックというのがタイトルからもわかりますよね。
NYスタイルのダンス・ミュージックが、ハウス・ミーツ・ラテンだったのに対し、LAスタイルのダンス・ミュージックは、ハウス・ミーツ・80年代R&B/Funk/Fusionらしい。“ウエストコースト産の80年代R&B/Funk/Fusionを現代に甦らせた”というキャッチで、ライナーノーツやタワーのPOPに説明してあったが、僕には80年代R&B/Funk/Fusionとウエストコーストというのがイマイチ結び付きませんでシタ。
80年代のR&B/Funk/Fusionはかなり聴いてきたつもりだけど、それをNYやLAといった東西にカテゴライズして聴いたことなんて殆ど無かったもんね!結果出来上がったサウンドは、ジャケットにあるようなLAの情景に見事にマッチしているけどね!
まぁ、東西云々は関係なく80年代のR&B/Funk/Fusionに愛着を持つ音楽ファンならば、間違いなく歓喜する内容だと思いマス。“○○っぽい”ってカンジで、どのあたりの音楽を意識しているのかがわかるのが実に楽しいっす。『Nuyorican Soul』同様に豪華なゲストも嬉しい限りデス。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Saturday」
オープニングは、前述の女性ボーカリストJocelyn Brownの登場。この曲を試聴して、“このアルバムは只者ではない”と確信しました!ただし、この曲に限って言えば、かなりパーカッシブなラテン・テイストでNuyorican Soulっぽい!って言ったら怒られるかな?
「This Time」
Norman Cookが率いるFatboy Slim Boomの別プロジェクトPizzamanのフロントマンBoomのボーカルをフィーチャー。Michael Jacksonスタイルということらしいっす。そう言われてみると、そんなカンジもする?UKのプロデューサーらしい作品っす。とってもおバカなカンジがたまりません!
「LA Love」
Mtume『Juicy Fruit』あたりを思い出すエレクトリック・ファンクっす。まぁ、Tawatha(Mtumeのボーカル)のようなフェロモン出まくりではないけど、UKハウスシーンで活躍するボーカリストDeborah Frenchがフューチャーされ、素晴らしいボーカルを披露していマス。。
「True Colours」
これは気持ちいいエレクトロ・ダンスってカンジのナンバー。ライナーノーツにS.O.S Bandの「The Fineest」(アルバム『Sands Of Time』収録)を彷彿させるって書いてあるけど、S.O.S Band大ファンの僕としては、あまりそうは思わなかったね。多少「The Fineest」のイントロを思い出させる部分はあったけど...。でも、楽曲自体はいいカンジのダンスナンバーに仕上がっていマス。
ドラムンベースの大御所4heroのフィーチャリング・ボーカリストJ.B.Roseがボーカルを努めていマス。そう言えば、4heroって懐かしいですね(って僕だけかな?)。CD何枚か持っているけど、多分5年以上は聴いていないかな?
「It's The Right Time」
Incognitoのメイン・ボーカルMaysa Leakをフィーチャーしたナンバー。この曲こそ、『Sands Of Time』の頃のS.O.S Bandスタイルのナンバーっす。打ち込みがモロにJam & Lewisスタイルっす。S.O.S Bandファンならば、誰しも歓喜すること間違いありません!Maysa LeakのボーカルもMary Davis(S.O.S Bandのボーカル)には及びませんが、それっぽくてイイっす。
「Sunset」
Herb Alpertスタイルのラテンなインストナンバー。Herb Alpertは最近Sergio Mendes & Brasil'66の記事投稿で紹介しましたよね。まさにジャケ写真のようなサンセットが思い浮かぶアーバン・サウンドっす。
関係ないけど、Sergio Mendesの最新作『Timeless』もいいですな。Black Eyed Peasをフューチャーした2006年版「Mas Que Nada」は、Jungle Brothersの最新曲「Funky Magic」(ゴダイゴ「モンキーマジック」ネタ)と並んで、最近の僕のiPodのヘビロテ曲っす。
「Laidback Aphrodisiac」
このアルバム最大の大物ゲストEarth,Wind & FireのMaurice Whiteをフィーチャーしたナンバー。アフロ・ラテン・テイストですがかなりクールな仕上がりっす。心地良いけだるさみたいなものを感じるね。ただし、Maurice Whiteでノリノリ・パターンの曲も聴きたかった気もしマス。
「Anything Is Possible」
Tommy Blaizeという人のボーカルをフィーチャーしたナンバー。Santanaスタイルとライナーノーツには書いてありマス。
「Electribe Funk」
ファンキーでフリーキーなインスト・ナンバー。このブログでも最近紹介した白人ファンク・グループTower Of Powerスタイルだそうデス。
「He Sayz」
波の打ち寄せる音にオシャレなサウンド、まさにベタベタにアーバンなハウス・ナンバーっす。前述のJ.B.Roseのボーカルをフィーチャー。全然タイプが違うんだけど、この曲を聴いていたら、Ultra Nateのヒット曲「Rejoicing」(1992年)を思い出してしまいまシタ。
「Saturday(Louie Vega Roots Mix)」
エンディングは、オープニング・ナンバーのLouie Vegaによるリミックス。NYスタイルに対抗したLAスタイルのダンス・ミュージック作品のエンディング曲をNYスタイルの雄Louie Vegaが担当しているのが何とも興味深いっす。ライナーノーツによれば、LA Stylezの意図を察したLouie Vegaが予想外のLAスタイルな仕上がりにしたらしいっす。
Latrice『Illuminate』、Luisito Quintero『Percussion Maddnes』もぜひオススメしたい2枚です。改めて紹介しますね!