発表年:1975年
ez的ジャンル:アルゼンチン・ボッサ
気分は... :ブラジル代表にメッシが入ったら...
先月初来日公演を果たしたAgustin Pereyra Lucena♪
今回はそのAgustin Pereyra Lucenaの人気作『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)です。
Agustin Pereyra Lucenaは、1948年アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれのギタリスト。
「私のルーツはアルゼンチンにあって、憧れはブラジルにある」とPereyra本人が語ったように、アルゼンチン人ながらもブラジル音楽に大きく影響を受けた作品をリリースし、ブラジル音楽ファンに人気の高いアーティストです。。
60年代のアルゼンチンで隣国ブラジルの音楽"ボサノヴァ"は決してメジャーな存在ではありませんでしたが、ブラジルへ行っていた兄の影響でJoao Gilberto、Baden Powell等のボサノヴァ〜ブラジル音楽に傾倒するようになります。
1970年に1stアルバム『Agustin Pereyra Lucena』をリリース。アルバムにはVinicius de Moraesからの賛辞も寄せられました。
その後『El Increible Nana Con Agustin Pereyra Lucena』(1971年、Nana Vasconcelosとの共演作)、『Climas』(1973年)、『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)、『Sambaiana』(1976年、Candeias名義)、『La Rana』(1980年)、『Puertos de Alternativa』(1988年)、『Miradas』(1998年)、『Acuerdos』(2000年)、『42:53』(2009年)といったアルバムを発表しています。
アルゼンチンが軍事政権下であった1970年代半ばから80年代かけては欧州に移住し、特にノルウェーでは大きな成功を収めた模様です。
数あるAgustin Pereyra Lucena作品の中でも人気の高いアルバムが『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)ですね。
海岸に佇む人影とその向こうに広がる大海原。
まずジャケの構図からしてロマンチックですよね。
僕も本作に興味を持ったのは音以前にジャケでした。
サウンド的にはブラジル音楽の憧れからステップアップし、Pereyraのスタイルを確立した作品として高い評価を受けています。
レコーディングにはGuillermo Reuter(arr、b、g、el-p、per、vo)、Carlos Carli(ds)、Patricia Scheuer(vo)、Laura Hatton(vo)、Oscar Tissera(sax)、Franklin(fl)、Banana(per)等のミュージシャンが参加しています。
特に楽曲提供もしている盟友Guillermo Reuterの貢献が大きいですね。
素晴らしすぎるアルゼンチン・ボッサを聴きながら、サッカーのブラジル代表にメッシが入ったら...なんてあり得ない話を妄想してしまいました(笑)
ジャケに魅了された方は聴くべし...
全曲紹介しときやす。
「Hace Pocos Anos」
Agustin Pereyra Lucena/Guillermo Reuter作。AgustinのギターとOscar Tisseraのサックスの掛け合いが格好良いオープニング。Patricia Scheuer & Laura Hattonによる女声スキャットもいい感じ。
「Garota de Ipanema」
Astrud Gilbertoでお馴染み、Vinicius de Moraes/Antonio Carlos Jobim作の名曲「イパネマの娘」のカヴァー。当ブログではTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。Agustin Pereyra LucenaヴァージョンはGuillermo Reuterによる気の利いたアレンジがいいですね。ボサノヴァ名曲をじっくり堪能するという意味では、こういったインスト・ヴァージョンがいいかもしれませんね。
「Pocas Esperanzas」
Agustin Pereyra Lucenaのオリジナル。清らかな雰囲気が漂うボッサ・チューン。Patricia Scheuer & Laura Hattonによる女声スキャットも絡み、ボッサ好きの人には鉄板でしょう。
「Viento Que Va」
Guillermo Reuter作品。Pereyraの素晴らしいギター・プレイを堪能できます。
「Amazonas」
本作のハイライト。Joao Donatoの名曲カヴァー。Joao Donato自身のヴァージョンも先日紹介しました(アルバム『Quem e Quem』収録)。本ヴァージョンはLaura Hattonによる儚い女声スキャットとPereyraの巧みなギターにグッときます。
「Maritima」
Baden Powell作品のカヴァー。Pereyraが最も影響を受けたミュージシャンの一人であろうBaden Powellをカヴァーするというだけで感動してしまいます。Pereyra渾身のギタープレイに作者のPowellも喜んでいるのでは?
「Guayabas」
「Amazonas」と並ぶ人気曲はGuillermo Reuter作品。メロウな味わいがグッド!Guillermo ReuterのエレピとFranklinのフルートが演奏に彩を添えてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=rfEQ25NyLeQ
「Mujer Latina」
Agustin Pereyra Lucenaのオリジナル。Pereyra本人の線の細いヴォーカルが郷愁感を誘います。中盤以降のエキサイティングなアレンジもいいですよ。
「Ultimo Llamado」
Agustin Pereyra Lucenaのオリジナル。アルバムで唯一Pereyraのギターのみの演奏です。哀愁感たっぷりのプレイを聴かせてくれます。
「Ese Dia Va A Llegar」
ラストはリラックス・モードで楽しげな演奏を聴かせてくれます。Agustin Pereyra Lucenaのオリジナル。
興味がある方は他のAgustin Pereyra Lucena作品もチェックしてみて下さい。
『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)
『Climas』(1973年)
『La Rana』(1980年)
『42:53』(2009年)
悪魔のような誘惑ですね
絶対無い妄想で申し訳ありません。