2010年04月22日

Maria Rita『Segundo』

さらなる進化を遂げた2nd。ラテングラミー最優秀MPBアルバム受賞作品☆Maria Rita『Segundo』
Segundo
発表年:2005年
ez的ジャンル:新世代MPB
気分は... :Maria Ritaは特別!

新世代MPBを代表する女性シンガーMaria Ritaの3回目の登場です。

3rdアルバム『Samba Meu』(2007年)、デビューアルバム『Maria Rita』(2003年)に続いて紹介するのは、2ndアルバム『Segundo』(2005年)です。

ここ数年、僕の音楽ライフの中でブラジル音楽の比重が高まっているのは当ブログの記事エントリーを眺めれば明らかですが、そのきっかけを作ってくれた作品が今日紹介するMaria Ritaの3rdアルバム『Samba Meu』(2007年)でした。

恥ずかしながら、『Samba Meu』(2007年)を聴くまでは、彼女の母親であり、かつMPBの女王であった故Elis Reginaの作品もあまり聴いたことが無かったのですが、『Samba Meu』をきっかけに、Elis Regina作品にもハマりまくっています。

そんな流れでMaria Ritaは僕にとっては特別なアーティストです。

今日紹介する『Segundo』は、大成功を収めたデビューアルバム『Maria Rita』(2003年)に続く2ndです。

『Maria Rita』でプロデューサーを務めたTom Caponeのバイク事故死、夫との不仲説などを乗り越えて完成させた作品です。

本作でMaria Ritaと一緒に共同プロデュースを担当したのはLenine。このブラジル音楽界を牽引する才能をパートナーに迎え、Mariaもワンランク上へステージアップしたようです。

バックを務めるのはTiago Costa(p、el-p)、Sylvinho Mazzucca(b)、Cuca Teixeira(ds)の3人のみ。Tiago Costaは『Maria Rita』にも参加していました。このシンプルな編成がMariaとの一体感を生み、作品の完成度をさらに高めていると思います。

楽曲も(日本では)それほど有名ではないアーティストの作品を取り上げているのがいいですね。本作の楽曲提供者の中にはMariaが取り上げたことによって注目を集めるようになったアーティストも何人かいます。才能あるアーティストを発掘する能力は母親Elis Regina譲りかもしれませんね。

前作a href="http://eastzono.seesaa.net/article/114528605.html">『Maria Rita』は第5回ラテングラミー賞で「最優秀新人賞」「ベストMPBアルバム」等3部門で受賞に輝きましたが、本作『Segundo』も第7回ラテングラミー賞で最優秀MPBアルバム賞、最優秀ブラジル歌曲賞(「Caminho das Aguas」)を受賞しました。

"Elis Reginaの娘"という形容が不要な実力派シンガーであることを再び証明してくれた充実作です。

全曲紹介しときやす。

「Caminho das Aguas」
前述のように、第7回ラテングラミー賞の最優秀ブラジル歌曲賞を受賞した名曲。作者であるRodrigo Maranhaoはこれを機に一気に注目されるようになりました。

ジワジワと感動が高まる素晴らしい楽曲です。そんな名曲をピアノ・トリオのみのバックにも関わらず、雄大なスケール感で聴かせてしまうあたりに歌手Maria Ritaの"歌力"を感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=TZgVTGtEOiM

「Recado」
「Caminho das Aguas」に続きRodrigo Maranhao作品です。バックの3人との息もピッタリで完成度の高さを窺える演奏です。特にTiago Costaのリズミカルでありながら品のあるピアノが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=0teG662NwO0

「Casa Pre-Fabricada」
リオ出身の人気ロックバンドLos Hermanosのカヴァー(リーダーMarcelo Cameloの作品)。Marcelo Cameloの楽曲はデビューアルバム『Maria Rita』でも3曲取り上げられていました。ロック調のオリジナルとは異なり、エレガントな雰囲気でしっとりとバラードを歌い上げます。Roberta Saもカヴァーしているので聴き比べてみるのも楽しいかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=mMbQY9VfDMQ

Los Hermanos「Casa Pre-Fabricada」
 http://www.youtube.com/watch?v=iHAWPtvtv1E

「Mal Intento」
ウルグアイ出身、現在はスペインを拠点に活躍するシンガー・ソングライターJorge Drexlerの作品。お酒片手にしながら聴きたくなる小粋なヴォーカル&演奏に惹きこまれます。聴けば聴くほど好きになる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=cP9hCr6j82Y

「Ciranda Do Mundo」
新世代のサンバ系シンガー・ソングライターEdu Krieger作品。『Samba Meu』でも楽曲提供していましたね。Rodrigo Maranhao同様、Mariaが見出した才能ですね。彼女への楽曲提供で注目されるようになったEduは、その後『Edu Krieger』(2007年)、『Correnteza』(2009年)という2枚のソロ・アルバムをリリースしています。哀愁モードのサンバ・チューンがグッと胸に迫ります。
http://www.youtube.com/watch?v=23nnjLTzW0I

「Minha Alma (A Paz Que Eu Nao Quero)」
ブラジルの人気レゲエ/ロック・グループO Rappaのカヴァー。本作と同じ2005年にリリースしたO Rappaのアコースティック・ライブ盤『Acustico MTV』にMaria Ritaがゲスト参加しており、その交流ぶりが窺えます。O Rappaのオリジナルとは雰囲気は大きく異なりませんが、バックがピアノ・トリオなのでより大人の雰囲気の仕上がりですね。Mariaのヴォーカルはかなりパワフルです。
http://www.youtube.com/watch?v=rnFn8cemI_E

O Rappa「Minha Alma」
 http://www.youtube.com/watch?v=ajaSpT_ImWg

「Sobre Todas as Coisas」
Chico Buarque/Edu Lobo作品。本作で唯一の大物アーティスト楽曲です。Tiago Costaのピアノをバックにして丁寧に歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=HT3OSq6yPOU

「Sem Aviso」
Fransisco Bosco/Fred Martins作品。Fransisco Boscoはブラジル音楽の大物アーティストJoao Boscoの息子です。ミステリアスな雰囲気のアレンジがLenineのセンスですね。  
http://www.youtube.com/watch?v=M4pLhTbebaY

「Muito Pouco」
90年代からコンスタントに活動するシンガー・ソングライターとしてMoska(Paulinho Moska)の作品。しっとりと歌い上げる前半とテンポアップする後半とのコントラストが見事です。
http://www.youtube.com/watch?v=ky3zb0CX-a4

「Feliz」
90年代初頭より多くのMPBアーティストに楽曲提供しているコンポーザーDudu Falcaoの作品。昨年には初ソロ・アルバム『Dudu Falcao』をリリースしています。リラックスした雰囲気のTiago Costaのキーボードを中心にメンバーが楽しげに演奏している様子が浮かんできます。
http://www.youtube.com/watch?v=VmB4VMYq4hM

「Despedida」
Los Hermanosのカヴァー2曲目(Marcelo Camelo作)。途中までパーカッションのみというシンプルなバックで淡々と歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=XUZy6VtvEFc

CDにはボーナス・トラックとしてライブ曲「Conta Outra(Ao Vivo)」が収録されています。

未聴の方は『Maria Rita』『Samba Meu』もチェックしてみて下さい。

『Maria Rita』(2003年)
Maria Rita

『Samba Meu』(2007年)
Samba Meu

そう言えば、昨日の記事で書き忘れましたが、サッカーUEFAチャンピオンズリーグ注目の一戦「インテル対バルセロナ」はインテルが鮮やかな勝利を収めましたね。バルサ・ファンの僕としては残念な結果ですが、一方でインテル・モウリーニョの見事な戦いぶりに感心してしまいました。

今日の「バイエルン・ミュンヘン対オリンピック・リヨン」はロッベンの決勝ゴールでバイエルンが勝利しましたね。

個人的には「バルセロナ対バイエルン・ミュンヘン」の決勝が観たいですね。
posted by ez at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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