2010年04月25日

Spinetti/Dadi/Ceccarelli/Petreni『InventaRio』

Dadiとイタリア人ジャズ・ミュージシャンの共演作☆Spinetti/Dadi/Ceccarelli/Petreni『InventaRio』
InventaRio
発表年:2010年
ez的ジャンル:MPB+イタロ・ジャズ=?
気分は... :清らかなアコースティック・サウンドに心洗われます!

今日はブラジル人ミュージシャンDadiがイタリア人ジャズ・ミュージシャンと共演したアルバムSpinetti/Dadi/Ceccarelli/Petreni『InventaRio』です。

Dadi(Dadi Carvalho)は1952年リオデジャネイロ生まれ。Os Novos Baianosのベーシストとしてデビューし、その後Jorge BenCaetano VelosoMarisa Monteらのサポートで一躍有名になり、『Dadi』(2005年)、『Bem Aqui』(2008年)、『Ao Vivo Em Toquio』(2009年)といったソロ・アルバムもリリースしています。

当ブログで紹介した作品ではMarisa Monte『Universo Ao Meu Redor』(2006年)、Alexia Bomtempo『Astrolabio』(2008年)、Doces Cariocas『Doces Cariocas(Sweet Cariocas)』(2009年)といったアルバムにDadiが関与しています。

僕がDadiの名前を強く意識するようになったのは、Alexia Bomtempo『Astrolabio』(2008年)でした。ちょうど『Astrolabio』の記事を書く際にDadiのキャリアについて簡単に調べ、急速に彼への興味が高まりました。

本作『InventaRio』Dadi(vo、g)とFerruccio Spinetti(ds、per)、Giovanni Ceccarelli(p、key)、Francesco Petreni(b)というイタリア人実力派ジャズ・ミュージシャン3人とのコラボ作品です。4人の名義での作品ですが主役はDadiであり、Dadiファンはソロ作同様にDadiワールドを堪能できます。

ゲスト・ヴォーカリストとしてMarisa MonteIvan Lins、Pacifico、 Petra Magoniが参加しています。

全体としてはブラジル+イタリアン・ジャズ+αの清らかなアコースティック・サウンドが印象的な1枚に仕上がっています。ジャケのイメージそのままの清々しさが魅力ですね。

Dadiファンは『Dadi』、『Bem Aqui』収録曲の再演もあり、そういった観点からも楽しめます。

決して派手さはありませんが、ブラジル音楽ファンはかなりグッとくる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Quasi Sera」
オススメその1。ピストル自殺により28歳で短い生涯を終えた伝説のイタリア人男性シンガーLuigi Tenco(1938-1967年)作品のカヴァー。ここではボッサ・タッチの演奏に乗せて、Dadiがイタリア語による優しいヴォーカルを披露してくれます。このオープニングを聴けば、本作の素晴らしさがわかるはずです。
http://www.youtube.com/watch?v=QE-xhe3th24

「La na Rede」
オススメその2。Ferruccio Spinetti作によるバラード。ギター、ピアノ、ストリングスが織り成す美しくロマンチックな演奏にグッときます。

「Construtivamente」
Giovanni CeccarelliとDadiの息子Andre Carvalhoによる作品。しみじみと聴き入ってしまいます。クラリネットの音色が実に印象的です。

「Nao e Proibido」
オススメその3。DadiとMarisa Monteらによる共作。Marisa Monteのシングルとしてヒットし、Dadiの『Bem Aqui』にも収録されています。本ヴァージョンはパーカッション・オーケストラを導入し、リズミックな仕上がりです。

「Passando」
オススメその4。この曲も『Bem Aqui』収録曲の再演(Dadi/Domenico作)。DadiのアコギにGiovanni Ceccarelliのエレピが絡むセンスの良いアレンジにグッときます。ブラジル音楽好きには鉄板な仕上がりです。

「Folhas (Fronne) 」
Ferruccio Spinetti作品にDadiがポルトガル語の歌詞をつけたアコースティック・ワルツ。ピュアな雰囲気が好感持てます。

「Il Samba (Desde Que o Samba e Samba)」
オススメその5。Caetano Veloso & Gilberto Gil『Tropicalia 2』(1993年)収録のCaetano Veloso作品のカヴァー。Joao Gilbertoも『Joao Voz e Violao』(2000年)でカヴァーしていましたね。

ここではイタリア人女性シンガーPetra Magoniがゲスト参加し、Dadiとデュエットする爽快なボッサ・チューンに仕上がっています。アルバムの中でも最もキャッチーな仕上がりなのでは?

「Minuetto」
Giovanni Ceccarelli作。本作唯一のインスト・チューン。クラシカルな雰囲気の端正な仕上がりです。

「Dall’Alba al Tramonto (Da Aurora Ate o Luar) 」
オススメその6。Marisa Monte参加曲。Dadiの1st『Dadi』に収録されていたMarisa Monteとのデュエット曲の再演。ここではMarisa Monteとイタリア人男性シンガーPacificoのデュエットで聴かせてくれます。『Dadi』収録ヴァージョンと聴き比べるのも楽しいのでは?

「Alvo Certo」
オススメその7。。『Dadi』収録曲の再演。Alexia Bomtempo『Astrolabio』でも歌われていました。Mauro Diniz(cavaquinho)、Orquestra Imperialで活躍するWilson Das Neves(ds)という二人の大物ブラジル人ミュージシャンがゲスト参加しています。パーカッシヴで軽やかな仕上がりがグッド!

「Se Assim Quiser」
オススメその8。『Dadi』収録曲の再演。Dadiの息子Andre Carvalhoによる親子共作。軽快&キャッチーなロック調の仕上がり。ハワイアンAORやウエストコースト・ロックあたりと相性良さそうな感じですね。

「Ti Amo (Te Amo) 」
オススメその9。Ivan Lins作の名バラードのカヴァー(オリジナルはアルバム『Anjo de Mim』収録)。Ivan Lins本人がヴォーカル&ピアノで参加しています。ここでのIvan Linsはイタリア語のヴォーカルを披露してくれます。ただただ美しくロマンチックなバラードです。

「Bem Aqui」
ラストはDadiの2nd『Bem Aqui』のタイトル曲を再演。センチメンタル&エレガントな仕上がりがいいですね。

興味がある方はDadiのソロ作もチェックしてみて下さい。

『Dadi』(2005年)
Dadi

『Bem Aqui』(2008年)
Bem Aqui

『Ao Vivo Em Toquio』(2009年)
Ao Vivo Em Toquio
posted by ez at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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