発表年:1971年
ez的ジャンル:エレクトリック・ブギ系グラムロック
気分は... :真剣勝負って何よ?
やっぱり今日はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)ですかねぇ。
「日本対アメリカ」のあまりの茶番劇にガッカリしました。世界一決定戦に値しない、こんなくだらない大会はもう観ません。
D.Leeのホームランを呼び込んだ清水の動揺を誘うしつこい注意、西岡のタッチアップのセーフを覆した判定...アメリカチームの危機を尽く救った球審が間違いなく、“アメリカチーム”のMVPだよね(笑)
でも、スポーツに誤審やホームチーム・アドバンテージはつきものだから、それを必要以上に責めるつもりはありません。
最大の問題点は、あの主審がアメリカ人だったこと!
主審が第三国の人だったならば、今回の件もそれほど大騒ぎに値しないと思う。結果がどうあれ、アメリカの試合の審判をアメリカ人が努めている時点で、試合の公平さが欠落しているもんね。
サッカーW杯で自国の試合を自国の審判が担当することなんてあり得ない。この審判の1件だけでも、WBCが国同士の威信を賭けた真剣勝負の場としてふさわしくない大会であること露呈しているよね。
それ以外にもWBCには???なことだらけだもんね。一番笑えたのがMike Piazza等のイタリア系アメリカ人による急造チームだったイタリアだね。多分、イタリア国民の99%が自国がこの大会に参加していることすら知らなかったんじゃないかなぁ。仮に知っていても無関心だろうしね。
アメリカが決勝までドミニカ、キューバ、プエルトリコらと対戦しなくて済むトーナメントの仕組みもインチキだよね。こんなアメリカ有利のトーナメント方式に他国からクレームが出ないのも(出せないのかも?)、ベースボールという競技が世界的なスポーツではないことを物語っていると思いマス。
まぁ、アメリカはMLBの優勝決定戦を“ワールドシリーズ”と呼んでしまう国だから仕方ないけどねぇ(フツーに考えれば、“アメリカ&カナダシリーズ”でしょ)。
参加している選手が真剣なことは認めるけど、こんな中途半端な時期、メンバーで開催されている大会、しかもあらゆる面でアメリカを優勝させる大会が“真の世界一決定戦”とは到底思えないよねぇ(? ?)
だからこそ、僕はアメリカを優遇しないサッカーという真の世界的なスポーツや、サッカーW杯という“真の世界一決定戦”にふさわしい大会に惹かれるのだということを確信できまシタ。
今日は何となく気分的にアメリカ人アーティストは控えておきます。
ということで、70年代UKロック・シーンを語る上で欠かせないグループT.Rexの代表作『Electric Warrior』っす。
今は亡きMarc Bolan(1977年交通事故死)率いるT.Rexは、David Bowieと並ぶグラムロック(グリッターロックとも呼ばれていた)を代表的なアーティストっす。
グラムロックというジャンルは、サウンド面での特徴というよりも、ビジュアル面でラメやスパンコールがギラギラ光るド派手な衣装でパフォーマンスしていたロック・アーティストの総称っす。
1960年代後半から活動していたギターとパーカッションという風変わりなデュオTyrannosaurus Rexが、1970年代に入りエレクトリック・サウンド化し、グループ名もT.Rexを名乗るようになった。同時にMarc Bolanは白塗りの化粧をするなど、ビジュアル面でも目立つようになってきた。
2ndアルバム『Electric Warrior』(1971年)は、そんな彼らがグラムロックの雄としての地位を確立した作品であり、Tレクスタシーと呼ばれる熱狂的なT.Rexブームを巻き起こしたアルバムっす。
サウンド的には、Tyrannosaurus Rex時代からのフォーク・サウンドと、彼らの代名詞とも言えるエレクトリック・ブギが混在した過渡期的なアルバムだと思いマス。案外、パーカッシブな仕上がりもお気に入りっす。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Get It On」
「Telegram Sam」(『The Slider』収録)と並ぶ彼らの代表曲。シングルカットされ、UKチャートで第1位を獲得していマス。なお、同じ年にChaseの同名曲「Get It On」がヒットしていたため、アメリカでは「Bang a Gong」のタイトルで発売されまシタ。
ザ・エレクトリック・ブギってカンジの実にシンプルだけど、ノリノリのグルーヴ感がたまりません。何かイェーイ!って叫びたくなるよね。ディスコ・ナンバーを聴いていると沸き起こるおバカな気分と同じものを感じるよね。
僕と同年代の人は、The Power Stationによるスタイリッシュなカヴァー(1985年)も忘れられないですよね。
「Jeepster」
これもシングルカットされ、UKチャートで大ヒットを記録したナンバー。エレクトリック・ブギなんだけど、パーカッションによるグルーヴがいいアクセントになっていマス。パーカッション好きの僕にとっては案外ハマる曲ですね!
「Mambo Sun」
アルバムのオープニングを飾るブギ・ナンバー。かなり抑えたカンジの演奏が逆にMarc Bolanの怪しげなボーカルを際だ立たせてイイカンジっす。
「Cosmic Dancer」
「Planet Queen」
とっても宇宙的なイメージの2曲。David Bowieもそうだけど、グラムロックって宇宙的なテーマの歌が多いよね。グラマラスなビジュアル・イメージと未知の宇宙世界というのが相性いいのかもね。まぁ、アポロ11号の月面着陸(1969年)から間もない時代だったしね。ただし、2曲ともサウンド的にはTyrannosaurus Rex時代を彷彿させるアコースティックな仕上がりっす。
「Monolith」
これまたスペイシーで神秘的で切ないナンバー。詳しくは知らないけど、多分、『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督)に登場する謎の黒石板“モノリス”のことだよね。モノリスはThe Who『Who's Next』のアルバムジャケットのモチーフにもなっていますよね!
「Motivator」
「Get It On」を少しパーカッシブにしたカンジのカッチョ良いナンバー。密かなお気に入り曲デス。
「Rip Off」
ちょっと他の曲と異なる雰囲気のハードでフリーキーのナンバー。ゲスト参加のIan McDonaldのサックスがKing Crimson「21st Century Schizoid Man (Including Mirrors)」を彷彿させマス。
T.Rexの他の作品では、本作と並ぶ代表作『The Slider』(1972年)、T.Rexサウンドの完成形『Tanx』(1973年)も必聴だと思いマス。