2010年04月29日

Melanie Fiona『The Bridge』

カナダ出身の実力派女性R&Bシンガーのデビュー・アルバム☆Melanie Fiona『The Bridge』
The Bridge
発表年:2009年
ez的ジャンル:系女性R&B
気分は... :民族、ジャンル、世代を越えて・・・

今日はカナダ出身の女性R&BシンガーMelanie Fionaのデビュー・アルバム『The Bridge』です。

発売は2009年であり結構時間が経過していますが、2010年に入りアルバムからのシングル「It Kills Me」が全米R&Bシングル・チャートNo.1を獲得し、同曲が2010年グラミーBest Female R&B Vocal Performanceにノミネートされるなど今からでも再チェックしておきたい作品です。

Melanie Fionaは1983年カナダ、トロント生まれの女性R&Bシンガー。今回紹介する『The Bridge』がデビュー・アルバムとなります。デビュー前の2008年にはKanye Westのヨーロッパ・ツアーのオープニング・アクトを務めていました。

音楽好きの母親やギタリストとして活動していた父親の影響で幼い頃から音楽に囲まれて育ったようです。また、両親は南アメリカの小国ガイアナ共和国の出身であり、そういったアイデンティティのせいかR&B/ソウルのみならず、レゲエなどの影響も強く受けているようです。

実際、本作『The Bridge』以前にSupa Dupsプロデュースのレゲエ・チューン「Somebody Come Get Me」をレコーディングしています(レゲエのコンピ・アルバム『Reggae Gold 2008 (Bonus Track Version)』収録)。

そして本作『The Bridge』ですが、タイトルには民族、ジャンル、世代等の隔たりをつなぐ"橋"という意味が込められているようです。

全体の印象としては60年代レトロ・ソウルのエッセンスを巧みに取り入れたR&Bアルバムという印象ですね。きっと母親の影響で日常的に聴いていたオールド・ソウルと彼女の世代らしいR&Bが自然なかたちで融合したものなのでしょうね。レトロと言っても60年代、70年代風ソウルを単になぞったものではないのでご安心を!

パンチの効いたMelanieのヴォーカルが実に魅力的です。少しAmy Winehouseに似たところも感じられますが、Amyのように下品な感じはなく、もっと洗練されています(Amyの場合、アノ下品さが魅力だと思いますが)。

そんなMelanieのデビュー作に大きく貢献しているのが女性R&Bシンガー/ソングライター/プロデューサーとして活躍すAndrea Martinです。当ブログでも彼女のソロ作『The Best Of You』(1998年)を紹介しました。本作でもプロデュース、楽曲提供、ヴォーカル・プロデュース、バッキング・ヴォーカルと大活躍です。

それ以外にもRob Fusari、Peter Wade Keusch、Sidh Solanki、Vada Nobles、Future Cut、Stereotypes、Dan Strong、JK、Jay Fenixがプロデューサーとして起用されています。

このままスケールの大きなシンガーに成長して欲しいですね。

全曲紹介しときやす。

「Give It to Me Right」
アルバムからの先行シングル。Zombies「Time of The Season」をサンプリングした、レトロ・・テイストのR&Bチューン。Zombies「Time of The Season」好きの方は2倍楽しめます。Andrea Martinプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=dPBQmzKQRvU

「Bang Bang」
Rob Fusariプロデュースによる軽快なソウル・チューン。パンチの効いたMelanieのヴォーカルと60年代ソウル・テイストのサウンドが実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=VsFtboDa7Is

「Monday Morning」
レトロ感覚を巧みに取り入れたキャッチーなアップ・チューン。シングルにもなりました。Peter Wade Keusch & Sidh Solankiプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=sG8QgSzY3nI

「Please Don't Go (Cry Baby)」
アルバムで一番のお気に入り。60年代モータウン好きの人は気に入るのでは?Martha Reeves & The Vandellas「Jimmy Mack」ネタのトラックにグッときてしまいます。Vada Noblesプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=XSDDA073enA

「Ay Yo」
アルバムからの最新シングル。Future Cutプロデュース。スケール感の大きなブルージーなミディアム・スロウ。Melanieのヴォーカリストとしての魅力を堪能できます。The Rhine Oaks「Tampin」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=td6CnGR36Eo

「Walk on By」
オールド・ソウルへのリスペクトに溢れたソウル・チューン。Johnny Taylor「I Believe in You」ネタ。Andrea Martinプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=6P8Z5fPtoqY

「You Stop My Heart」
60年代風の夢みるポップ・チューン。Frankie Avalon「Venus」ネタ。Future Cutプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=9ZB9wtZqWlA

「Johnny」
軽快なテンポが魅力の1曲。60年代ポップス風のリズムにHip-Hop調のスクラッチも加わる時代を越えたミクスチャー感はStereotypesプロデュースらしいかも。
http://www.youtube.com/watch?v=oI7oA6Y7cAE

「Sad Songs」
アルバムで唯一のレゲエ・チューン。Janet Kay「Silly Games」、Bobby Vinton「Mr. Lonely」 ネタ。Andrea Martinプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=7xqItZSlv4E

「Priceless」
この美メロ系のミッド・チューンがアルバムで一番オーソドックスかもしれませんね。Dan Strong & JKプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=XSDDA073enA

「It Kills Me」
前述のように全米R&BチャートNo.1を獲得し、グラミーBest Female R&B Vocal Performanceにもノミネートされたヒット・シングル。Jay Fenix & Andrea Martinプロデュース。スケール感の大きな哀愁ミディアム・スロウ。The Softones「Hey There Lonely Girl」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Q8yZedKTXJ0

「Teach Him」
ラストはスパニッシュ・モードのアコースティック・チューン。ラテンのDNAを持つMelanieであれば、こういったテイストの曲をもっと取り入れてもいい気がしますが・・・。Gipsy Kings「No Volvere」ネタ。Andrea Martinプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=t8FmmEJ-8Pw

これを機会に本作の功労者の一人Andrea Martinのソロ作『The Best Of You』(1998年)も再チェックしてみては?

The Best of Me

さぁ、いよいよあと数時間でUEFAチャンピオンズリーグ・セミファイナル「バルセロナ対インテル」の2ndレグです。

1stレグで完敗したバルサがホームで逆転できるのか、それともインテルを率いるモウリーニョが新たな手に打って出るのか、今シーズンの欧州サッカー最大のヤマ場となる一戦を前に、今からワクワクします。

バルサ・ファンとしてはメッシの大活躍による鮮やかな逆転勝利を期待しますが、そうは簡単にはいかないでしょうね。
posted by ez at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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