発表年:1971年
ez的ジャンル:エロおやじ系フレンチ・コンセプト・アルバム
気分は... :俺の方が年上?
エロ不良オヤジSerge Gainsbourg(1928-1991年)の2回目の紹介です。
『Love On The Beat』(1984年)に続いて紹介するのは『Histoire De Melody Nelson』(1971年)です。
当時はアヴァンギャルドな内容で見向きもされなかった作品のようですが、今日では傑作として評価の高いアルバムですね。個人的には作品の中身云々に関係なく、手元に作品があるというだけで大満足の1枚です。
『Histoire De Melody Nelson』は、中年男と14歳の少女Melody Nelsonの物語を描いたコンセプト・アルバムです。
ジャケのぬいぐるみを抱えてセクシー・ポーズをとる赤毛の女性こそがMelody Nelson(のイメージ)です。このジャケを手元に置くだけでも本作を購入する価値があるのでは?多分、本作の購入者の8割位はジャケから作品へアプローチしていると思うのですが・・・勿論、僕のそうです(笑)
作品の中ではGainsbourgのパートナーJane BirkinがMelody Nelsonとしてヴォーカルをとります。そして、わかりづらいかもしれませんが、ジャケに写るのもかつらをかぶったBirkinです。
実はこの時点でBirkinはGainsbourgの子供(すなわちCharlotte Gainsbourg)を妊娠していましたが、それを隠すためにぬいぐるみを抱えたセクシー・ポーズになった模様です。
サウンド的にはロック・サウンドとJean-Claude Vannierが指揮するオーケストレーションを組み合わせたものになっています。Jean-Claude Vannierは「Ballade de Melody Nelson」、「Ah! Melody」、「En Melody」の作曲を手掛けており、本作に大きく貢献しています。
レコーディングはギター、ピアノ、ベース、ドラムによる基本演奏をロンドンで録音し、ヴォーカル、オーケストレーションはパリで録音しています。本作の持つアヴァンギャルドな雰囲気をクリエイトする上でUKロック・サウンドの導入は成功していると思います。
個々の楽曲を聴くと言うよりも、全7曲で構成されるある男女のストーリーとして楽しむ作品ですね。30分にも満たないアルバムですが、短く儚い男女の物語という本作の流れとも合致していて良いのでは?
本作発表時のGainsbourgの年齢よりも年上の自分に気付いてしまいました。俺もこんなオヤジになりたい(笑)
全曲紹介しときやす。
「Melody」
中年男と14歳の少女Melody Nelsonの出会いを歌ったオープニング。前半はポエトリー・リーディングのようなGainsbourgのヴォーカルが展開され、後半部分でようやくMelody Nelson役のJane BirkinとGainsbourgが出会い、二人の物語がスタートします。ロンドンで録音したロック・リズムとJean-Claude Vannier指揮のオーケストレーションがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=Rwk1MX9wbag
「Ballade de Melody Nelson」
Jane Birkinとのデュエットによるフォーキー・チューン。Jane Birkinのロリータ・ヴォイスがヤバいですな。
http://www.youtube.com/watch?v=dlLflBt1EcA
「Valse de Melody」
二人のワルツをオーケストレーションをバックにGainsbourgが歌い上げます。こういう曲だとフランス語の語感の響きが素敵ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=hIWQk0VAv70
「Ah! Melody」
美しくも切ない仕上がりに胸が締めつけられます。悲しい結末を予感させますよね。でも実にGainsbourgらしい1曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=FmJjAncN1pg
「L'Hotel Particulier」
本作らしいUKロックなリズム・セクションの効果が感じれる演奏ですね。Gainsbourgのヴォーカルとの相性もバッチリです。
http://www.youtube.com/watch?v=Gj1ki0uIFwo
「En Melody」
個々の楽曲という点では本作のハイライト。グルーヴ感にグッとくるファンキー・ロック。殆どインストですがGainsbourgらしいエロエロ・ビームが出まくっている感じの演奏がサイコーです!
http://www.youtube.com/watch?v=qWPNetpT4Bs
「Cargo Culte」
ラストは大人数の合唱隊も加わり、二人の儚い物語はエンディングを迎えます。
http://www.youtube.com/watch?v=8yz97KNxwzU
本当はJane Birkinあたりも紹介したいのですが、ベスト盤から入ってしまったため、その後のコレクションが進まない状態です。ぜひオリジナル作品にもアプローチしたいですね。
昨日のエントリーで書き忘れましたが、一昨日のボクシング「メイウェザー対モズリー」のビッグ・マッチには興奮しました。僕の中では石川遼クンの驚異的な逆転V以上にインパクトのあるスポーツ・ニュースでしたね。
現在のプロボクシング界で最もエキサイティングなウェルター級のBIG3(メイウェザー、モズリー、パッキャオ)の中の2人の対決は、序盤モズリーが見せ場を作りましたが、終わってみればメイウェザーの大差の判定勝ちでした。
メイウェザーをダウン寸前まで追い込んだ2R直後の3Rで、モズリーがメイウェザーを警戒するあまり何もできずに終わってしまったのが勝敗を分けましたね。それ以降のモズリーは何も出来ずに終わってしまいました。逆にダウン寸前まで追い込まれながらも、圧力でモズリーを圧倒したメイウェザーの強さを再認識した次第です。彼の瞬間的なスピードはモズリーが相手でもレベルが違う気がしました。
さぁ、これで今後のボクシング界最大のビッグ・マッチは「メイウェザー対パッキャオ」の5階級制覇同士の対決ということになります。個人的にはアジアの英雄パッキャオが無敗のメイウェザーをマットに沈めるシーンを観てみたいものです。今秋あたりに実現しないかなぁ・・・