2010年05月13日

Tamba 4『Samba Blim』

ソフィスティケイトされたグループの進化を感じる2nd☆Tamba 4『Samba Blim』
サンバ・ブリン(紙ジャケット仕様)
発表年:1968年
ez的ジャンル:ソフィスティケイト系ジャズ・サンバ/ボサノヴァ
気分は... :やっぱりコレですな!

ジャズ・サンバ/ボサノヴァ・コンボの最高峰Tamba 4の2回目の登場です。

1st『We And The Sea』(1967年)に続き紹介するのは、2nd『Samba Blim』(1968年)です。また、Tamba Trio時代の『Avanco』(1963年)も紹介済みです。

Tamba TrioからTamba 4となり、Creed TaylorのCTIと契約し、その第1弾アルバムと同時にアメリカ・デビュー・アルバムとなったのが前作『We And The Sea』(1967年)でした。

『We And The Sea』は、ボサノヴァにクラシック的要素を取り入れ、実験的な演奏も聴かれる意欲作であり、評価も高い作品です。しかし、Tamba Trio時代の作品を聴いている人には、地味で少しとっつきづらいアルバムかもしれません。

その点、2ndとなる本作『Samba Blim』は、Tamba Trio時代の作品がお好きな方もスンナリ入ることができるアルバムです。

全体的に軽快でキャッチーな演奏が目立つのがいいですね。Tamba Trio時代よりもソフィスティケイトされているのが、Tamba 4ならではの演奏だと思います。

Luiz Eca(p)、Ohara(ds、per)、Bebeto(fl)、Dorio(g、b)というメンバー4人がそれぞれの存在感を示しながらも、グループとして一体感のある演奏を聴かせてくれるのがサイコーです。また、Tamba Trio時代と比較してヴォーカル・パートの比重は少なくなりましたが、それでも素晴らしいコーラスを聴かせてくれるが嬉しいですね。

まずはTamba Trio時代の作品を聴き、その次に『We And The Sea』より先に本作『Samba Blim』を聴くのが、Tamba Trio、Tamba 4との素敵な出会い方ではないかと思います。

全曲紹介しときやす。

「Samba Blim」
タイトル曲はCafe Apres-midiのコンピ『Cafe Apres-midi Olive』にも収録されていた人気曲。軽快かつ小粋なサンバ・チューン。Tamba Trio時代の「Mas Que Nada」をよりソフィスティケイトに仕上げたようなサウンドにグッときます。Bebetoのフルートが印象的です。Orlan Divo/Helton Menezes作。
http://www.youtube.com/watch?v=HfL3hXXIv8g

「Watch What Happens」
Michel Legrand作品の名曲カヴァー。オリジナルは1964年のフランス映画『The Umbrellas of Cherbourg(原題:Les Parapluies de Cherbourg、邦題:シェルブールの雨傘)』の挿入歌です(原題「Recit de Cassard」)。当ブログでStanley TurrentineElis ReginaWes MontgomerySergio Mendes & Brasil '66のヴァージョンを既に紹介済みであるように、多くのアーティストがカヴァーしています。

Tamba 4ヴァージョンは素敵なストリングスも入ったCTIらしいエレガントな仕上がりです。Luiz EcaのピアノとBebetoのフルートを堪能しましょう。

「Weekend」
軽快ながらも上品な演奏と爽快スキャット・コーラスにグッときます。もっと長尺で聴きたいですね。Luiz Eca作。

「Palladium」
小粋なグルーヴ感が魅力のサンバ・チューン。やはり、このグループをこの位リズムを感じる曲の方が好きですね。全体を先導するかのようなBebetoのフルートがいいですね。Orlan Divo/Ed Licoln作。

「Quietly」
ストリングスが入ったサウダージな仕上がり。タイトルの通りの雰囲気です。Ohana/Dorio/Luiz Eca作。

「Know It All」
Paulo Sergio Valle/Joao Donato作。アルバムの中で最もスタイリッシュな仕上がりのボッサ・チューンであり、僕の一番のお気に入り曲です。さすがJoao Donatoの作る曲はいいですね。

「Reza」
Edu Loboの大ヒット曲をカヴァー。当ブログでは以前にLennie Dale & Sambalanco Trioのカヴァーを紹介済みです。曲自体が大好きなので、本ヴァージョンにも相当グッときます。隅々まで気の利いた演奏がサイコーです。
http://www.youtube.com/watch?v=_drJFyyEBHc

「Tristeza De Nos Dois」
CTI好きの人であれば気に入るであろうイージーリスニング的な仕上がり。Duruval Ferreira/Mauricio Einhorn/Bebeto作。

「San Salvador」
小粋なサンバ・チューン。Bebetoのフルート、Luiz Ecaのピアノ、Dorioのギターがそれぞれ存在感を示してくれます。Durval Ferreira/Aglae作。

「Slick」
Herb Alpert & The Tijuana Brassのカヴァー(Herb Alpert/John Pisano作)。実にキャッチーな演奏ですが、コーラスも含めて何処かミステリアスな雰囲気が漂うのがいいですね。

「Baiano」
A. Luz作。密かに好きな曲です。落ち着いた演奏の中でDorioのギターが軽やかに弾けているのがいいですね。Luiz Ecaのピアノ・ソロも盛り上がります。

「Pregao」
イントロのLuiz Ecaのピアノが印象的です。ミステリアスな序盤からジワジワ盛り上がってくる感じがいいですね。S. Rivardo/C. Diegues作。

『We And The Sea』(1967年)やTamba Trio『Avanco』(1963年)の過去記事もご参照下さい。

『We And The Sea』(1967年)
二人と海

Tamba Trio『Avanco』(1963年)
アヴァンソ
posted by ez at 02:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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