発表年:1990年
ez的ジャンル:ブラック・ミュージック系コンセプト・ハウス
気分は... :20 Years Later
今日は90年代ハウスを代表するアルバムBlaze『25 Years Later』(1990年)です。
Blazeはニュージャージー出身のKevin Hedge 、Josh Milanが1984年に結成したハウス・ユニット。
1985年にシングル「Yearnin'」でデビュー。その後リリースした「Whatcha Gonna Do」、「If You Should Need A Friend」といった人気となり、注目のハウス・ユニットとなります。
そして、Motownより今日紹介するデビュー・アルバム『25 Years Later』(1990年)をリリース。Motown初のハウス・アルバム、しかもコンセプト・アルバムということで話題となり、当時の評価もかなり高いものがありましたが、商業的には成功を収めることはできませんでした。
その後はプロデューサーとしての活動が目立つようになります。Blaze名義では『Basic Blaze』(1997年)、『Natural Blaze』(2001年)、『Spiritually Speaking』(2002年)、『The Instrumentals Project』(2004年)といったアルバムをリリースしています。
『25 Years Later』は、僕にとって最初にアルバム単位で聴けると感じたハウス・アルバムだったかもしれません。その後Lil' Louis & The World『Journey With The Lonely』(1992年)、Mr. Fingers『Introduction』(1992年)等の素晴らしいハウス・アルバムに出会うことになりますが・・・
アルバムはマルコムXを崇拝する青年を主人公にしたコンセプト・アルバムになっています。ただし、個人的にはコンセプト云々よりもMarvin Gaye、Curtis Mayfield、Stevie Wonderの影響が強い、生演奏を主体としたソウルフルなサウンドが気に入っていました。個人的にはハウス版『What's Going On』みたいなイメージがありましたね。
本作では男性シンガー Chris Herbert がグループに加わり、Jocelyn Brown、Connie Harvey、Sybil等がバック・ヴォーカルで参加しています。
今聴き直すと、ソウルフルのみならずジャズやアフロの要素も感じられるブラック・ミュージック的なアプローチのハウス作品という感じですね。さらにはブラジルやレゲエのエッセンスも入っています。その意味では普段あまりハウスを聴かない人でも楽しめる作品だと思います。
気付けば、リリースから既に20年経過しているんですね。
きっと25年が経ってもブラック・ミュージック名盤の評価は不動でしょう。
全曲紹介しときやす。
「Get Up」
ダンサブルなオープニング。ハウスらしいダンス・チューンですが生演奏バックなのがいいですね。ラップも入っているのが90年代初めの雰囲気です。
http://www.youtube.com/watch?v=NiVUEQ3nqDE
「So Special」
シングルにもなったソウルフルな味わいのハウス・クラシック。90年代初めのガラージ・ハウス好きの人にはたまらない仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=nzmP_fJ_5vM
「Miss My Love」
久々に聴き直して、とても懐かしさを感じたのが本曲。当時一番好きな曲だったかもしれません。ホーン隊が盛り上げてくれるソウルフルなガラージ・チューン。
「You Don't Really Love Me」
クールかつアンダーグラウンドな雰囲気がいい感じです。
「Anything for Your Lovin'」
キーボードの音色をはじめ、少し妖しげなムードがいかにも90年代ハウスな感じでグッときました。
「We All Must Live Together」
シングルにもなった人気曲。めくるめくダンス・チューンに仕上がっています。キーボードやリズム隊に軽くレゲエ/トロピカルなテイストがあるのがいいですね。
「I Wonder」
フリーソウル・ファンにとってのハイライトは本曲ですね。思い切りMarvin Gaye「What's Going On」しています。前述のように、僕が本作にハウス版『What's Going On』というイメージを抱いているということは、それだけ本曲のインパクトが大きかったのでしょうね。
「Gonna Make It Work」
ハウス・ファンよりもソウル・ファンがグッとくるであろうアーバン・チューン。アーバン・ナイト気分を堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=I-BIuRdsX_E
「All That I Should Know」
「I Wonder」と並びフリーソウル/サバービア・ファンはグッとくるであろう1曲。ブラジリアン・フレイヴァーのStevie Wonderといった仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=wzlSeQ2b-cA
「Missing You」
ストリングスを大胆に取り入れた感動バラードに仕上がっています。ハウス・アルバムを聴いていることを忘れてしまいます(笑)
「Lover Man」
Curtis Mayfield風のファルセット・ヴォーカルで迫るソウル・チューン。ホーンやハーモニカが盛り上げてくれます。後半はMarvin Gayeも真っ青の官能モードの仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=V_B9M3yUxGc
「Love Is Forever」
久々にハウスらしいダンス・チューン。当時は気付きませんでしたが、アフロ・ビートを取り入れているのがいいですね。
「Broad and Market, NWK」
思い切りジャズしているインスト・チューン。
「The Hope Song」
ラストは幻想的かつ美しいサウンドで締め括ってくれます。
久々にUSハウスの紹介でしたね。90年代前半USハウスの過去記事もご参照下さい。
Lil' Louis & The World『Journey With The Lonely』(1992年)
Mr. Fingers『Introduction』(1992年)
Jamie Principle『The Midnite Hour』(1992年)
Ultra Nate『Blue Notes in the Basement』(1991年)
Ce Ce Peniston『Finally』(1992年)