2006年03月19日

Leon Russell『Leon Russell』

Leon兄貴と大物ミュージシャンによる大スワンプ大会☆Leon Russell『Leon Russell』♪
レオン・ラッセル
発表年:1970年
ez的ジャンル:スワンプロック大勉強会!
気分は... :ホタルイカの沖漬けのような美味(^¬^)

1960年代後半から1970年代後半のロックのキーワードは英米問わず「スワンプ」だったと言えるであろう。サイケデリック・ムーブメントの幻想から覚めた英米のミュージシャンはこぞってアメリカ南部に根ざすルーツ・ミュージックに流れた。

アメリカ側でその流れを決定づけたアルバムがThe Band『Music From Big Pink』(1968年)やDelaney & Bonnie『Accept No Substitute』(1969年)といったアルバムだ。特に、DelaneyとBonnieのBramlett夫妻によるデュオDelaney & Bonnieはイギリスのミュージシャンに大きな影響を与え、Eric Claptonはぜひ彼らをヨーロッパの聴衆に紹介したいとツアーを計画し、そのClapton、BeatlesのGeorge Harrison、TrafficのDave Masonといった蒼々たるメンツがサポートを努めた。

そして、そうしたルーツ・ミュージックから刺激を受けたイギリスからの回答が、The Rolling Stones『Beggars Banquet』(1968年)、Derek & The Dominos『Layla & Other Assorted Love Songs』(1970年)、George Harrison『All Things Must Pass』(1970年)、Joe Cocker『Mad Dogs And Englishmen』(1970年)、Dave Mason『Alone Together』(1970年)といった良質のアルバムだと思いマス。

この英米ミュージシャンの交流の中で生まれたスワンプ・ロック・ブームの影の立役者の一人がアメリカ人ミュージシャンLeon Russellである。1960年代初めからスタジオ・ミュージシャンとして活躍していた彼は、Delaney & Bonnie『Accept No Substitute』を実質的に仕切り、Joe Cocker『Mad Dogs And Englishmen』をプロデュースし、Dave Mason『Alone Together』でも好サポートを見せた。

そして、イギリス人プロデューサーDenny Cordell(Procol Harum『A Whiter Shade Of Pale』なども手掛けていた)と共にスワンプ発信基地として設立したのがShelterレコードであり、そこで満を持して出されたのが1stソロ・アルバム『Leon Russell』である。

まず参加メンバーが凄いっす。BeatlesからGeorge Harrison、Ringo Starr、Rolling StonesよりCharlie Watts、Bill Wyman、それ以外にもEric Clapton、Steve Winwood、Delaney & Bonnie、Joe Cocker等々こんな豪華メンツを揃えることができたことだけでも、Leon Russellというミュージシャンの大物ぶりを推察できると思いマス。さしずめ、Leon兄貴を慕ってイギリス人ミュージシャンが大集結したスワンプ大勉強会といったところであろう。ただし、曲ごとのクレジットがないので、誰がどの曲に参加しているのかが不明なのですが。

そうした話題性を除いても、純粋に素晴らしい楽曲、素晴らしいボーカルのオンパレードであり、Leonのシンガーソングライターとしての非凡さに唸ってしまいマス。

オススメ曲を紹介しときやす

「A Song for You」
CarpentersやDonny Hathawayなどのカヴァーでも有名な不朽の名曲。Carpentersについて言えば、大ヒット曲「Superstar」もLeonの作品デス。

ただただ美しいピアノのイントロに続き、♪I've been so many〜♪という激シブのLeonのボーカルを聴いただけで、僕はもう昇天してしまいマス。特に、歌詞が好きだなぁ。学生の頃、必死にこの歌詞を覚えようとしていた記憶がありマス。

And when my life is over
Remember when we were together
We were alone and I was singing this song for you

僕もこんなセリフを吐いてみたいね!

「Dixie Lullaby」
いかにもスワンプなナンバー。このユルユルなカンジがたまりません。

「I Put a Spell on You」
「Prince of Peace」
Claptonのギターがメチャカッチョ良いナンバー2曲。「I Put a Spell on You」は、本番テイクに入る前の演奏もカットされずにそのまま収録されているのが面白いデス。2曲ともゴスペル・フィーリングの女性コーラスがイイ感じっす。

「Shoot Out on the Plantation」
スワンプならではのファンキーなグルーヴ感がごキゲンなナンバー。

「Hummingbird」
ブルースの帝王B.B. Kingもカヴァーした名曲。とにかく楽曲がイイっす。隠し味のパーカッションがいいアクセントになってマス。

「Delta Lady」
この曲もLeonの代表曲の1つ。前年にJoe Cockerがカヴァーしてヒットしている。Leonのブルース・フィリーング溢れる独特のしゃがれボイスに、Joe Cockerらのこれまたクセのあるコーラス隊が絡む、スワンプ・ボーカル大会が実に魅力的っす。

「Roll Away the Stone」
ライブでのハイライト曲であり、アルバム中一番カッチョ良いナンバー。スワンプのアーシーで、ブルージーで、ファンキーな魅力を全て体現できるナンバー。文句無しの曲ですな。

「Masters of War (Old Masters)」
Bob Dylanのカヴァー。発売当時初回プレスにしか収録されていなかった。CD化で見事復活!

『Leon Russell And the Shelter People』(1971年)、『Carney』(1972年)、『Leon Live』(1973年)、『Will O' the Wisp 』(1975年)といった作品も本作同様に聴きものだと思いマス。
posted by ez at 00:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この人は作編曲家としての立場がお馴染みですね、Carpentersのソングフォーユーやスーパースターは大好きだし、60年代アメリカンポップのゲイリールイス&ザプレイボーイズの作編曲家の一人として良い曲を提供しているのが印象に残ってます。本人のアルバムは殆ど聴いたことないんですが、代表曲を聴いてそのかなりクセのあるダミ声ボーカルが…苦手でしたねぇ(+〜+)。ビートルズとはジョージ、リンゴと気が合ったみたいですね。
リンゴのアルバム『リンゴ』マジにイイっす!是非試聴を
Posted by マルチP at 2006年06月03日 20:07
☆マルチPさん

「A Song for You」、「Superstar」はホント名曲ですよね。
「A Song for You」はCarpentersバージョンもいいですが、僕はやっぱりLeon自身のバージョンが好きですね。クセのあるダミ声は、一度ハマると何とも味わい深く聴こえるようになるので不思議ですよ(笑)
Posted by ez at 2006年06月04日 02:35
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