2006年03月20日

Digable Planets『Reachin'』

オシャレな知的ジャジーHip-Hop☆Digable Planets『Reachin'』
Reachin' (A New Refutation of Time and Space)
発表年:1993年
ez的ジャンル:オシャレな知的ジャジーHip-Hop
気分は... :てんとう虫って最近見てないなぁ!

Digable Planetsは、Butterfly(蝶)、Ladybug(てんとう虫)、Doodlebug(蟻地獄)という虫のネーミングを持った男2女1の3人組だ。1993年に本作『Reachin'』で華々しくデビューし、グラミーも受賞する。翌年には2ndアルバム『Blowout Comb』を発表するがセールス不振で翌年には解散!というように、あっという間にシーンを駆け抜けていった。僕はかなりお気に入りのグループだったからね。

当時JazzネタのHip-Hopと言えば、A Tribe Called Quest(ATQC)Gang Starrあたりもいた。結果として、ATQCやGang StarrはUS黒人マーケットから絶大な支持を得たが、Digable PlanetsはUS黒人マーケットから受け入れられず、シーンから消えた。きっと、Digable Planetsのジャジーさって多分にUKクラブミュージックの肌触りに近いものだった気がする。実際、彼らが最初に受け入れられたのはUKや日本であり、その後USマーケットへ逆輸入ってカンジだったからね。

Digable Planetsのサウンドは、とにかくユルいよねっ。気持ちイイを最優先に考えたHip-Hopってカンジかな。その意味ではグルーヴのうねりみたいなものは希薄だったかも?その辺りが黒人マーケットで苦戦した原因かもね。

でも、このオシャレ感覚の知的Hip-Hopは、日本人の感性にはかなりハマっていたと思いマス。僕的には、あまりに過小評価されているHip-Hopグループの1つだと思うなぁ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Rebirth of Slick (Cool Like Dat)」
彼らの名を一躍シーンに轟かせたクラシック・ナンバー。Art Blakey & the Jazz Messengers「Stretching」ネタをベースにした、クールネスという表現がピッタリの1曲。これほどJazzのヴァイブを見事にHip-Hopに融合させたナンバーも珍しいと思いマス。

「Where I'm From」
僕の一番のお気に入りでもある人気曲。フリーソウル・ファンにはお馴染みの名曲KC & the Sunshine Band「Ain't Nothin' Wrong」ネタのトラックが極楽に気持ちイイっす。僕はそもそもArchie Bell & The Drells「Tighten Up」をスローにしたようなこの曲がメチャ好きなので。その意味では「Tighten Up」好きの人にもオススメのナンバーっす。

「Pacifics」
Lonnie Liston Smith「Devika (Goddess)」ネタのJazz Funkテイストのナンバー。この太いベースラインが好きだなぁ。

「What Cool Breezes Do」
Eddie Harris「Superfluous」ネタのクールなユルユル・トラックが心地良いナンバー。

「Time & Space (A New Refutation Of)」
ハードバップ・ファンには嬉しいSonny Rollins「Mambo Bounce」ネタのブルージーなジャジー・グルーヴ。

「Last of the Spiddyocks」
「Rebirth of Slick (Cool Like Dat)」と並ぶクールネス・ジャジー・トラック。Alan Goldsher「String Bass Blues」、Steven Bernstein「Trumpet Solo」ネタの激シブのトラックは必聴デス。

「Jimmi Diggin Cats」
定番ネタKool & the Gang「Summer Madness」を使ったオシャレなトラックが印象的なナンバー。

「La Femme Fetal」
お馴染みLast Poets「Jazzoetry」ネタの玄人好みのカッチョ良いトラックに思わず唸ってしまうナンバー。

「Nickel Bags」
これまた名曲Curtis Mayfield「Give Me Your Love」ネタのスムーズ・グルーヴのナンバー。「Give Me Your Love」ネタの曲として、以前にMary J. Blige「I'm the Only Woman」も紹介しましたね。Steve Parks「Movin' In The Right Direction」、Herbie Mann「Push Push」、Edwin Starr「Easin' In」もサンプリングソース。

「Examination of What」
Crusaders「Listen and You'll See」ネタのキーボードの音色のループが何とも印象的なナンバー。

本当は、今回昨年リイシューされたDred Scottの1stアルバム『Breakin' Combs』を紹介しようと思ったんだけど、TowerやHmvでは扱っているけど、何故かAmazonでは扱っていないみたい。Digable Planetsと同様に、ジャジーHip-Hopの名作っす。タイプはだいぶ違うけどね!
posted by ez at 00:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
当時買って衝撃でしたねぇ
その後Camp Loと競演しててよけいにやられました。
確か声が似てるという理由でしたね!!

最近のジャジーも聴いてますがなんだか軽くて。
この頃は太いのが多かったですね!

ちなみに去年のブルーノートのAdriana Evansに客席の後ろから見守るDred Scottがいましたよ!

お客さんは彼をスタッフだと思ってたのか全く気づいてなかったようです!
10年以上も前ですから無理もないですね。

仲よさそうだったので嬉しかったです!
Posted by ashibe at 2008年02月11日 09:52
☆ashibeさん

ありがとうございます。

Digable Planetsは、社会人でも聴けるHip-Hopって感じが好きでした。
基本的にこの手のジャジーものは新旧問わず好きですね。
あとCamp Loと言えば、昨年の復活アルバムには驚きましたね。

>去年のブルーノートのAdriana Evansに客席の後ろから見守るDred Scott

確かにブルーノートやビルボードライブって、
客席を眺めると有名人やミュージシャンを発見できますよね。

Adriana EvansやDred Scottは作品の内容が良いだけに、
もう少しブレイクして欲しいですよね。
Posted by ez at 2008年02月11日 19:29
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