2010年06月08日

Common Sense『Resurrection』

シカゴ・ラッパーの存在感を示した2nd☆Common Sense『Resurrection』
レザレクション(紙ジャケット仕様)
発表年:1994年
ez的ジャンル:シカゴ系ジャジー&ソウルフルHip-Hop
気分は... :これがCommonの存在感!

シカゴ出身の人気ラッパーCommonの6回目の登場です。

これまで当ブログで紹介してきたCommon作品は以下の5枚(発売順)。

 『One Day It'll All Make Sense』(1997年)
 『Like Water For Chocolate』(2000年)
 『Be』(2005年)
 『Finding Forever』(2007年)
 『Universal Mind Control』(2008年)

6枚目の紹介となるのは1994年リリースの2ndアルバム『Resurrection』です。本作はCommon Sense名義でのリリースです。

ファンの中では最高傑作に挙げる人もいる名盤ですね。
まぁ、Common作品は名盤だらけなので、人によって意見が分かれるでしょうね。

僕の場合、『One Day It'll All Make Sense』(1997年)、『Like Water For Chocolate』(2000年)、『Be』(2005年)あたりが一番好みです。勿論、『Resurrection』も間違いなく名盤だと思いますが・・・

本作『Resurrection』ですが、Hip-Hopシーンで馴染みの薄かったシカゴの存在感を示した作品としても重要かもしれませんね。

プロデュースはNo I.D.が殆どのトラックを手掛けています(2曲のみYnotプロデュース)。No I.D.が創り出すジャジー&ソウルフルなトラック群は、今聴いても素晴らしいの一言です。あとはMista Sinisterが随所でスクラッチを聴かせてくれます。

そんなトラックに負けないCommonのフロウも抜群です。彼のフロウにはリリックの内容がわからなくても、心に刺さる説得力がありますよね。

「Resurrection」「I Used To Love H.E.R.」 という2大クラシックをはじめ聴きどころ満載です。

Blue Noteを意識したようなダブルトーンの写真を使ったジャケもアルバムの雰囲気と合致してグッド!

シーンに一石を投じたジャジー&ソウルフルHip-Hopをご堪能下さい!

全曲紹介しときやす。

「Resurrection」
オススメその1。「I Used To Love H.E.R.」と並ぶ本作のハイライト。シングルにもなりました。当ブログでも紹介したAhmad Jamal「Dolphin Dance」ネタのピアノ・ループを使ったジャジー・トラックとCommonのフロウが見事に一体化したHip-Hopクラシック。Mista Sinisterの擦りも冴えています。
http://www.youtube.com/watch?v=x5btqEdt6gU

「I Used To Love H.E.R.」
オススメその2。本作のハイライトであり、問答無用のクラシック!George Benson「The Changing World」ネタのトラックにのって、Commonが商業主義に走った西海岸のHip-Hopシーンを皮肉ったリリックで嘆きます。そのせいでIce Cubeとひと悶着起きますが・・・。CommonのHip-Hop愛を示した本曲で彼に強く惹かれた人も多いのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=C99iG4HoO1c

「Watermelon」
King Curtis「Sweet Inspiration」ネタのベースラインとThe New Apocalypse「Get Out of My Life, Woman」を使ったトラックがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=TLwirINj9Z4

「Book Of Life」
オススメその3。クールなトラックと共にCommonのリリックが鋭く突き刺さります。途中でThe Wailers「Get Up, Stand Up」のフレーズが飛び出すのがグッときますね。Roy Ayers「Everybody Loves the Sunshine」、Ultramagnetic MC's「Bust The Facts」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=UbGwb10QBno

「In My Own World (Check The Method)」
オススメその4。ここではNo I.D.のラップも聴けます。ジャジー&ソウルフルな仕上がりにグッときます。Clyde McPhatter「Mixed Up Cup」、The Modern Jazz Quartet「But Not For Me」、Gary Burton「Las Vegas Tango」、A Tribe Called Quest「Keep It Rollin'」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=_0aP1wjOt7E

「Another Wasted Nite With...」
約1分のインタールード的トラック。

「Nuthin' To Do」
Bernard Purdieのブレイクでお馴染みGary Burton「Leroy the Magician」とLiving Jazz「Walk On By」を使ったトラックと Commonのソウルフルなフロウがよくマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=tIB4vcbKZVI

ここまでがEast Side of Stony、次曲以降がWest Side of Stonyとなります。

「Communism」
オススメその5。ジャジーHip-Hopファンは必聴の1曲ですね。1994年時点でこんなトラックを創っていたとは驚きです!Freddie Hubbard「The Surest Things Can Change」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=BR-xo9Td7eM

「WMOE」
ボクシングの偉大な世界王者であったMohammed Aliの声をフィーチャーしたインタールード。Cannonball Adderley「Capricorn」ネタ。

「Thisisme」
オススメその6。この曲も人気の高いですね。トラック、フロウ共に格好良さではアルバムNo.1だと思います。リリシズム漂う感じがグッときますな。Paul McCartney「Momma Miss America」 、Alton Mcclain & Destiny「The Power Of Love」、Boogie Down Productions「Build and Destroy」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=H6EB3z5cUHE

「Orange Pineapple Juice」
哀愁漂うジャジー・チューン。Erick Sermon Feat. Keith Murray「Hostile」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=ZXCxXaLoRiQ

「Chapter 13 (Rich Man Vs. Poor Man)」
Ynotがプロデュース&ラップで参加。Archie Whitewater「Cross Country」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=ywVRX2jE8wg

「Maintaining」
小粋なピアノ・ループのトラックがいい感じです。A Tribe Called Quest「Scenario (Remix)」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=LQHA6sQyB4s

「Sum Shit I Wrote」
Ynotプロデュース。ダークなトラックとMista Sinisterのスクラッチが印象的です。

「Pop's Rap」
ラストはCommon作品でお馴染み父Lonnie Lynnがフィーチャーされています。Lenny Underwoodの小粋なピアノにのってCommonパパが語りかけます。

年内リリースが予定されている新作も楽しみですね。

他作品の過去記事もご参照下さい。

『One Day It'll All Make Sense』(1997年)
ワン・デイ・イトゥル・オール・メイク・センス

『Like Water For Chocolate』(2000年)
Like Water For Chocolate

『Be』(2005年)
Be

『Finding Forever』(2007年)
Finding Forever

『Universal Mind Control』(2008年)
Universal Mind Control
posted by ez at 01:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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