発表年:2010年
ez的ジャンル:ジャジーHip-Hop系アジアン・アメリカン・ラッパー
気分は... :アジアン・パワーを見せつけろ!
W杯はいよいよ決勝トーナメント1回戦に突入!
まずはアジアのライバル韓国がウルグアイと対戦中!
しかしながら、開始10分も経たないうちに韓国が先制点を許してしまいました。
昨日も書きましたが、韓国は強豪国不在の幸運なブロックに入ったので、ベスト4も狙える絶好のチャンスだと思います。ぜひ後半頑張って欲しいですね。
※追記
残念ながら、韓国は1対2敗れてしまいました。それでも一度は同点に追いついたあたりに韓国の底力を見た気がします。
今回は韓国の健闘を祈り、カリフォルニア生まれの韓国系アメリカ人Hip-HopアーティストKero Oneの新作『Kinetic World』を紹介します。ジャジーHip-Hopファン待望の1枚でもあります。
韓国系アメリカ人MC/プロデューサーKero Oneの紹介は、彼が主宰するPlug Labelのコンピ『Kero One Presents:Plug Label』(2007年)、2ndアルバム『Early Believers』(2009年)に続き3回目となります。
『Kero One Presents:Plug Label』を『ezが選ぶ2007年の10枚』、『Early Believers』を『ezが選ぶ2009年の10枚』に選出したように、僕にとってのKero Oneは外れナシ!のジャジーHip-Hopアーティストといった位置付けですね。
前作『Early Believers』ではHip-Hopの枠を飛び越えたクロスオーヴァーなサウンドを披露してくれたKero Oneですが、Hip-Hopのフィールドにあえて踏み止まった作品となっています。特に本作では"アジアン・アメリカン"ラッパーとしての自身の立ち位置を強く意識している点が印象的です。
その意味では、サウンド以上にリリックにこだわった作品なのでは?
そんなリリックに連動して、サウンド面でもジャジー&メロウなテイストばかりではなく、ハード&シリアス・テイストさらにはエレクトロ路線のものもあり、従来のKero One作品とは少し異なる雰囲気がありますね。
"ジャジーHip-Hopから前作路線を強調したソウルフルHip-Hopへ"といった主旨の謳い文句が国内盤CDの帯に書かれていますが、僕には全くピンときません???
ジャジー&メロウなHip-Hop好き、従来のKero One作品がお好きな方は、最初少し戸惑うかもしれませんが、聴き重ねていくうちにジワジワとKero Oneらしさを楽しめると思います。
ゲストには韓国のHip-HopグループEpik HighのTablo、Othello、Dminor等が参加しています。
全曲紹介しときやす。
「Let Me Clarify」
オススメその1。アジアン・アメリカン・ラッパーKero Oneの強い決意が伺えるリリックと美しいピアノが響き渡るトラックが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=9jVACt9wYic
「Kinetic World」
タイトル曲はFashawnをフィーチャー。このトラックに限って言えば、ソウルフルなテイストを存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=wbFCXEt3qRo
「On Bended knee」
オススメその2。Sam Ockをフィーチャー。ジャジー&メロウなトラックと、小気味良さとソウルフル味わいが交錯するフロウがマッチしています。個人的には一番のお気に入りトラック。
http://www.youtube.com/watch?v=jngabM42dfw
「My Devotion」
オススメその3。エレクトロ路線のトラックにドキっとします。それでもBEPのような安易な売れ線狙いとは異なり、しっかりKero Oneワールドを展開しているのでご安心を!
「Missing You」
オススメその4。美しいピアノの音色が印象的なメロウ・ビーツ。やはり、Kero Oneファンはこういうトラックを聴きたいですよね。
「Time Moves Slowly」
The Tonesのヴォーカルをフィーチャーした哀愁モードのソウルフル・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=DkVQFsna-rI
「Let's Ride」
オススメその5。ジャジーなギター・ループが心地好いトラックと、オートチューンを使ったKero Oneの軽やかなヴォーカルが印象的です。
「Asian Kids」
Epik HighのTabloとMyk、Dumbfoundeadをフィーチャー。アジアン・アメリカンとしてのプライドを前面に打ち出したリリックが印象的です。そんなリリックを反映してトラックもシリアス&攻撃的な雰囲気です。個人的にはメロウ路線が好きなのですが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=5tsPyktaN6k
「The Fast Life」
オススメその6。女性シンガーEsna Yoonをフィーチャー。速く走りすぎる人生を立ち止まり、自分の志を再確認するKero Oneの姿があります。そんなKero Oneの真摯な姿勢をEsna Yoonのヴォーカルが優しく包んでくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=GPyrqtWZo3w
「We Stay Fly」
オススメその7。OthelloとDminorをフィーチャー。ポートランド出身のHip-HopグループLightheadedの活動でも知られているOthelloは当ブログでも『Classic』(2003年)、『Alive At The Assembly Line』(2006年)の2作品を紹介しているのでお馴染みですね。Dminorも前述の『Alive At The Assembly Line』をはじめ、The Residents『Open House』、Various Artists『LTYS-Listen To Your Soul』といった当ブログ紹介済みの作品に参加しているのでご存知の方も多いのでは?
そんな二人を迎えた本トラックは本作の中でも一番キャッチーな仕上がり。メロウなエレピとソウルフルなホーン・セクションが盛り上げてくれます。
「Remember All That」
ラストはSa-Ra Creative Partnersあたりを彷彿させるエレクトロ路線。本作を貫くKero OneのHip-Hop愛が歌われています。
国内盤のボーナス・トラックとして、当ブログでもお馴染みの日本人トラック・メイカーDJ Deckstreamによるリミックス「Remember All That (DJ Deckstream Remix) 」が収録されています。個人的にはオリジナル「Remember All That」よりもコチラのリミックスの方が好きです。
他のKero One作品もチェックを!
『Windmills of the Soul』(2005年)
Various Artists『Kero One Presents:Plug Label』(2007年)
『Early Believers』(2009年)
ありがとうございます。
新作Hip-Hopに関しては、ここ数年ジャジーHip-Hopが中心ですね。
探せば探すほど良い作品が多く際限ないので、そこそこで止めるようにしていますが(笑)
Bamboosは新作がでると試聴したり、中古ショップで見かけると気になったりするのですが、1枚も購入に至っていません(泣)