2010年07月03日

Cal Tjader『Amazonas』

Airto Moreiraプロデュース、George Dukeアレンジによるブラジリアン・フュージョン☆Cal Tjader『Amazonas』
Amazonas
発表年:1976年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フュージョン系ヴァイヴ
気分は... :ブラジル散る・・・

サッカーW杯、注目の準々決勝「ブラジル対オランダ」はオランダが逆転勝ち!
優勝候補No.1のブラジルが姿を消す結果となりました。

前半は圧倒的にブラジル優勢の展開だったので、まさか後半逆転されるとは思いませんでしたね。王国ブラジルでさえ、1つ歯車が狂うとガタガタと崩れてしまう・・・サッカーの怖さを思い知った試合でした。

一方、オランダはこれで勢いが増しましたね!
準決勝の相手(「ガーナ対ウルグアイ」戦の勝者)考えれば、決勝進出は堅いのでは!

今回は人気ヴァイブ奏者Cal Tjader(1925-1982年)の3回目の登場です。

『The Prophet』(1968年)、『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)に続いて紹介するのは、1976年リリースの『Amazonas』です。

ラテン・ジャズのイメージが強いCal Tjaderですが、本作『Amazonas』はプロデューサーAirto Moreira、アレンジャーGeorge Dukeという豪華な制作陣を迎えたブラジリアン・フュージョン作品に仕上がっています。

レコーディング・メンバーを見ると、本作がブラジリアン・フュージョン作品であることをさらに強く感じとれます。

Cal Tjader(vib、marimba)以下、David Amaro(g)、George DukeDawilli Gongaの変名で参加)(key)、Egberto Gismonti(p、syn)、Luiz Alves(b)、Robertinho Silva(ds、per)、Raul De Souza(tb)、Hermeto Pascoal(fl)、Aloisio Milanez(p)といったメンバーが参加しています。

全体的にクールな仕上がりがグッとくるアルバムだと思います。

ブラジル勝利を祝うセレクトになるはずだったのですが、まさか惜別のセレクトになるとは・・・

全曲紹介しときやす。

「Amazonas」
タイトル曲はJoao Donatoの名曲カヴァーです。当ブログではJoao Donato自身(アルバム『Quem e Quem』収録ヴァージョン)やAgustin Pereyra Lucenaのヴァージョンも紹介済みです。本ヴァージョンはムーグシンセのスペイシーな音色が印象的です。そんなサウンドの中で軽快に響くTjaderのマリンバも目立っています。
http://www.youtube.com/watch?v=sIPYTk8dk80 ※ノイズが多く聴きづらいです

TjaderとDonatoと言えば、以前に紹介した『The Prophet』(1968年)は二人のコラボ色が濃い作品でしたね。本曲をタイトルに持ってきたのも、そんな二人の絆の証なのでは?

「Xibaba」
Airto Moreira作品。ミステリアスな雰囲気が漂う仕上がりです。David AmaroのギターとTjaderのヴァイヴがクールでいい感じです。

「Mindoro」
Cal Tjader/Hermeto Pascoal作。Tjaderの格好良いマリンバを堪能できます。淡々とした演奏ですが、何か引き込まれるものがあります。後半は作者の一人Hermeto Pascoalのフルートも目立っています。

「Flying」
David Amaro作。メロウなフュージョン・サウンドにTjaderのヴァイヴが重なり、マイルドな味わいが増していい感じです。

「Corine」
George Duke作。ロマンチックなムードが漂う黄昏フュージョンに仕上がっています。個人的には本作で一番好きかも?

「Noa Noa」
Sergio Mendes作品のカヴァー。Raul De Souzaのトロンボーンをフィーチャーしたライトなブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。Tjaderのヴァイヴの鳴り具合もいい感じ!

「Tamanco No Samba」
Orlan Divo/Elton Medeiros作品のカヴァー。テンポの良いスリリングな展開にグッときます。

「Cahuenga」
Aloisio Milanez作。アルバムの中でも異色の演奏です。ブラジル音楽好きの人は結構気に入るのでは?作者Aloisio Milanezのピアノ、Robertinho Silvaのパーカッション、Hermeto Pascoalのフルートが目立っています。

CDにはボーナス・トラックとして「Cahuenga」のロング・ヴァージョンが収録されています。個人的にはなかなか楽しめたロング・ヴァージョンでした。

Cal Tjaderの過去記事もご参照下さい。

『The Prophet』(1968年)
ザ・プロフェット

『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
サウンズ・アウト・バート・バカラック(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 02:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
南米サッカー愛好者の私としてはブラジル&アルゼンチンの敗退は残念でしかたありません。が、今大会は決勝リーグに入ってもスペクタクルな試合が多いので満足しています。イニエスタのおしゃれなパスとテベスの魂の走りに感動しました。
『Sounds Out Burt Bacharach』はセンシティブな好盤ですね。
Posted by ドコドン at 2010年07月05日 11:11
☆ドコドンさん

ありがとうございます。

> ブラジル&アルゼンチンの敗退は残念でしかたありません。

そうですね。
それにしても若手とベテランが噛み合ったドイツのサッカーは素晴らしいですね。
今後の結果はわかりませんが、今大会で最も美しいサッカーをしているチームだと思います。
Posted by ez at 2010年07月05日 12:34
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