発表年:1976年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フュージョン系ヴァイヴ
気分は... :ブラジル散る・・・
サッカーW杯、注目の準々決勝「ブラジル対オランダ」はオランダが逆転勝ち!
優勝候補No.1のブラジルが姿を消す結果となりました。
前半は圧倒的にブラジル優勢の展開だったので、まさか後半逆転されるとは思いませんでしたね。王国ブラジルでさえ、1つ歯車が狂うとガタガタと崩れてしまう・・・サッカーの怖さを思い知った試合でした。
一方、オランダはこれで勢いが増しましたね!
準決勝の相手(「ガーナ対ウルグアイ」戦の勝者)考えれば、決勝進出は堅いのでは!
今回は人気ヴァイブ奏者Cal Tjader(1925-1982年)の3回目の登場です。
『The Prophet』(1968年)、『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)に続いて紹介するのは、1976年リリースの『Amazonas』です。
ラテン・ジャズのイメージが強いCal Tjaderですが、本作『Amazonas』はプロデューサーAirto Moreira、アレンジャーGeorge Dukeという豪華な制作陣を迎えたブラジリアン・フュージョン作品に仕上がっています。
レコーディング・メンバーを見ると、本作がブラジリアン・フュージョン作品であることをさらに強く感じとれます。
Cal Tjader(vib、marimba)以下、David Amaro(g)、George Duke(Dawilli Gongaの変名で参加)(key)、Egberto Gismonti(p、syn)、Luiz Alves(b)、Robertinho Silva(ds、per)、Raul De Souza(tb)、Hermeto Pascoal(fl)、Aloisio Milanez(p)といったメンバーが参加しています。
全体的にクールな仕上がりがグッとくるアルバムだと思います。
ブラジル勝利を祝うセレクトになるはずだったのですが、まさか惜別のセレクトになるとは・・・
全曲紹介しときやす。
「Amazonas」
タイトル曲はJoao Donatoの名曲カヴァーです。当ブログではJoao Donato自身(アルバム『Quem e Quem』収録ヴァージョン)やAgustin Pereyra Lucenaのヴァージョンも紹介済みです。本ヴァージョンはムーグシンセのスペイシーな音色が印象的です。そんなサウンドの中で軽快に響くTjaderのマリンバも目立っています。
http://www.youtube.com/watch?v=sIPYTk8dk80 ※ノイズが多く聴きづらいです
TjaderとDonatoと言えば、以前に紹介した『The Prophet』(1968年)は二人のコラボ色が濃い作品でしたね。本曲をタイトルに持ってきたのも、そんな二人の絆の証なのでは?
「Xibaba」
Airto Moreira作品。ミステリアスな雰囲気が漂う仕上がりです。David AmaroのギターとTjaderのヴァイヴがクールでいい感じです。
「Mindoro」
Cal Tjader/Hermeto Pascoal作。Tjaderの格好良いマリンバを堪能できます。淡々とした演奏ですが、何か引き込まれるものがあります。後半は作者の一人Hermeto Pascoalのフルートも目立っています。
「Flying」
David Amaro作。メロウなフュージョン・サウンドにTjaderのヴァイヴが重なり、マイルドな味わいが増していい感じです。
「Corine」
George Duke作。ロマンチックなムードが漂う黄昏フュージョンに仕上がっています。個人的には本作で一番好きかも?
「Noa Noa」
Sergio Mendes作品のカヴァー。Raul De Souzaのトロンボーンをフィーチャーしたライトなブラジリアン・フュージョンに仕上がっています。Tjaderのヴァイヴの鳴り具合もいい感じ!
「Tamanco No Samba」
Orlan Divo/Elton Medeiros作品のカヴァー。テンポの良いスリリングな展開にグッときます。
「Cahuenga」
Aloisio Milanez作。アルバムの中でも異色の演奏です。ブラジル音楽好きの人は結構気に入るのでは?作者Aloisio Milanezのピアノ、Robertinho Silvaのパーカッション、Hermeto Pascoalのフルートが目立っています。
CDにはボーナス・トラックとして「Cahuenga」のロング・ヴァージョンが収録されています。個人的にはなかなか楽しめたロング・ヴァージョンでした。
Cal Tjaderの過去記事もご参照下さい。
『The Prophet』(1968年)
『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)
『Sounds Out Burt Bacharach』はセンシティブな好盤ですね。
ありがとうございます。
> ブラジル&アルゼンチンの敗退は残念でしかたありません。
そうですね。
それにしても若手とベテランが噛み合ったドイツのサッカーは素晴らしいですね。
今後の結果はわかりませんが、今大会で最も美しいサッカーをしているチームだと思います。