発表年:1999年
ez的ジャンル:シカゴ音響派SSW作品
気分は... :セピアな感じで
W杯はスペインが勝ち上がり、何とかベスト4に残りましたね。
パラグアイ戦の後半にペドロ、セスクを投入し、ビジャ、イニエスタ、シャビ、ブスケッツらと並んだ布陣は、バルサ・ファンにはたまらない光景でしたね。勝手にセスクがバルサに移籍したら・・・なんて妄想をしていました。個人的にはこの布陣でドイツ戦にも臨んで欲しいですね。クラブで培ったコンビネーションは大きな武器となると思います。
今日はかなり疲労困憊しており、あまりガチャガチャした音は聴きたくない気分です。
こんな気分の時、最近の僕ならばブラジルものへ行くのですが、今日はポスト・ロックが聴きたい気分・・・
そこでセレクトしたのはシカゴ音響派周辺の活動で知られるギター奏者Archer Prewittの2ndソロ『White Sky』(1999年)です。
Archer Prewittは1963年ケンタッキー州生まれ。カンザス・シティで80年代半ばより音楽活動を行い、本作にも参加しているMark GreenbergらとThe Coctailsを結成します。グループは1991年にシカゴへ拠点を移し、5枚のアルバムを制作した後に解散します。Prewittはそれと前後して、Sam Prekop、John Mcentire、Archer Prewitt、Eric Claridgeと結成したThe Sea and Cakeに参加しています。Sam Prekopはカンザス・シティの学校時代の友人でした。
さらにソロ活動も開始し、これまで『In the Sun』(1997年)、『White Sky』(1999年)、『Three』(2002年)、『Wilderness』(2005年)といったソロ・アルバムをリリースしています。
詳しくは知りませんが、漫画家としても活動しているようですね。
さて、本作『White Sky』ですが、ストリングスやホーンを使ったアレンジが目立ちます。それでもカラフルにならずセピアなトーンの仕上がりが、Archer Prewittというアーティストらしいかもしれません。
何か際立ったものを感じるアルバムではありませんが、その地味で淡々とした中に深みを感じたりします。
全曲紹介しときやす。
「Raise On High」
淡々とした中にはも力強さを感じるオープニング。ストリングスとホーンが鳴り響く華やかな仕上がりです。適度に毒がある感じがらしいかも?
「Shake」
フォーク・ロックな味わい。乾いた中にも優しげな空気が流れているのがいいですね。ホーン隊が盛り上げる後半はソウルフルだったりします。
「White Sky」
タイトル曲はインスト。セピア色の哀愁漂う感じがいいですね。
「Summer's End」
寂しげなフルートの音色とヴォーカルが印象的です。終盤の盛り上がりを聴いていたら、昔プログレを聴いた時の高揚感を思い出しました。
「Last Summer Days」
フォーキーなSSW的味わいの仕上がり。今日の僕はこういう淡々とした音と歌を聴きたいのかも?
「Walking On The Farm」
淡々とした哀愁モードが疲れきった今の僕には実に心地好く聴こえます。このまま眠ってしまいたい・・・
「Motorcycles」
アルバムの中では最もキャッチーな仕上がりかもしれませんね。躍動感の中に漂うレイジーな雰囲気が好きです。
「Final Season」
美しさの中の寂しさにグッときます。疲れた心身を優しく包んでくれる・・・
「I'll Be Waiting」
ラストはフォーキー・チューンで穏やかに締め括ってくれます。味噌汁を飲んだ時のようなホッとした気分になれるのがいいですね。
国内盤には「Southern Wall」、「Coleman」、「Meant To Be」、「Under The Feeling」という4曲のボーナス・トラックが追加収録されています。疲れを癒すという点では、美しいアコースティック・チューンが並んだ追加4曲がいいんですよね。
『In the Sun』(1997年)
『Three』(2002年)
『Wilderness』(2005年)
Sam Prekop『Sam Prekop』(1999年)
The Sea and Cake『Oui』(2000年)