2010年07月11日

Vinicius Cantuaria『Samba Carioca』

Arto Lindsayプロデュース、Marcos Valle、Joao Donato参加の新作☆Vinicius Cantuaria『Samba Carioca』
サンバ・カリオカ
発表年:2010年
ez的ジャンル:深化した大人のブラジル音楽
気分は... :今夏のオススメ!

今回はブラジルのベテラン男性シンガー/ギタリストVinicius Cantuariaの新作『Samba Carioca』です。

Vinicius Cantuariaは1951年、ブラジル、アマゾナス州マナウス生まれのシンガー/ソングライター/ギタリスト/ドラマー。

60年代終わりにロック・バンドO Tercoのドラマーとしてプロのミュージシャンのキャリアをスタートさせます。以前に紹介したMarcos ValleO Tercoの共演作『Vento Sul』にもドラマーとして参加しています。

その後Caetano Velosoのバック・バンドのメンバーを務めた後、1982年に初ソロ・アルバム『Vinicius Cantuaria』をリリースしています。

1994年にN.Y.へ移住。そこでArto Lindsayと出会い、Artoの『The Subtle Body (O Corpo Sutil)』(1995年)を共同プロデュース。これを機に坂本龍一とも交流を持つようになり、日本人アーティストの作品にも参加するようになります。

今回紹介する『Samba Carioca』は彼にとって15枚目のソロ作となります。

盟友Arto Lindsayがプロデュースし、N.Y.とリオの2箇所でレコーディングが行われました。

レコーディング・メンバーは、Vinicius Cantuaria(g、vo、ds、key、per)以下、Brad Mehldau(p)、Marcos Valle(p)、Joao Donato(p)Bill Frisell(g)、
Paulo Braga(ds)、Luiz Alves(b)、Liminha(b)、Dadi(g)、
Sidinho(per)、Jesse Sadock(flh)という、なかなか豪華な顔ぶれです。いずれもViniciusと交流のあるメンバーが好サポートしています。

アコースティックな味わいの中にViniciusらしいアンビエントな隠し味の効いた、深化した大人のブラジル音楽を堪能できます。

夏に向けてブラジル音楽をお探しの方へ、ぜひオススメしたい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Praia Grande」
Vinicius Cantuaria/Marcos Valle作のオープニング。爽快かつ軽やかでありながら、エレガントな雰囲気も漂うサンバ・チューンです。ViniciusとMarcosの色がそれぞれ上手くブレンドしていると思います。

「Berlin」
Vinicius Cantuaria作。Viniciusのウエットなヴォーカル&ギターとBrad Mehldauの美しいピアノらが創り出すサウダージな音空間がグッときます。

「Vagamente」
Wanda Sa(Wanda De Sah)でお馴染みのRoberto Menescal/Ronaldo Boscoli作の名曲カヴァー。キュートなWanda Saのヴァージョンの印象が強い曲ですが、ここでは落ち着いた大人の「Vagamente」を堪能できます。Jesse Sadockのフリューゲル・ホーンがロマンチック・ムードを盛り上げてくれます。

「Inutil Paisagem」
邦題「無意味な風景」。Antonio Carlos Jobimの名曲カヴァー。当ブログではこれまでTenorio Jr.Quarteto Em CyTitaのヴァージョンを紹介しています。偶然かもしれませんが、「Vagamente」、「Inutil Paisagem」とWanda Sa『Vagamente』収録曲が続きましたね。本ヴァージョンはクールな中にも男の色気が漂います。

「Julinha De Botas」
Vinicius Cantuaria作。ViniciusとBill Frisellのギターが小気味良く絡み合うインスト。

「Fugiu」
Vinicius Cantuaria/Arto Lindsay作。美しいボッサ・チューンです。シンプルだけど実に奥深いですな。Joao Donatoもピアノで盛り上げてくれます。

「Orla」
Vinicius Cantuaria/Liminha/Marcos Valle/Dadi作。暑さで火照った体をクールダウンさせてくれるような仕上がりです。さり気ないですが、素晴らしいアンサンブルを堪能できます。

「Conversa Fiada」
Vinicius Cantuaria作。哀愁モードながらも力強いサウンドが刻まれるサンバ・チューンです。

「So Ficou Saudade」
Paulo Sergio Valle/Vinicius Cantuaria作。ラストはタイトルの通り、サウダージ気分の美しい演奏を堪能できます。大人のサウダージ・サウンドといった趣がたまりません。Bill Frisellのギターが素晴らしい!この夏のへヴィ・ロテになるかも!

興味がある方は、他のVinicius Cantuaria作品もチェックしてみて下さい。

『Sol Na Cara』(1996年)
Sol Na Cara

『Tucuma』(1999年)
トゥクマ

『Vinicius』(2001年)
ヴィニシウス

『Horse and Fish』(2004年)
Horses & Fish

『Silva』(2005年)
Silva

『Cymbals 』(2007年)
Cymbals
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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