2010年07月17日

Wendy & Bonnie『Genesis』

Flower姉妹によるソフトロック名盤。Gary McFarlandプロデュース☆Wendy & Bonnie『Genesis』
Genesis
発表年:1969年
ez的ジャンル:10代姉妹系ソフトロック
気分は... :今日はリフレッシュ!

今日は7月に入って初めてのオフです(というか無理矢理オフにしました)。
とにかく今日はリフレッシュに努めマ〜ス!

今回はソフトロック好きにはたまらないWendy & Bonnie唯一のアルバム『Genesis』(1969年)です。

Wendy & Bonnieはサンフランシスコ出身のWendy FlowerBonnie Flowerによる姉妹デュオ。本作が発売された当時、姉Wendyは17歳、妹Bonnieは13歳でした。

ジャケ写真のイメージより、男女デュオだと長い間勘違いしていました(笑)
ちなみにジャケ前方に写るブロンドのロングヘアーが姉Wendy、後方のボーイッシュな女の子がBonnieです。

WendyとBonnieの両親もミュージシャンであり、当ブログでもお馴染みのヴァイヴ奏者Cal Tjaderと知り合いだったようです。そのCal TjaderがWendyとBonnieが参加していたCrystal Fountainというグループの音源に興味を持ち、同じくヴァイヴ奏者のGary McFarlandが総帥を務めていたSkyeレコードに紹介したのが、本作制作のきっかけだったようです。

当ブログで紹介したCal Tjaderの『Sounds Out Burt Bacharach』(1968年)もSkye殻のリリースでしたね。

さて、本作『Genesis』ですが、プロデュースは総帥Gary McFarlandが務め、バックにはLarry Carlton(g)、Jim Keltner(ds)といった名うてのミュージシャンも参加しています。

Flower姉妹の才能と可能性を実感できる素晴らしいアルバムですが、その直後のSkyeの倒産、Gary McFarlandの急死といった不幸も重なり、当時の音楽シーンで本作やFlower姉妹が注目されることは殆ど無かったようです。それでも二人の才能を認めていたCal Tjaderは自身のアルバム『Agua Dulce』、『Tjader』に姉妹を参加させていましたが・・・・

90年代に入り再評価が高まったことで、ようやく"ソフトロック幻の名盤"が表舞台に出てきました。本作に限らず、ソフトロックの名盤は大体このパターンですけど(笑)

意外とStereolab好きの人がハマるソフトロック作品だと思います。

CDにはボーナス・トラックとして、Crystal Fountain時代の音源や幻に終わった2ndアルバム用のデモ音源も収録されています。

Flower姉妹とGary McFarlandが創り出す、美しく不思議な音世界にどっぷり浸りたい気分です!

全曲紹介しときやす。

「Let Yourself Go Another Time」
オープニングは本作のハイライト。サンフランシスコらしいフラワー・モードのオルガン・グルーヴに乗って、二人が魅惑のハーモニーを聴かせてくれます。ソフトロックのみならず、モッドなオルガン・ジャズ好きもグッとくるクールな仕上がりです!
http://www.youtube.com/watch?v=wes7sv0RkN8

「The Paisley Window Pane」
シングルにもなった1曲。アシッドな味わいのフォーキー・チューン。ペイスリー・サウンドの中にピュア・ハーモニーがじんわり溶け込んでいく感じにグッときます。シングルカットしたのも頷ける素晴らしい出来栄えです!

「I Realized You」
Flower姉妹のピュアな魅力とSkyeらしいポップス感覚とサンフランシスコらしいフラワーな雰囲気が見事に融合した1曲だと思います。

「By The Sea」
夢と現実の狭間を行き来するような、美しくも不思議な音世界へと誘われます。こういった素朴な雰囲気がFlower姉妹には似合いますね。
http://www.youtube.com/watch?v=mwHw6jo1E3M

「You Keep Hanging Up On My Mind」
「Let Yourself Go Another Time」と並ぶハイライト。表情豊かなハーモニーに魅了されるソフトロック好きにはたまらない仕上がり。後半はかなりロックしています。

「It's What's Really Happening」
いかにもサンフランシスコなサイケ・ソフトロックに仕上がっています。推進力のあるバッキングに牽引され、二人のハーモニーが音空間を所狭しと浮遊します。
http://www.youtube.com/watch?v=ViMNXRAKGtk

「Five O'Clock In The Morning」
タイトルからしてこの時代らしい浮遊感漂うサイケ・チューン。早朝からトリップ・ワールドへ・・・

「Endless Pathway」
動きのあるベースがグイグイと魅惑のハーモニーをナビゲートします。さり気ないけど、Flower姉妹の美しいハーモニーを存分に堪能できます。

「Children Laughing」
夢の中の不思議なチルドレン・ワールド!といった趣です。聴いていると、続けてStereolabが聴きたくなります。

「The Winter Is Cold」
ラストは軽やかな中にも妖しげな雰囲気が漂います。60年代ロックのエッセンスとFlower姉妹の美しいハーモニーが上手く融合した素晴らしい出来栄えだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=pxzvdLSi5AA

前述のようにCDのボーナス・トラックとして、Crystal Fountain時代の「The Night Behind Us」 、幻となった2ndアルバム用のデモ音源「The Ice Cream Man Song」「December Sun」「Cover Our Child」「Story Of A Conventional Man」が収録されています。

一時期、Prince殿下のバックバンドRevolutionのメンバーであったWendy & LisaのWendyと、Wendy & BonnieのWendyが同一人物である!なんて誤った情報も飛び交っていましたね(笑)

"以前紹介したThe Gentle Soul『The Gentle Soul』(1968年)あたりとセットで聴くのも良いのでは?"と書こうと思ったら、『The Gentle Soul』は未紹介でした。これだけ多くの作品を扱ってくると、勝手に紹介済みと思い込んでいる未紹介作品がかなりあるかもしれません(汗)

『The Gentle Soul』もそのうち紹介します。

The Gentle Soul『The Gentle Soul』(1968年)
Gentle Soul
posted by ez at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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