発表年:1993年
ez的ジャンル:バカンス系Acid Jazz
気分は... :ポジティブに行こう!
ギタリスト/マルチプレイヤー/プロデューサーであるJean-Paul 'Bluey' Maunick率いるIncognitoの2回目の登場です。
『Tribes, Vibes And Scribes』(1992年)に続いて紹介するのは、1993年リリースの『Positivity』です。
90年代から今日までコンスタントに作品をリリースし続けるIncognitoですが、グループの黄金期は『Tribes, Vibes And Scribes』(1992年)、『Positivity』(1993年)の2枚でしょうね。
アシッド・ジャズ・ブーム、Maysa Leakという希代の女性ヴォーカリストの在籍、J.P. "Bluey" Maunickの創作意欲等の条件が重なり、充実した作品をリリースし続けたのがこの時期のIncognitoでした。
僕も勿論リアルタイムでこれらの作品を聴いていましたが、『Positivity』の日本での人気ぶりには正直驚き、逆に少し引き気味になっていた記憶があります。
今日改めて聴いてみてると、名曲「Still A Friend Of Mine」をはじめ、単なる流行もので終わっていない魅力的なアルバムであることを再認識させられます。
本作におけるグループのメンバーは、Maysa Leak(lead vo)、Mark Anthoni(lead vo)、Sarah Brown(supporting vo)、Richard Bailey(ds)、Thomas Dyani(per)、Randy Hope Taylor(b)、Patrick Clahar(ts、ss)、Fayyaz Virji(tb)、Kevin Robinson(tp、flh)、Graham Harvey(key)、Peter Hinds(key)、J.P. "Bluey" Maunick(g、vo、key、b、programming)の12名。
その12名のメンバーがそれぞれポーズをキメて、ジャケの表裏に6名ずつ写っています。これは以前に当ブログの特別企画記事でもご紹介した通り、Chico Hamilton Quintet『Blue Sands』(1955年)のジャケを模したものです。
Chico Hamilton Quintet『Blue Sands』(1955年)
今日では過小評価されがちなグループですが、先入観なしに聴くと魅了されること間違いナシなアルバムです。
全曲紹介しときやす。
※盤によって曲順等が一部異なります。
ここではUKのオリジナルCDの曲順で紹介します。
「Still A Friend Of Mine」
オススメその1。シングル・カットもされた本作のキラー・チューン。グループを代表する人気曲ですね。僕も本作のジャケを眺めると、真っ先に本曲のメロディが頭の中で流れてきます。キャッチーなメロディ、Maysa Leakの素晴らしいヴォーカル、爽快なライト・グルーヴ全てが噛み合った完璧な仕上がり!今聴いてもその魅力が全く色褪せないエヴァーグリーンな名曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=WlpQMvHoFCk
「Smiling Faces」
ラテン・フレイヴァーのライト・タッチなジャズ・ファンク・チューン。Patrick Claharのソプラノ・サックス・ソロがなかなかグッときます。
「Where Do We Go From Here」
オススメその2。今回久々に聴き返して、"この曲こんなに良かったっけ?"とサプライズだった曲。バカンス・モードのライト・グルーヴはこれからの季節にピッタリ!
「Positivity」
オススメその3。タイトル曲はこの時期のUKらしいクラブ・テイストのアーバン・グルーヴ。軽くグラウンドビート調な感じが大好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=T1Akny2e_HY
「Deep Waters」
哀愁モードのミッド・チューン。憂いを持ったMaysa Leakのヴォーカルを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=b8KlOZEgtKs
「Pieces Of A Dream」
オススメその4。個人的には「Still A Friend Of Mine」に次ぐお気に入り!夜の街に繰り出したくなるエレガントに洗練されたグルーヴ感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=7LiDRI-Qy2c
「Talkin' Loud」
いかにもアシッド・ジャズなジャズ・ファンク・チューン。今聴くと、このタイプは多少ワンパターンに聴こえますが・・・
「Thinking 'Bout Tomorrow」
オススメその5。スリリングなリズム隊にグッとくるインスト・チューン。インスト・チューンではこの曲が一番好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8lLAvZxC3pQ
「Do Right」
オススメその6。Ray Haydenがミックスを担当。Ray Haydenらしいクラブ仕様のダンス・チューンに仕上がっています。当時のUKクラブ・ミュージックがお好きな人であればグッとくるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=gNypuZInzLI
「Inversions」
ストリングを配したフュージョン調のインスト。
「Better Days」
オススメその7。Kevin Robinsonのミュート・トランペットをフィーチャーしたインスト。実はミュート・トランペット入りのクラブジャズって大好きなんです(笑)
「Keep The Fires Burning」
パーカッシヴなミッド・チューン。当時Caron Wheeler、EFUA等こういうエスニックな雰囲気の曲って結構ありましたよね。
「Givin' It Up」
オススメその7。Roger Sanchezがリミックスしたハウス調のダンス・チューン。当時乗りに乗ってていたRoger Sanchezの勢いを感じる仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=CckGg7sRu3Q
「Still A Friend Of Mine (Acapella) 」
「Still A Friend Of Mine」のア・カペラ・ヴァージョンです。
『Tribes, Vibes And Scribes』(1992年)
日本でも彼らに影響を受けただろうクリエーターM−SWIFT。なかなかいいっす。
http://www.traxsource.com/index.php?act=show&fc=tpage&cr=titles&cv=37508
ありがとうございます。
> Bluey's Mixがめちゃくちゃカッコイイんですよねぇ〜。
ラガ調のMCとが入ってもハマりそうなリミックスですね。
ありがとうございます。
当時あまりにもIncognitoの人気が高かったので、
もう少し脇のD-Influenceの方を良く聴いていました。
シーンの流れと関係なく、我が道を行くBlueyですね。
Blueyの息子DJ Venom(Daniel Maunick)もプロデューサーとして頑張っていますね。