2010年07月22日

Bobby Caldwell『Cat In The Hat』

ミスターAORの2nd。名曲「Open Your Eyes」収録☆Bobby Caldwell『Cat In The Hat』
ロマンティック・キャット(紙ジャケット仕様)
発表年:1980年
ez的ジャンル:ミスターAOR
気分は... :マイアミの風!

"ミスターAOR"Bobby Caldwellの3回目の登場です。

『Bobby Caldwell』(1978年)、『Carry On』(1982年)に続いて紹介するのは、1980年リリースの2nd『Cat In The Hat(邦題:ロマンティック・キャット)』です。

やはりBobby Caldwellと言えば、『Bobby Caldwell』『Cat In The Hat』『Carry On』(1982年)の3枚に尽きるという気がします。

この頃の日本での人気の高さは凄まじかったですよね。
ビルボードTop40をチェックするようになっていた当時中学生の僕は、アメリカでは大して売れていないのに、日本で何故こんなに人気があるのだろうと不思議に思ったものです。

本作『Cat In The Hat』発売直後に所属するT.K.レコードが倒産してしまい、Bobbyにとって商業面では必ずしもハッピーな時期では無かったようです。しかし、音楽面では前作『Bobby Caldwell』の好調ぶりを持続しています。

「What You Won't Do For Love」のようなキラー・チューンはありませんが、アルバム全体として充実した内容になっています。

さらにHip-Hopファン必聴の「Open Your Eyes」が収録されているのも嬉しいですね。

プロデュースはBobby Caldwell自身とSteve Kimball。演奏面ではBobbyがマルチ・プレイヤーとしてかなりの部分を一人で演奏していますが、George "Chocolate" Perry(b)、Ed Greene(ds)、Joe Galdo(ds)、Andy Newmark(ds)等のサポート・メンバーも参加しています。

やはり、Bobby Caldwellのアルバムは他のAOR作品にはないマイアミの風が吹いています。それが実に心地好い・・・

全曲紹介しときやす。

「Coming Down From Love」
邦題「センチメンタル・サンダウン」。アルバムからシングル・カットされ、全米チャート第42位となりました。彼らしい洗練されたブルー・アイド・ソウルに仕上がっています。力まない余裕たっぷりのヴォーカルが大好きです。Murs & 9th Wonder「Barbershop」でサンプリングされています。
http://www.youtube.com/watch?v=k76-l2eWKrU

「Wrong Or Right」
AORファンはグッとくるアーバンな疾走感が魅力です。さすがミスターAORといった仕上がりの1曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=GjgcK0c4yOY

「To Know What You've Got」
哀愁モードのメロディアスなAORチューン。前曲に続きAOR気分を満喫できます。
http://www.youtube.com/watch?v=A8XlKjar5do

「You Promised Me」
Steely Dan「Haitian Divorce」(アルバム『The Royal Scam』収録)からインスパイアされて作った1曲。そう言われれば、レゲエ調であった「Haitian Divorce」をトロピカル調にした雰囲気ですよね。Bobby節を堪能できる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=4Hkun1Neq9I

Steely Dan「Haitian Divorce」
 http://www.youtube.com/watch?v=ATTU-g_hiNk

「It's Over」
タイトなサウンドが印象的なミッド・チューン。Bobbyのファルセット・ヴォーカルを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=51Qn_sC86nU

「Open Your Eyes」
今日的には本作のハイライトかもしれませんね。僕にとっても一番のお気に入り曲です。アーバン・テイストの中にもハートウォームな温もりを感じるメロディアスなバラード。バックがシンプルな分、Bobbyのソウルフルなヴォーカルを堪能できるのがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=bi8O_uRpelQ

本曲を有名にしたのは、当ブログでも紹介したCommon「The Light」でしょうね(アルバム『Like Water For Chocolate』収録)。故Jay Dee(J Dilla)のベストワークとも呼びたい作品で、「Open Your Eyes」が効果的にサンプリングされています。それ以外にDwele(あるいはPlatinum Pied Pipers名義)のカヴァーも忘れられませんね。最近リリースされたDJ Asparagusによるトライバル・ビートなハウス・リミックスも要チェックです。

Common「The Light」
 http://www.youtube.com/watch?v=W_-qRcHAhzk
Dwele「Open Your Eyes」
 http://www.youtube.com/watch?v=KA6NlwBFtLs

「Mother Of Creation」
アルバムの中では地味な存在ですが、なかなか小粋なAORに仕上がっています。いかにもマイアミ産AORって雰囲気が僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=vIcln0YH1qg

「I Don't Want To Loose Your Love」
ラストは素敵なバラードで締め括ってくれます。実は「Open Your Eyes」次いで好きな曲です。『What You Won't Do For Love』のラストを飾った「Down For The Third Time」もそうでしたが、アルバムの余韻に浸れる締め括り方が心憎いですね。

『Bobby Caldwell』(1978年)
イヴニング・スキャンダル

『Carry On』(1982年)
シーサイド・センチメンタル(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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