発表年:1977年
ez的ジャンル:フィリー・ソウルの歌姫
気分は... :自分で解決しないとね!
今回はフィリー・ソウルの歌姫Jean CarnのPIR第一弾アルバム『Jean Carn』(1977年)です。
Jean Carn(本名:Sarah Jean Perkins)は1947年ジョージア州コロンバス生まれ。
幼い頃から音楽を学んでいたJeanでしたが、本格的に音楽の道を志すようになった頃に、ジャズ・ピアニストDoug Carnと出会い、程なく公私に渡るパートナーとなった二人は結婚し、Black Jazzレーベルから3枚のアルバムをリリースします。そのうちの1枚『Revelation』(1973年)は当ブログでも紹介済みです。また、Earth,Wind & Fireの最初の2枚のアルバムでもJeanの声を聴くことができます。
Doug Carn feat.Jean Carn「Infant Eyes」
http://www.youtube.com/watch?v=38OXtiRZ2ig
Doug Carn feat.Jean Carn「Revelation」
http://www.youtube.com/watch?v=s9pZoRhRQA4
やがてDoug Carnと別れたJeanは、セッション・ヴォーカリストとして活躍するようになります。そんな中、Norman Connors『Saturday Night Special』(1975年)でMichael Hendersonとデュエットした「Valentine Love」が、Jeanにとって大きな転機となりました。
Norman Connors feat. Michael Henderson & Jean Carn「Valentine Love」
http://www.youtube.com/watch?v=moICyNJpd7Q
それまでジャズのフィールドが活動の中心であったJeanでしたが、「Valentine Love」のヒット(全米R&Bチャート第10位)でソウル・シンガーとして注目されるようになり、Gamble & HuffのPhiladelphia International Records(PIR)とのソロ契約に成功します。
そして、PIRを代表する女性シンガーとして、『Jean Carn』(1977年)、『Happy To Be With You』(1978年)、『When I Find You Love』(1979年)、『Sweet And Wonderful』(1981年)という4枚のアルバムをリリースしています。
その後、Motownから『Trust Me』(1982年)、Atlantic系のレーベルから『Closer Than Close』(1986年)、『You're A Part Of Me 』(1988年)といったアルバムをリリースしています。特に『Closer Than Close』からのシングル「Closer Than Close」はJean初の全米R&BチャートNo.1に輝きました。この時期にJeanは"Carn"から"Carne"へとアーティスト名を変えています。
Jean Carne「Closer Than Close」
http://www.youtube.com/watch?v=o4SIhVVr0_I
今回紹介するPIR第一弾アルバム『Jean Carn』(1977年)は、総帥Gamble & Huffをはじめ、Dexter Wansel、McFadden & Whiteheadという後のPIRを支えることとなる強力プロデューサー陣が制作を手掛けています。
ヒット曲「Free Love」ばかりが注目されますが、アルバム全体としてもなかなか楽しめる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Free Love」
本作のハイライト。シングルとして全米R&Bチャート第23位となったダンス・クラシック(Gamble & Huff作)。PIRの歌姫Jeanに相応しい最高のフィリー・ダンサーをGamble & Huffが用意したといった感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=TNIwvZ08lVA
「No Laughing Matter」
笑い事では済まされないシリアスな(?)ラブソング。何処となく切ない思いが込み上げるミディアム・スロウに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=5-S-OjeNARA
「I'm In Love Once Again」
Dexter Wansel作/プロデュース。哀愁モードのメロディアスなラブソングです。
http://www.youtube.com/watch?v=T0AhctaXpA0
「Don't You Know Love When You See It」
McFadden & Whiteheadがソングライティングで参加している哀愁モードのバラード。Jeanの歌唱力を存分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=klgR0r7DQ6Q
「Where Did You Ever Go」
Dexter Wansel作/プロデュース。ライナーノーツにも書いてありましたが、ミュージカルの挿入歌を連想させる壮大なバラードです。
http://www.youtube.com/watch?v=U7Z_UkagASs
「You Are All I Need」
Dexter Wansel作/プロデュース。海辺の効果音と共に始まる哀愁メロウ・チューン。Dexter Wansel絡みの3曲の中では一番好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=y4oXZk2Itws
「If You Wanna Go Back」
Gamble & Huff作のキャッチーなダンス・チューン。ディスコ/ソウル系のコンピ・アルバムにも収録されているダンス・クラシックです。Gamble & Huffの曲作りの巧みさとJeanのヴォーカルの魅力が上手く結びついた名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=-BHKolyftTA
「You Got A Problem」
個人的には「Free Love」、「If You Wanna Go Back」に次いで好きなダンス・チューン。聴いているとポジティヴな気分になれるのがいいですね。問題は自分で解決しないとね!
http://www.youtube.com/watch?v=jWDfWKwF_8M
「Time Waits For No One」
McFadden & Whitehead作/プロデュース(実際にはVictor Carstarphen加えた3名)。イントロがフィリーらしくてグッときますね。派手さはありませんでが、魅力的なダンス・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=LyNsgH9MNF4
最近、『Trust Me』(1982年)も初CD化されました。