発表年:2010年
ez的ジャンル:UKジャズ・ファンク系クロスオーヴァー・ジャズ
気分は... :進化し続ける!
今回はUKジャズ・ファンク界の人気ギタリストEddie Robertsが女性R&BシンガーFrecklesをフィーチャーした新作アルバムEddie Roberts & Freckles『Move』です。
Eddie Robertsは1971年ウェールズ、スウォンジー生まれのギタリスト/プロデューサー。
リーズ音楽大学在学中の1989年に結成したThe Jazz Mailmenを皮切りに、The Eddie Roberts Organisation、The Three Deuces、The Mastersounds等のグループを経て、1999年にSimon Allen(ds)、Pete Shand(b)、Bob Birch(org、key)とジャズ・ファンク・グループThe New Mastersounds(NMS)を結成します。
The New Mastersoundsは、ディープ・ファンク・ファンにはお馴染みのDJであるKeb Dargeのプロデュースにより、1stアルバム『Keb Darge Presents The New Mastersounds』(2001年)をリリースします。
その後、自身のレーベルOne Note Recordsを設立し、『Be Yourself』(2003年)、『This Is What We Do』(2005年)、『Live at la Cova』(2006年)、『102%』(2007年)、『Plug & Play』(2008年)、『Live in San Francisco』(2008年)、『Ten Years On』(2009年)といったアルバムをリリースしています。2007年にはBob Birchが脱退し、Joe Tatton(org、key)が加入しています。
さらにNMSの活動の傍らで勢力的にソロ活動も行い、『Roughneck』(2004年)、『Trenta』(2007年、The Eddie Roberts Quintet名義)といったアルバムをリリースしています。
どうしてもNMSのディープ・ファンクのイメージが強い人ですが、本作『Move』では全曲でFrecklesの女声ヴォーカルをフィーチャーし、NMSとは異なるクロスオーヴァー・ギター・ジャズを聴かせてくれます。ニュー・ジャズ寄りのダンス・チューンも多く、従来とは異なるファン層にもアピールする作品に仕上がっています。
今回フィーチャーされているFrecklesは1983年リーズ生まれの女性R&Bシンガー。Rhiannaのアーティスト名で2002年にはソロ・アルバム『Get On』をリリースしています。同名のアーティストのRhiannaが大ブレイクしてしまったため、今回はFrecklesのアーティスト名を用いている模様です。彼女の兄であるLSKもプロデューサー/ソングライター/シンガーとして2000年代初めUK音楽シーンで活躍していました。
Frecklesが2002年にUKシングル・チャート第18位となったデビュー・シングル「Oh Baby」をプロモートしている時、バックでギタリストを務めていたのがEddie Robertsだったそうです。今回、ヴォーカル入りアルバムにしようと決意したEddieがFrecklesに歌詞を依頼し、二人が共演する運びとなりました。
レコーディングにはEddie RobertsとFrecklesの二人以外にBill Laurance(p)、Neil Innes(b)、Gordon Kilroy(ds)、Malcolm Strachan(tp)、Rob Lavers(ts)が参加しています。
進化を続けるEddie Robertsの意欲を感じるダンサブルなクロスオーヴァー・サウンドをご堪能あれ!
全曲紹介しときやす。
「I Can't Stand You」
スウィングとハウスが融合したニュー・ジャズ・チューン。ハウシーなビートとアコースティック・ベースの絡みにグッときます!
「Fearless」
クラブ・ミュージック好きの人は気に入るであろうドラムンベース調のクロスオーヴァー・チューン。Eddieのギターも音空間を駆け巡ります。
「Got Too Much」
Frecklesのヴォーカルのキュートな魅力を堪能できるソウル・ジャズ・チューン。"21世紀のGeorge Benson"とでも呼びたくなるEddieのギターが冴え渡ります。
「There's No Change」
軽快なブラジリアン・グルーヴ。ブラジリアン・ジャズといった雰囲気にグッときます。
「How Long」
爽快メロウ・グルーヴ。本曲にFrecklesが歌詞をつけたことが本アルバム制作のきっかけとなったようです。爽やかな中にもどこかミステリアスな魅力があります。
「Roses」
「I Can't Stand You」同様、スウィンギー&ハウシーな仕上がり。スウィングとハウスがこんなにマッチするなんて驚きですね。
「Nomad」
スピード感が魅力のバトゥカーダ・テイストのクロスオーヴァー・チューン。Eddieのギターをはじめエキサイティングなプレイにグッときます。
「Never Come Back To Me」
ミステリアスなワルツ・チューン。Frecklesのキュートなヴォーカルが迷宮へと誘います。
「Can't Forget You Now」
ラストはファンキーなソウル・ジャズ・チューン。アルバムで一番ソウルフルな仕上がりです。
興味がある方はEddie Robertsの他のソロ作やThe New Mastersoundsの作品もチェックしてみて下さい。
『Roughneck』(2004年)
『Trenta』(2007年)
The New Mastersounds『Keb Darge Presents The New Mastersounds』(2001年)
The New Mastersounds『Be Yourself』(2003年)
The New Mastersounds『This Is What We Do』(2005年)
The New Mastersounds『Live at la Cova』(2006年)
The New Mastersounds『102%』(2007年)
The New Mastersounds『Plug & Play』(2008年)
The New Mastersounds『Live in San Francisco』(2008年)
The New Mastersounds『Ten Years On』(2009年)
うお、これ良いですね。
「I Can't Stand You」のピアノのリフとか、「Fearless」のクールネスとか、「There's No Change」のジャズサンバギターのカッティングとか・・・。
SwanseaにはUKの現地会社があるので、親近感もありますしねw
ありがとうございます。
絶妙のクロスオーヴァー感覚がいいですね。
スウィンギー&ハウシーなサウンドにグッときます。
全曲ヴォーカル入りなのも聴きやすいですね。