2010年09月13日

Elis Regina『Essa Mulher』

Elis晩年の傑作!名曲「O Bebado e a Equilibrista」収録☆Elis Regina『Essa Mulher』
或る女(紙ジャケット仕様)
発表年:1979年
ez的ジャンル:MPBの女王
気分は... :今日はElisの歌声に浸りたい・・・

今日は少し立ち止まって、自分の人生についてあれこれ思いを巡らせたい気分です。
こんな時に聴きたいアーティストはElis Regina

と言うことで、MPBの女王Elis Reginaの6回目の紹介です。

これまで紹介してきたElis Regina作品は以下の5枚。

 『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
 『Aquarela Do Brasil』(1969年) ※Toots Thielemansとの共演
 『Elis Regina in London』(1969年)
 『Em Pleno Verao』(1970年)
 『Elis』(1974年)

今回紹介するのは1979年リリースの『Essa Mulher(邦題:或る女)』です。
Elis晩年の傑作として評価が高い作品ですね。

プロデュース&アレンジは夫のCesar Camargo Mariano。バックはCesar Camargo Mariano(key)以下、Helio Delmiro(g)、Luizao(b)、Paulinho Braga(ds)等が務めています。

60年代後半頃のハジけたElisも良いですが、円熟味を増した歌手Elis Reginaの集大成のようなものを感じます。1982年1月に36歳の若さでこの世を去る彼女の運命を考えると、余計に込み上げてくるものがあります。また、そんなElisの感動的な歌を引き立てる、夫Cesarのコンテンポラリーなアレンジも本作を魅力アップに大きく貢献していると思います。

ブラジル国民の思いを代弁した感動の名曲「O Bebado e a Equilibrista(酔っぱらいと綱渡り芸人)」Joyceブレイクのきっかけとなったタイトル曲「Essa Mulher(或る女)」をはじめ、Elisの魅力を存分に堪能できる全10曲です。

いつ聴いてもElisの歌からはエネルギッシュなパワーを貰えますね。

全曲紹介しときやす。

「Cai Dentro」
邦題「サンバに夢中」。Paulo Cesar Pinheiro / Baden Powell作のサンバ賛歌。エネルギッシュかつ奔放なElisの歌声を堪能できる、明るく陽気なサンバ・チューン。Elisに相応しいハッピー&サニー・モードのオープニングです。
http://www.youtube.com/watch?v=hd58ya3tXq8

「O Bebado e a Equilibrista」
邦題「酔っぱらいと綱渡り芸人」 。本作のハイライトと呼べるAldir Blanc/Joao Bosco作品。国から追放されたり、弾圧された人について偲んだ反政府的な社会派ソングを、Elisがブラジル国民の気持ちを代弁するように歌ったものです。ブラジルの国民的歌手Elis Reginaの集大成を感じさせる感動の1曲です。聴いているだけに胸に熱いものが込み上げてきます。この1曲を聴くだけでも本作をゲットする価値があると思います。イントロとエンディングのサーカス音楽風の演出にもグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=mcYCP1nEdUA

「Essa Mulher」
邦題「或る女」。タイトル曲はAna Terra/Joyce作。Joyce自身もレコーディングに参加しています。今では大人気の女性SSWであるJoyceをElisが紹介し、彼女のブレイクのきっかけを作った名バラードですね。Elisの豊かな表現力に魅了されるばかりです。
http://www.youtube.com/watch?v=Embe13mY4xE

Joyce自身のヴァージョンは当ブログで紹介した『Feminina』(1980年)に収録されています。また、Elisの娘Maria RitaのカヴァーがYouTubeにあるので、そちらもチェックしてみて下さい。

Joyce「Essa Mulher」
 http://www.youtube.com/watch?v=RGxBoE9cLLo
Maria Rita「Essa Mulher」
 http://www.youtube.com/watch?v=xf8uTy6VVD8

「Basta de Clamares Inocencia」
邦題「弁解はやめて」。偉大なるサンビスタCartola
の作品。この曲も名曲だと思います。Cartolaによる素晴らしい楽曲、情感豊かなElisの歌声、コンテンポラリーなCesarのアレンジ、全てが揃っています。夜聴くと、なかなかロマンティックですよ!
http://www.youtube.com/watch?v=Tnu9S4ZCHu8

「Beguine Dodoi」
邦題「傷心のビギン」。Claudio Tolomei/Aldir Blanc/Joao Bosco作。ボレロ調のノスタルジック・ムードに癒されます。
http://www.youtube.com/watch?v=TY4d8BtIWnA

「Eu Hein Rosa!」
邦題「俺だぜ、ホーザ!」。Paulo Cesar Pinheiro/Joao Nogueira作。ベテランのサンバ歌手Joao Nogueiraのカヴァー。明るく快活なサンバ・チューンに仕上がっています。

「Altos e Baixos」
邦題「よい時と悪い時」。Aldir Blanc/Sueli Costa作。ジワジワと胸に迫ってくるしっとりとしたバラード。
http://www.youtube.com/watch?v=VIDe-qvNQKQ

「Bolero de Sata」
邦題「悪魔のボレロ」。Paulo Cesar Pinheiro/Guinga作。ボレロ調の哀愁バラード。後半はCauby Peixotoとのデュエットになります。

「Pe Sem Cabeca」
邦題「できそこないの風景」。Ana Terra/Danilo Caymmi作。ボッサな伴奏とCesarのアレンジが実に素敵ですね。そんなバックに呼応するようにElisの歌声も実にエレガントです。
http://www.youtube.com/watch?v=iXOMUEzr6T4

「As Aparencias Enganam」
邦題「表と裏」。Sergio Natureza/Tunai作。ラストはCesarの美しいピアノをバックに、人生の表(愛)と裏(憎しみ)を感動的に歌い上げます。Elisが歌うと余計に歌詞が心に刺さります。

Elis Regina作品の過去記事もご参照下さい。

『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』(1969年)
コモ・イ・ポルケ+4

『Aquarela Do Brasil』(1969年)
ブラジルの水彩画

『Elis Regina in London』(1969年)
イン・ロンドン

『Em Pleno Verao』(1970年)
エン・プレノ・ヴァラオン

『Elis』(1974年)
人生のバトゥカーダ
posted by ez at 00:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これ、エリスのなかでいちばん相性の合うアルバムです。何度も聴いたなぁ
Posted by ドコドン at 2010年09月13日 12:39
☆ドコドンさん

ありがとうございます。

良い曲が揃ったアルバムですよね。
特に「O Bebado e a Equilibrista」は感動的です。
アレンジのセンスの良さもアルバムの魅力を高めていますね。
Posted by ez at 2010年09月14日 02:10
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