発表年:1982年
ez的ジャンル:オシャレなキザ男系AOR
気分は... :ボギ〜!
『Kamakiriad』(1993年)以来13年ぶりのソロ『Morph the Cat』を発表したばかりのSteely Danの中心人物Donald Fagen。
僕は学生時代にSteely DanおよびDonald Fagenに相当ご執心だった。そんな僕が昨日CDショップで『Morph the Cat』を試聴したけど、感動は少なく、購入を見送り、代わりにVan Huntの新作を購入してしまいまシタ。
きっと、僕の中のSteely DanおよびDonald Fagenは、今回紹介する1982年発表のFagenの1stソロ『The Nightfly』までで完結しているからだと思う。一応、『The Nightfly』以降もSteely DanやDonald Fagen、Walter Becker関連の新作は全て購入しているけど、正直お付き合いってカンジで、あまり思い入れはありませんm(_ _)m
本ブログを初めて間もない頃に投稿したSteely Dan『Aja』の紹介でも書いたように、高校時代に僕の自宅のターンテーブルを最も占領したアルバムが本作『The Nightfly』(1982年)っす。この作品はオシャレなアルバムの代名詞みたいなもんだったね。
この年(1982年)は、Donald Fagen『The Nightfly』、Joe Jackson『Night And Day』、Tom Petty & The Heartbreakers『Long After Dark』という3枚のアルバムをやたら聴いていた記憶があるね。
僕が最初に出会ったSteely Danのアルバムが発表から2年位後追いで聴いた『Aja』(1977年)だった。中学生の時に聴いたこのアルバムのせいで、AOR(Adult Oriented Rock)というジャンルを強く意識するようになり、Steely Dan、Bobby Caldwell、Boz Scaggsあたりにハマっていった。
でもって、リアルタイムで新作として聴いた最初のSteely Danの作品が彼らの実質的ラストアルバム『Gaucho』(1980年)っす。『Gaucho』は、今ではとても好きな作品だけど、当時は『Aja』との比較でインパクトが弱く、やや物足りなさも感じたなぁ。その後Steely Danの解散を知り、もう『Aja』のような新作を聴けないのかと残念に思ったなぁ。
そんな中、届けられたのがFagenの自叙伝的アルバム『The Nightfly』(1982年)っす。
時は1950年代、田舎のラジオ局の気取ったDJが、タバコ片手に次のオンエア曲を紹介する...まずはこのジャケットに完全にノックアウトされたねぇ。数日前に紹介したRickie Lee Jones『Rickie Lee Jones』と一緒に長らく、僕の部屋の大事なインテリアとして大活躍でシタ。
このジャケットのDJを演じるのはFagen自身だが、僕はこのDJ役はハンフリー・ボガートがピッタリだと思い込み、勝手に彼の姿をこのジャケットにダブらせていたなぁ(当時、映画『カサブランカ』のボガートの格好良さに憧れていまシタ)。
内容は、Steely Dan同様に多数の腕利きミュージシャンを贅沢に使った完璧なクロスオーバー・サウンドを展開していマス。
主なところを挙げると、Hugh McCracken、Larry Carlton、Rick Derringer、Steve Khan、Anthony Jackson、Chuck Rainey、Marcus Miller、Will Lee、Michael Omartian、Greg Phillinganes、James Gadson、Jeff Porcaro、Roger Nicholas、Randy Brecker、Michael Brecker等々。
ジャケットはモノクロだけど、サウンドは実にカラフルで〜す。
全曲紹介しときヤス。
「I.G.Y.」
アルバムからの1stシングルにもなったオープニング・ナンバー。一時期IBMのCMにも使われていましたね。ほんわかレゲエ・テイストの落ち着いたミディアム・ナンバーに仕上がってマス。
I.G.Y.とは、International Geophysical Year(国際地球観測年)のことっす。国際地球観測年は、1957年7月1日から1958年12月31日まで続いた、国際科学研究のプロジェクトっす。このプロジェクトは、1882年に行われた第一回国際極年(I.P.Y)、その50年後の1932年に行われた第二回国際極年に続くものであり、本来は1932年から50年後の1982年、すなわち本作の発表年に行われるはずだったが、その間の科学の目覚しい発展のため、前倒しで1957年にI.G.Yと名称を変えて実施されたというもの。
こうした科学の進歩を♪What a beautiful world this will be〜♪What a glorious time to be free〜♪と歌うFagenの歌詞は実にシニカルですな。
「Green Flower Street」
とってもSteely Danらしいナンバー。Fagenの鼻づまりのキザ声がとってもオシャレっす。都会的で洗練されているんだけど、ノスタルジックってカンジがたまらなくいいね!Larry Carltonのギター・ソロもいいっすね。
「Ruby Baby」
黒人ボーカルグループThe Driftersの1955年のヒット曲のカヴァー。ある意味のこのジャケ写真から流れてくる音楽のイメージに最も近いのがこの曲かもね。アルバムからの3rdシングルにもなりまシタ。
「Maxine」
キザ男の本領発揮のオシャレ絶品バラード。僕が学生時代に編集していたカセットの定番でシタ。前述のように僕はこのアルバムからハンフリー・ボガートを連想してしまうのだが、その大きな要因がこの曲のせいだと思いマス。
「New Frontier」
アルバムからの2ndシングル。当時この曲こそオシャレサウンドの極みだと思い、何度もこの曲をリピートして聴いていたなぁ。今聴くと、多少カチッとしすぎている感じもしなくはないけど...でも、この華麗なサウンドはさすがFagenならではっす。
「The Nightfly」
アルバムで一番のお気に入りのタイトル曲。この曲を聴いた時、『Aja』を聴いて以来、多少消化不良気味だった僕のSteely Danへの期待を全て受け止めてくれたカンジがしたなぁ。まさに歌詞にある通りのSweet musicですね。
「The Goodbye Look」
僕がすぐにハマるパターンのラテン・テイストのナンバー。この曲とBilly Joelの「Rosalinda's Eyes」、「Don't Ask Me Why」の3曲をまとめて1セットで聴くのが一時期僕の定番でシタ。
「Walk Between Raindrops」
なんかミュージカルの1シーンを思い浮かべるエンディング曲。僕的にはジーン・ケリー主演のミュージカル映画の名作『雨に唄えば』あたりのイメージがピッタリっす。
Steely Danに関して、『Aja』を初めとする後期の作品ばかりが注目されるけど、70年代前半の作品もいい作品が多いので改めて紹介しますね。個人的には、1st『Can't Buy A Thrill』(1972年)、3rd『Pretzel Logic』(1974年)あたりがLP時代から聴き続けている愛聴盤っす。
私も「ドナルド・フェイゲン」はやっぱりこの『Nightfly』に尽きますね。
初めて出会った時の衝撃度もさることながら、
完成度の高さ、楽曲の良さ、歌詞の内容、音のクリアさ・・・どれをとっても非の打ち所が無いですよねー。
確かに2枚目も、新作の「毛布猫」もいいんですけど。
ちなみに私もアルバム・タイトル曲が一番好きです!
ありがとうございます。
こんな完璧なものを作っちゃうと、新作を出すのが10年単位になるわけですよね(笑)
>「毛布猫」
お見事です!いやぁ〜参りましたm(_ _)m
文句の付けようがなくて僕も大好きなんですが
好きな音楽家・ドナルドフェイゲン!!といえないのはなぜ?
出来すぎってことなんでしょうかねェ・・・
名前はいってなくてもコメント投稿できるんですねー!
ありがとうございます。
>好きな音楽家・ドナルドフェイゲン!!といえないのはなぜ?
10年に1枚しか作品を発表しないミュージシャンのファンになるには、
忍耐力を要しますからね(笑)
Donald Fagen自身も屈折系ミュージシャン(?)なので、
素直にファンを自認する人より、けんさんのような隠れファン(?)
の存在に喜びを感じるのでは?
今は「Walk Between Raindrops」かな。
それまでの緻密で完璧な流れから、思いっきり砕けてリラックスした感じがたまりません。
ありがとうございます。
>その時々で一番好きな曲が変わって、
これも20年以上の長きに渡り聴けるアルバムだからこそでしょうね。
あまり発売年を意識せずに聴けるのが、この人のスゴイところですね!
自分の大好きなCDのレビューだったので、読み逃げ出来ませんでした(笑)。
私は、Morph the cat、結構好きですよ。
いろいろとCDのレビューをしてあるので、ブックマークさせていただきますね!
ありがとうございます。
僕の書き方が悪かったですねm(_ _)m
あまりに『The Nightfly』が素晴らしすぎて、
以降の作品は分が悪いといった感じでしょうか?
なので、最終的には『Morph the Cat』も購入すると思いますd(^ ^)b
これからもお気軽にお立ち寄り下さい。
よろしくお願い致します。