発表年:1976年
ez的ジャンル:ラブソング路線カーティス
気分は... :チェンジ!
久々のCurtis Mayfieldです。
当ブログで紹介したCurtis作品は以下の6枚。
『Curtis』(1970年)
『Curtis/Live!』(1971年)
『Superfly』(1972年)
『Back To The World』(1973年)
『Got To Find A Way』(1974年)
『Something To Believe In』(1980年)
7枚目に紹介するCurtis作品は『Give, Get, Take And Have』(1976年)です。
当初、先日紹介したJohn Legend & The Rootsによるカヴァー・アルバム『Wake Up!』に収録された「Hard Times」の作者Curtisヴァージョンが収録されている『There's No Place Like America Today』(1975年)を紹介しようと思ったのですが、何となく気分で『There's No Place Like America Today』の次の作品となる『Give, Get, Take And Have』をセレクトしてしまいました。
辛辣な社会メッセージでアメリカ社会に警鐘を鳴らした『There's No Place Like America Today』から一転し、ラブソング中心の『Give, Get, Take And Have』に対する評価は極めて低いですね。きっと70年代Curtis作品の中でも最も後回しにされがちな1枚かもしれません。
"ニューソウル名盤"との評価が高い『There's No Place Like America Today』ですが、チャート・アクションは振るいませんでした。それがCurtisに路線変更を決意させたのでしょう。それが明確に打ち出された作品が本作『Give, Get, Take And Have』です。結果的には路線変更してもチャート・アクションは不振でしたが・・・
脱社会派路線やディスコ・サウンドの導入などが批判の対象となっているのかもしれませんが、"ニューソウル"という重荷から解放された軽やかなCurtisに出会えるのが本作の魅力だと思います。
レコーディングには、Henry Gibson(congas、bongos)、Donnelle Hagan(ds)、Kitty Haywood Singers(back vo)、Rich Tufo(key)、Floyd Morris(key)、Joseph Scott(b)、 Gary Thompson(g)、 Phil Upchurch(g)が参加しています。特にKitty Haywood Singersによる女性コーラスがアルバム全体に華やかな雰囲気を与えています。
決して代表作ではありませんし、いきなり聴くようなCurtis作品ではありませんが、低迷期の1枚としてスルーしてしまうには惜しい1枚です。
名盤の誉れ高いCurtis作品が素晴らしいのは勿論ですが、脇の作品でもいろいろ楽しめるのがCurtisの魅力だと思います。
先入観なしに聴けば、充実の全8曲ですよ!
全曲紹介しときやす。
「In Your Arms Again (Shake It)」
アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターの生み出すファンキー・グルーヴとKitty Haywood Singersによる女性コーラスにグッとくるグルーヴィー・チューン。前作からの路線変更を印象付けるオープニングです。
「This Love Is Sweet」
タイトルの通り、ラブリー&スウィートなラブソング。温かく、優しく、柔らかなミディアム・スロウにグッときます。ここでもKitty Haywood Singersのコーラスが盛り上げてくれます。
「P.S. I Love You」
素敵なストリングス・アレンジが印象的なラブソング。Curtisのファルセット・ヴォーカルがスウィートに響きます。
「Party Night」
シングル・カットされたディスコ・チューン。Henry Gibsonのパーカッションが実に気持ち良いですね。"ニューソウル"なCurtisがお好きな方からは批判の対象となる楽曲なのでしょうが、大好きな1曲です。こうしたディスコ・アプローチは『Do It All Night』(1978年)でさらに強化されることになります。
「Get a Little Bit (Give, Get, Take and Have)」
曲調は"ニューソウル"っぽいですが、♪Good! Good!Good!♪と迫るラブ・ソングです。このあたりのグルーヴ感は"ニューソウル"なCurtisがお好きな方も気に入るのでは?
「Soul Music」
個人的には一番のお気に入り。ホーン&フルートの音色が心地好いライト・グルーヴにグッときます。ポップでライトなアレンジが本作を象徴していると思います。
「Only You Babe」
シングル・カットされ、全米R&Bチャート第8位となりました。CurtisとKitty Haywood Singersのコンビネーションが絶妙なスウィート・ラブソングです。
「Mr. Welfare Man」
本作の中で最も社会派の楽曲かもしれません。当ブログで紹介したJurassic 5「Gotta Understand」のサンプリングソースになっています。
Curtisの過去記事もご参照下さい。
『Curtis』(1970年)
『Curtis/Live!』(1971年)
『Superfly』(1972年)
『Back To The World』(1973年)
『Got To Find A Way』(1974年)
『Something To Believe In』(1980年)
離れていってしまったように感じます。
ただ、アレンジにおけるカーティス節はやっぱり本作でも好きでした。
ありがとうございます。
僕の場合、本作同様に評判の悪い『Do It All Night』も結構好きだったりします。
"ニューソウルの旗手"Curtisも好きですが、ラブソングを歌うCurtisにもグッときます。
大作感がない分、気楽に楽しめるところに魅力を感じるのかもしれません。