発表年:1972年
ez的ジャンル:ポスト・ボサノヴァ系女性コーラス
気分は... :優しく包み込んで!
今回はQuarteto Em Cyの『Quarteto Em Cy』(1972年)です。
新生Quarteto Em Cyによるポスト・ボサノヴァ作品として再評価された1枚です。
今日はこのジャケをどうしてもアップしたくて本作をセレクトしました。
休日らしくていいですよね(笑)
ブラジルを代表する女性コーラス・グループQuarteto Em Cyの紹介は『Quarteto Em Cy』(1966年)に続き2回目となります。
『Quarteto Em Cy』というグループ名を冠したアルバムが、デビュー作、前回紹介した3rd、そして今回紹介する1972年作品と3枚あるのでややこしいですね。
今日紹介する『Quarteto Em Cy』は、オリジナル・メンバーのCyva、CynaraというDe Sa Leite姉妹に、1967年より加入したSonya、新加入のDorinha Tapajosの4人で再編成された新生Quarteto Em Cyの第一弾アルバムとしてリリースした作品です。
この4人のメンバーでの活動は、1980年にDorinha が白血病のため急逝するまで続き、第二の黄金期を迎えることになります。
さて、本作『Quarteto Em Cy』ですが、Luiz Eca、Edu Lobo、Magro等がアレンジャーに起用され、新生Quarteto Em Cyのソフトリーなコーラスを、ポスト・ボサノヴァを意識した新たなMPBサウンドで演出しています。なお、Edu Loboが本作の音楽監督/プロデューサーといったリソースを見かけますが、Edu Loboはアシスタント・プロデューサー/アレンジャーとしてクレジットされています。
レコーディングにはBebeto(b)、Helcio Milito(ds、per)、Rubinho(ds)、Helvius Vilela(p)、Tenorio Jr.(p)、Tavito(g)、Nelson Angelo(g)、Ze Menezes(viola)、Danilo Caymmi(fl)等も参加しています。
派手さはありませんが、ジャケのイメージそのままにドリーミーでソフトリーなコーラスに魅了される1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Quando o Carnaval Chegar」
オススメその1。Chico Buarque作。少し気だるい雰囲気ですが、Quarteto Em Cyらしいソフトリーなコーラスにグッときます。Chico Buarque本人のヴァージョンは彼自身が脚本を書いた映画『Quando o Carnaval Chegar』(1972年)のタイトル曲として聴くことができます。
Chico Buarque「Quando o Carnaval Chegar」
http://www.youtube.com/watch?v=zu2B2z9XRxQ
「Talvez」
Paulo Cesar Pinheiro/Francis Hime作。Luiz Ecaらしいエレガントながらも哀愁が漂うアレンジをバックに、しっとりと聴かせてせてくれます。
「Cavalo Ferro」
オススメその2。Ricardo Bezerra/Raimundo Fagner作。ポップなメロディの爽快チューン。ソフトロック好き、女声コーラス好きの方は気に入る1曲だと思います。
「Tudo Que Voce Podia Ser」
オススメその3。本作のハイライト曲です。Marcio Borges/Lo Borges作のミナス系名曲カヴァーですが、ミナスらしい雰囲気とQuarteto Em Cyらしい爽快さをバランスさせたEdu Loboのアレンジが冴え渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=4EV8rYiTeDY
作者Lo BorgesやMilton Nascimento等のカヴァーもあるので聴き比べると楽しいと思います。ハウス好きはBuzios、Nomumbah等のハウス・カヴァーもチェックを!
Lo Borges「Tudo Que Voce Podia Ser」
http://www.youtube.com/watch?v=xUSzCPS6V1c
Milton Nascimento「Tudo Que Voce Podia Ser」
http://www.youtube.com/watch?v=GGmGMEVbTAY
Simone「Tudo Que Voce Podia Ser」
http://www.youtube.com/watch?v=96NgUrwE8VY
Nomumbah「Tudo Que Voce Podia Ser」
http://www.youtube.com/watch?v=kkby1x0KohI
「Incelensa」
Ruy Guerra/Edu Lobo作。幻想的かつ不穏な雰囲気の仕上がりです。不安げな心模様を見事なコーラスで表現してくれます。
「Sapato Mole」
Paulo Cesar Pinheiro/Mauro Duarte/Mauricio Tapajos作。社会派ソングであり、ソフトリーなコーラスからも力強いメッセージが伝わってきます。
「Underground」
オススメその4。Ze Rodrix/Luis Carlos Sa作。ソフトロック・テイストのドリーミーな仕上がりにグッときます。ピアノはTenorio Jr.です。
「Antes da Primeira Hora」
Ze Rodrix/Luis Carlos Sa作。ほのぼのとしたマッタリ感でリラックスできます。
「Zanga Zangada」
オススメその5。Ronaldo Bastos/Edu Lobo作。フレンチ・ポップス風のアレンジがお気に入りです。Edu Lobo本人ヴァージョン(アルバム『Missa Breve』収録)も一緒にチェックすると楽しいのでは?
Edu Lobo「Zanga Zangada」
http://www.youtube.com/watch?v=rPJ6YlK9QgM
「Cantoria」
オススメその6。Ruy Guerra/Edu Lobo作。軽快なアコースティック・グルーヴ感にグッときます。
「Canto do Oba」
Jorge Amado/Dorival Caymmi作。作者Dorival Caymmiとの共演です。どちらかと言えば、主役Dorival CaymmiをQuarteto Em Cyが盛り上げている雰囲気です。
新生Quarteto Em Cyで言えば、『Querelas Do Brasil』(1978年)も人気ですね。コチラも僕の愛聴盤なので今後紹介したいと思います。
『Quarteto Em Cy』(1966年)
『Querelas Do Brasil』(1978年)