2010年10月20日

The Beatnuts『A Musical Massacre』

ビート馬鹿が生み出す魅惑のトラック!☆The Beatnuts『A Musical Massacre』
Musical Massacre
発表年:1999年
ez的ジャンル:職人ネタ師系Hip-Hop
気分は... :ビート馬鹿は健在なり!

今日はThe Beatnuts『A Musical Massacre』(1999年)です。

N.Y.クイーンズ出身のHip-HopグループThe Beatnutsの紹介は、『The Beatnuts:Street Level』(1994年)に続き2回目となります。

『A Musical Massacre』は、通常のアルバムとしては『Stone Crazy』(1997年)に続く3rdアルバムとなります。その間にインスト・アルバム『Hydra Beats, Vol. 5』(1997年)やリミックスEP『Remix EP: The Spot』(1998年)が発売されていましたが・・・

The Beatnutsといえば、デビューEP『Intoxicated Demon』(1993年)、1stアルバム『The Beatnuts:Street Level』(1994年)というJuJuPsycho LesFashion(Al Tariq)の3人体制だった頃の初期作品の印象が強烈でしたね。ネタ師集団が作るビート馬鹿らしいトラックの数々は、多くのHip-Hopファンを魅了しましたね。

正直、僕がThe Beatnutsをリアルタイムで聴いていたのはFashion(Al Tariq)が抜けて2人体制となった最初のアルバム『Stone Crazy』(1997年)まででした。The Beatnuts云々と言うよりも、僕自身が90年代後半のHip-Hopに90年代前半ほどのパワーを感じなくなり、徐々にHip-Hop作品を聴く頻度が少なくなっていったことが理由でした。

従って、『A Musical Massacre』(1999年)は後追いで購入したものです。Beatnutsの歴史を振り返ると、チャート・アクション(全米アルバム・チャート第35位、同R&Bアルバム・チャート第10位)としては最も成功したアルバムと言えますね。内容も前作『Stone Crazy』あたりと比較すると評価が高い作品です。

必ずしも現在の僕の嗜好と合致するHip-Hop作品ではありませんが、ネタ師らしい痛快なトラック作りと全体に漂うラテン・テイストには惹かれるものがあります。特にノスタルジックなネタを巧みに使ったトラックにグッときます。

まずは『Intoxicated Demon』『The Beatnuts:Street Level』を聴いてグッときた方は、ぜひ聴いてみて下さい。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
アルバムのイントロ。

「Beatnuts Forever」
Triple Seis & Marlon Mansonをフィーチャー。Zulema「Giving Up」ネタのリズム&ストリングスが印象的です。最初と最後はLabi Siffre「I Got The...」ネタで・・・
http://www.youtube.com/watch?v=pj-JpwVI4Kc

「Muchachacha」
Willie Stubz & Swingerをフィーチャー。Daniel Janin & JC Pierric「Black Night」ネタのトラックが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=iR_nFrWpqoA

「I Love It」
Enoch Light「And I Love Her」ネタのノスタルジックなビートとCheryl Pepsii Rileyが歌う♪I Love It〜♪という短いフレーズが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=GymttlXmyvY

「Slam Pit」
Cuban Link & Commonをフィーチャーしています。Main Source「Live at the Bar-Be-Que」ネタ
http://www.youtube.com/watch?v=MITnOJu_4Co

「Wild, Wild, What!」
ジャズ・モードのインタールード。

「Look Around」
Dead Prez & Cheryl Pepsii Rileyをフィーチャー。Danny Rivera「Gracias Mi Amor」ネタの哀愁トラックにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=JFD6X5A01Ms

「Cocotaso」
Tony Touchをフィーチャー。不穏な中にプエルトリコな雰囲気が漂います。♪ココ、ココ、タ〜ソ♪が日本語のように聴こえてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=5vgh2LTwJQc

「Monster for Music」
哀愁モードのピアノループが印象的です。Jungle Brothers「Baggin & Boastin」ネタ
http://www.youtube.com/watch?v=1aaMhZOoqTs

「Spelling Beatnuts with Lil' Donny」
Blowfly「Sesame Street」ネタの勢いのあるトラックがいいですね。

「Puffin' on a Cloud」
妖しげな雰囲気も漂いますが、Love Unlimited Orchestra「Under the Influence of Love」ネタのトラックが実にキャッチーです。
http://www.youtube.com/watch?v=k1YGlcCNdec

「Turn It Out」
シングル「Watch Out Now」のカップリング曲。Greg Nice(Nice & Smooth) をフィーチャーしています。BeatnutsらしいイカれたビートにのってGreg Niceが♪C'mon c'mon c'mon♪と連呼します。The New Vaudeville Band「A Nightingale Sang in Berkeley Square」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=bA8wD20kCPs

「Rated R」
Nogoodusをフィーチャー。キーボードのチープな響きにそそられます。
http://www.youtube.com/watch?v=sU1c7QJINPA

「Who You're Fuckin' Wit'」
Ann Peebles「Somebody's on Your Case」ネタのトラックが格好良いインタールード的な1曲。

「Story 2000」
Patrick Blazyをフィーチャー。マッタリとした気だるさが印象的です。

「Watch Out Now」
アルバムからの1stシングル。Yellaklawをフィーチャー。 Enoch Light「Hi-Jack」ネタのフルートが妖しげに響き渡ります。この印象的なループはJennifer Lopez「Jenny From The Block」でも使われましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=O2JgUvd4l30

Jennifer Lopez「Jenny From The Block」
 http://www.youtube.com/watch?v=Vd0hMcCl784

「You're a Clown」
Biz Markie & Tyler Fernandezをフィーチャー。ほのぼのとしたトラックにホッとしてしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=JhM1xGZ_Fxw

「Buddah in the Air」
Carl Thomas & Gob Goblinをフィーチャー。オリエンタルな雰囲気も漂うミステリアスなトラックです。
http://www.youtube.com/watch?v=haIqfYJrF8k

「Se Acabo (It's Over)」
Swinger & Magic Juanをフィーチャー。Marco Antonio Muniz「Se Acabo」というノスタルジックなネタを実に上手く調理しています。
http://www.youtube.com/watch?v=OFstk-dz18Y

『Intoxicated Demon』(1993年)
Intoxicated Demons

『The Beatnuts:Street Level』(1994年)
ビートナッツ(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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