2010年11月19日

Stereolab『Margerine Eclipse』

Mary Hansenの死を乗り越えて制作された渾身の1枚☆Stereolab『Margerine Eclipse』
Margerine Eclipse
発表年:2004年
ez的ジャンル:近未来ラウンジ・ポップ
気分は... :放心状態の中で...

ここ数日かなり忙しく、まともに寝ていない日々が続きましたが、ようやく第一のヤマを乗り切ることができました。おかげで月曜から昨日までの4日間でドリンク剤を20本ほど飲んでいました(笑)

ここ数日、仕事をしながらリピートして聴いていたのがSyd Barrett『The Madcap Laughs』でした。作業スピードと創造力を向上させるために、狂気の世界にトリップして自分を追い込んでいたのかもしれません(笑)

とりあえあず、まとまった睡眠と記事を書く時間が欲しいです・・・

そんな放心状態の中で聴きたくなったのが今日の1枚です。
と言うことで、UKポストロックの先駆者、Stereolabの4回目の紹介です。

これまで当ブログで紹介したStereolab作品は以下の4枚です(発売順)。

 『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』(1993年)
 『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)
  『Dots And Loops』(1997年)
 『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)

放心状態の中で聴きたくなった今日の1枚は、2004年にリリースした『Margerine Eclipse』です。

ファンの方はご存知の通り、2002年12月にメンバーのMary Hansenを交通事故で亡くすという悲劇がグループを襲います。そんな悲しみを乗り越え、リリースされたアルバムが本作『Margerine Eclipse』です。

Mary死後初めてリリースされたEP『Instant 0 in the Universe』(2003年)のタイトルにもなった、フランス、ボルドーの自身のスタジオInstant 0でレコーディングは行われました。Instant 0が完成したのは2002年でしたが、結局Maryがこのスタジオでレコーディングを行うことはありませんでした。

Stereolabのエントリーでいつも書いているように、僕は聴く頻度が高いのは『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)、 『Dots And Loops』(1997年)、『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)、『First Of The Microbe Hunters』(2000年、※ミニ・アルバム)の4枚ですね。

理由は自分でもよく覚えていませんが、『Sound-Dust』(2001年)はあまり聴きませんでした。その影響なのか本作『Margerine Eclipse』も、前述の4枚ほどには聴いていません。

でも改めて聴いてみると、前述の4枚同様にStereolabらしい近未来ラウンジ・ポップを堪能できる充実作であると、僕自身の中で再評価している1枚です。近未来的なのに同時に60年代的スタイリッシュさを感じるのがStereolabの魅力だと思っているのですが、本作でもそんなStereolabを堪能できます。

本作では全ての楽器パートを左右に分けて、それを重ね合わせたサウンド作りにこだわったそうです。そのせいかシンプルながらも立体的なサウンドも楽しめます。

気になるのはMary亡き後のヴォーカル・パートですが、残ったもう一人の女性ヴォーカルLaetitia Sadierが多重録音でMaryの分まで頑張っています。ただし、その多重ヴォーカルを聴いていると、余計にMaryのことを思い出してセンチメンタルな気分になるのも事実ですが・・・

レコーディングにはMouse On MarsJan St. Wernerやお馴染みHigh LlamasSean O'Haganがゲスト参加しています。

結局、グループは本作の後、直近のシングルを集めた『Fab Four Suture』(2006年)、『Chemical Chords』(2008年)という2枚のアルバムをリリースした後、2009年に活動休止を発表することになります。

Stereolabの近未来ラウンジ・ポップが放心状態の僕を救ってくれます・・・

全曲紹介しときやす。※国内盤

「Vonal Declosion」
Mouse On MarsのJan St. Wernerも参加しているオープニング。Stereolabらしいキュートな近未来ポップが展開されます。

「Need To Be」
吐息まじりのLaetitiaの気だるいヴォーカルにグッとくる哀愁ポップ。フューチャリスティック・フレンチ・ポップといった趣ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=iU96W84Atj4

「"...Sudden Stars"」
本作ならではの左右から織り成される立体的サウンドの効果を実感できる1曲。ポップさと実験性に上手く折り合いをつけてしまうのがStereolabのスゴいところですね。

「Cosmic Country Noir」
タイトルの通り、コズミックなポップ・チューン。近未来のスペース・カフェで流れていそうな曲ですよね。架空のB級SF映画を妄想してしまいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=DLPtDxWTXLk

「La Demeure」
この曲も左右の立体感が面白いですね。ミニマルだけどキュートなところにグッときます。Stereolabにしか出来ないポップ・ワールドですな。
http://www.youtube.com/watch?v=cWtVtDYhBAI

「Margerine Rock」
過去と未来を見事に合体させてしまう近未来的ノスタルジー感にグッときます。こういうセンスが大好き!
http://www.youtube.com/watch?v=nXRL2etsV6I

「The Man With 100 Cells」
他の曲のようなヒネリはありませんが、ワルツ調の大人のスタイリッシュ・ポップに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=IY43Cvl-eNU

「Margerine Melodie」
フューチャリスティック・モードの仕上がり。レゲエ的なものも感じてしまうのは僕だけでしょうか・・・
http://www.youtube.com/watch?v=YlMqK1vzvBc

「Hillbilly Motobike」
Stereolab好きならば鉄板の近未来風のラウンジ・ポップ・チューン。ワン・パターンかもしれませんが、この手の曲大好きです!
http://www.youtube.com/watch?v=JPPZ-KCqo8Q

「La Spirale」
国内盤ボーナス・トラック。ボートラをこんな位置に配してアルバムの流れを台無しにしないかと心配もしましたが、聴いてみると絶妙の配置です。国内盤で購入して大正解でした!
http://www.youtube.com/watch?v=MqolZE_e4kU

「Feel And Triple」
Mouse On MarsのJan St. Wernerが再登場。そのせいかエレクトロな完成度が高いですね。左右から飛び交うアンニュイなLaetitiaのヴォーカルにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=_aXEUwbf1S4

「Bop Scotch」
個人的にはアルバムで一番好きなキュート・ポップ。絶妙な近未来的ノスタルジー・サウンドとLaetitiaのフレンチ・ヴォーカルの相性が抜群です!
http://www.youtube.com/watch?v=R7OTkTJQ2Yc

「Dear Marge」
ラストはライトなスパニッシュ感が絶妙な小粋でエレガントなポップ・チューン。後半の別曲のような展開も楽しめます。
http://www.youtube.com/watch?v=gnoTS9cljh0

Stereolabの過去記事もご参照下さい。

『Transient Random-Noise Bursts With Announcements』(1993年)
騒音的美学の終焉

『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)
Emperor Tomato Ketchup

『Dots And Loops』(1997年)
Dots and Loops

『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)
Cobra & Phases Group Play Voltage in Milky Night
posted by ez at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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