発表年:(多分)1977年頃
ez的ジャンル:激レア系ローカル・ソウル/ファンク
気分は... :待望のCD化!
今回は先月めでたく世界初CD化が実現したソウル・アルバムThe Brief Encounter『The Brief Encounter』です。
これまで激レア・アルバムとして市場価格25万円!なんて話もあった作品がお手頃価格でCD化され、多くのソウル・ファンの方が歓喜していることと思います。
僕の場合、彼らについて殆ど知りませんでしたが、とりあえず話題の1枚ということで購入したところ、噂通りの内容に思わずニンマリしているところです。
鈴木啓志氏のライナーノーツ等に基づき、彼らのプロフィールを簡単に整理すると、ノースカロライナ出身のBailey4兄弟を中心とする9人組ヴォーカル&インストゥルメンタル・グループのようです。5人組と表記しているサイトもありますが、ジャケに9名の姿が写っているのを観れば、9人組と考える方が自然ですよね。
グループは1970年前後に結成され、「I'm So Satisfied/Don't Let Them Tell You」(1972年)、「I'm Crazy About You/We're Gonna Make It」(1973年)、「Just A Little Notion/I'm So In Love With You」(1974年)、「What About Love/Get Right Down」(1976年)、「In A Very Special Way/Get A Good Feeling」(1977年)、「Total Satisfaction/Human」(1978年)といったシングルと、『The Brief Encounter』、『We Want To Play』(1981年)という2枚のアルバムを残しています。
また、「I'm So Satisfied/Don't Let Them Tell You」、「I'm Crazy About You/We're Gonna Make It」、「Just A Little Notion/I'm So In Love With You」、「Total Satisfaction/Human」というシングル8曲は1988年に日本のP-Vineからリリースされた編集盤『Brief Encounter With Sweet Soul Music』に収録されています。特に「Human」が人気だったようですね。
「Human」
http://www.youtube.com/watch?v=5c3aiapqxlc
今回記事を書くに際して、よくわからないのが本作の発表年です。
多くのサイトに"1970年リリースの1stアルバム"と記載されていますが、おそらく1977年前後の作品ではないかと思います。明確な発表年には言及されていませんが、鈴木氏のライナーノーツにも1977年前後の作品であることが指摘されています。シングルにもなっている「In A Very Special Way/Get A Good Feeling」のリリースが1977年であることから考えても妥当だと思いますし、何より中身を聴けば1970年の音ではないと思います。
多くのサイトで"1970年リリース"としているのは、僕もよく参照する某有名サイト(アーティストのディスコグラフィーがDB化された便利サイトです)に本作のリリース年が1970年と記載されていることが影響しているように思います。
内容の方ですが、甘茶ソウル好き向けのスウィート・バラード満載のイメージがあったのですが、思った以上にファンキーなヴォーカル&インストゥルメンタル・グループという印象を受けました。個人的にはスウィートなバラードよりもファンクなアップ・チューンに惹かれましたね。
適度にポップなので濃すぎるソウルが苦手!といった人もスンナリ聴けるのでは?逆にそのあたりに物足りなさを感じるソウル好きの方もいるのかもしれませんが・・・
激レア盤の世界初CD化ということを抜きにしても、楽しめる1枚なのではと思います。
全曲紹介しときやす。
「The Brief Encounter (Introduction) 」
オススメその1。グループ名をタイトルに冠したオープニング曲。グループのテーマ曲といった感じでしょうか。なかなか格好良いファンキー・チューンに仕上がっています。つかみはOK!
http://www.youtube.com/watch?v=P7xPup3rX_w
「Visions」
オーソドックスなスウィート・ソウル。それ程濃くないところで好き/嫌いが別れるのかもしれませんが、僕はこの位の濃さでも全然OKです。
http://www.youtube.com/watch?v=n0hpvdmsbjo
「Smile」
オススメその2。キャッチーなファンキー・グルーヴ。華やかなヴォーカルとファンキーなバックが一体となり、ヴォーカル&インストゥルメンタル・グループとしての魅力を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=dn5ZesOQju0
「Just One Moment」
ホーン隊が活躍するファンキーチューン。ポップな聴きやすさもあっていいですね。
「Loving And Carin」
オススメその3。胸キュン度の高いスウィート・ソウルです。バリトンとファルセットのリード・ヴォーカルが絡み、コーラスもなかなかグッとくるヴォーカル・グループとしての実力を堪能できる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=Aodt7A0w9Oc
「In A Special Kind Of Way」
オススメその4。シングルにもなったスウィート・バラード。甘く切ないファルセット・ヴォーカルににグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=V3RiT5zq3po
「Good Thing, Bad Thing」
オススメその5。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。心地好いヴォーカル&リズムがドリーミー・モードへ誘ってくる極上メロウ・グルーヴ。ホーン隊もそんな気分も盛り上げてくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=Nv6zCrYKh5Q
「Time Is Moving」
ファンク・グループとしてのBrief Encounterを堪能できるグルーヴィーなインスト・チューン。
「Get A Good Feeling」
オススメその6。「In A Special Kind Of Way」とのカップリングでシングルにもなった人気曲。ファンキーなアップ・チューンでは一番の完成度だと思います。ファンキーなリズム隊とホーン・リフ、ファルセット・コーラスが一体となって盛り上がります!
http://www.youtube.com/watch?v=oc6kkVVtWGo
「We're Gonna Have A Good Time」
オススメその7。ラストはEW&Fのようなポップさも兼ね備えたファンキー・グルーヴ。個人的にはこのポップな聴きやすさは大好きです。
2nd『We Want To Play』(1981年)もチェックしたいと思います。
『We Want To Play』(1981年)