発表年:1978年
ez的ジャンル:フォーキー・ソウル系黒人SSW
気分は... :バルサ完勝!
サッカー・ファン注目の一戦「バルセロナ対レアル・マドリー」のクラシコは、5対0でバルサの歴史的大勝という結果に終わりました。最後の方はバルサ・ファンの僕でさえ、マドリーの選手たちやモウリーニョ監督に同情してしまいました。バルサ・サッカーの素晴らしさを堪能したと同時に、サッカーの怖さを実感した試合でした。
スポーツの怖さと言えば、NFLの「コルツ対チャージャース」戦でQBマニング率いるコルツがホームで22点の大差をつけられて大敗したのも印象的でした。精密機械のようなスーパーQBマニングでさえ、一度歯車が狂ってしまうと立て直すことは難しいんですね。コルツ・ファンではない僕でも何か衝撃的でした。
サッカーもアメフトもたった1つの些細なプレーで大きく流れが変わってしまうんですね。何事も手を抜いてはいけませんな。
さて、90年代の再評価以降、世代を超えた支持を集める黒人シンガー・ソングライターTerry Callierの3回目の紹介です。
『Occasional Rain』(1972年)、『What Color Is Love』(1973年)に続いて紹介するのは、1978年リリースの『Fire on Ice』です。
『I Just Cant Help Myself』(1974年)あたりを紹介したい気分もありますが、ジャケが今の時期らしい『Fire on Ice』の方をセレクトしました。
Terry Callierと言えば、『Occasional Rain』(1972年)、『What Color Is Love』(1973年)、『I Just Cant Help Myself』(1974年)というCadet時代の3枚の印象が強いですよね。
一方、今日紹介する『Fire on Ice』(1978年)や『Turn You To Love』(1979年)というElektraからの2枚は、時代の要請に応じたディスコ路線の作品としてビミョーな扱いですよね。確かに、ヒット狙いで作られたディスコ・テイストの曲はイマイチな印象を受けます。
しかしながら、『Fire on Ice』はアルバム全体がディスコ路線というわけではありません。「Street Fever」、「Disco In The Sky」の2曲のみがディスコ路線であり、それ以外はCadet時代の延長線上にある楽曲です。
人気メロウ・ソウル「Holdin' On (To Your Love) 」、同じくメロウ・グルーヴ「I Been Doin' Alright Part II (Everythings Gonna Be Alright)」、感動バラード「Butterfly」、Minnie Riperton参加のソフトリーな「Love Two Love」 、アフリカン・アメリカンとしてのアイデンティティを歌った「African Violet」といったスピリチュアルな楽曲、故Martin Luther Kingへのオマージュ「Martin St. Martin」といった社会派ソングなど、楽曲は粒揃いです。
Don Mizellがエグゼクティヴ・プロデューサー、Richard Evansがプロデューサーを務めています。レコーディングには、Phillip Upchurch(g)、James Gadson(ds)、Paul Humphrey(ds)、Minnie Riperton(vo)、 Sidney Barnes(vo)等が参加しています。
今までスルーしていた人はぜひチェックしてみて下さい。
全曲紹介しときやす。
「Be A Believer」
オープニングはハートウォームなフォーキー・ソウル。ストリングスが盛り上げてくれます。つかみはOK!
http://www.youtube.com/watch?v=IeE63YIMMII
「Holdin' On (To Your Love) 」
フリーソウル好きをはじめ、本作の中では最も人気が高いであろう哀愁メロウ・ソウル。激シブのCallierのヴォーカルが胸に迫ってきます。
http://www.youtube.com/watch?v=HRUfVWMaDzQ 、
「Street Fever」
問題のディスコ・チューン。確かにこの曲は苦笑するしかありません。黙ってスキップしましょう(笑)
「Butterfly」
「Street Fever」から気を取り直して、美しい感動バラードです。ジワジワと込み上げてくるものがありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=slbdo4n3lBg
「I Been Doin' Alright Part II (Everythings Gonna Be Alright)」
個人的には一番のお気に入りのメロウ・グルーヴ。スマートなアレンジもグッドですね!
http://www.youtube.com/watch?v=_kYVoLG3l-U
「Disco In The Sky」
ディスコ路線の2曲目。ただし、コチラは「Street Fever」ほど酷くはないと思います。
「African Violet」
アフリカン・アメリカンとしてのアイデンティティを歌ったスピリチュアルな仕上がり。こういう曲は彼にマッチしますね。崇高な気分になれる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=bnyphR7_xj8
「Love Two Love」
Minnie Riperton参加のキュートな本曲も本作の聴きものですね。優しい気持ちになれるソフトリーなメロウ・チューンに仕上がっています。
「Martin St. Martin」
故Martin Luther Kingへのオマージュ。神妙な面持ちになる社会派ソング。これもTerry Callierらしい1曲ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=MSPLel4OrFo
Terry Callierの過去記事もご参照下さい。
『Occasional Rain』(1972年)
『What Color Is Love』(1973年)
今、WOWOW『洋楽ライブ伝説』でCreamのイギリスでのフェアウエル・コンサートを放送していますが格好良いですね。この番組、いつもイマイチなライブばかりだなぁと思っていたのですが、今回はかなりグッときています。