発表年:2010年
ez的ジャンル:エモーショナル女性R&Bシンガー
気分は... :僕が愚かでした・・・
年末R&B新作ラッシュの時期に突入したので、年内は新作の紹介を少し多めにしたいと思います。
今回は期待の女性R&BシンガーJazmine Sullivanの2ndアルバム『Love Me Back』です。
R&B新作ラッシュの中で、女性R&BシンガーではChrisette Michele『Let Freedom Reign』、Keyshia Cole『Calling All Hearts』の2枚への期待が高く、正直Jazmineの新作にはそれ程期待していなかったのですが・・・僕が愚かでした。いやぁ、素晴らしい1枚です。
Jazmine Sullivanは1987年フィラデルフィア生まれの女性R&Bシンガー/ソングライター。
デビュー前からChristina Milian「Say I」、Jennifer Hudson「I'm His Only Woman」、Monica「Everything to Me」などのソングライティングを手掛け、ソングライターとしての才能を示していました。
また、当ブログで紹介した作品で言えば、大好きなKindred The Family Soul「I Am」
(アルバム『Surrender To Love』収録)でJazmineがフィーチャーされています。
そして、2008年にMissy Elliottのプロデュースによるデビュー・シングル「Need U Bad」をリリース。これが全米R&Bチャートで4週連続No.1となります。
「Need U Bad」
http://www.youtube.com/watch?v=KHV5PyPiFjg
同年にデビュー・アルバム『Fearless』(2008年)をリリース。さらにグラミー賞新人賞にノミネートされるなど、一躍注目の女性R&Bシンガーとなりました。
そして、真価が問われる2ndアルバム『Love Me Back』ですが、先行シングル「Holding You Down (Goin' In Circles) 」が全米R&Bチャート第3位となり、さらに第53回グラミー賞のBest Female R&B Vocal Performanceにノミネートされるなど、上々の滑り出しを見せています。
前述のように、事前の期待値がそれ程高くなかった分、最初聴いた時には感動しました。前作から確実にスケールアップしている感じがします。この成長ぶりは前述のChrisette MicheleやKeyshia Coleに通じるものがありますね。
前作同様、プロデューサー陣も豪華です。Missy Elliott、Cainon Lamb、Salaam Remi、Anthony Bellといった前作組に加え、Chuck Harmony、Los da Mystro、Ne-Yo、Toby Gad、No I.D.、Prolyfic、Ricky Blazeが新たに起用されています。
そんなプロデューサー陣を従え、Jazmineが堂々とした歌いっぷりを披露してくれます。彼女の"歌力"を前面に押し出した制作方針が成功していると思います。
全てのソングライティングにも関与しており、ソングライターとしても確実に成長している点も見逃せません。
R&B好きの方は1stシングル「Holding You Down (Goin' In Circles) 」、R&Bは苦手なSoul好きの方は2ndシングル「10 Seconds」を聴けば、本作の素晴らしさを実感できると思います。
全曲紹介しときやす。
「Holding You Down (Goin' In Circles) 」
Missy Elliott/Cainon Lambプロデュースのリード・シングル。全米R&Bチャート第3位となりました。Missy姐さんがネタをどっさりブチ込んだ90年代Hip-Hop Soulを彷彿させる1曲。Slick Rick and Doug E. Fresh「La Di Da Di」、Nas「Affirmative Action」、The Honey Drippers「Impeach the President」、DJ Kool「20 Minute Workout」、「Let Me Clear My Throat」Mary J. Blige「Be Happy」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=Yw_6-oeMo40
「10 Seconds」
Salaam Remiプロデュースの2ndシングル。ヴィンテージ感が漂うエモーショナルなソウル・チューン。さすがSalaam Remiはいい仕事しますな。Rose Royce「I'm Going Down」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=DFPuUsjatQI
「Good Enough」
Chuck Harmonyプロデュース。エレクトロ・サウンドでスタートするスケール感の大きなバラードに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=l1iaXKIqaqc
「Don't Make Me Wait」
Los da Mystroプロデュース。80年代テイストを上手く取り入れたダンス・チューンです。Luther Vandross/Marcus Miller作のAretha Franklin「Jump to It」ネタ。
「Love You Long Time」
Salaam Remiプロデュース。マーチ風のリズムを上手く使ったリズミックなトラックが印象的です。テレビ番組とかのテーマ曲にピッタリな感じです。
「Redemption」
Anthony Bellプロデュース。心の叫びで歌う哀愁チューン。The Rootsの?uestloveがドラムで参加し、乾いたビートを叩いています。
「Excuse Me」
僕の一番のお気に入り曲。Missy Elliott/Cainon Lambプロデュース。美しいメロディの正統派ソウル・バラードに仕上がっています。The Manhattans「Take It Or Leave It」ネタ。
「U Get On My Nerves」
Ne-Yoとのデュエット。Ne-Yoはプロデュース&ソングライティングにも関与しており、その意味で実にNe-Yoらしい1曲に仕上がっています。ここでのJazmineは少し抑え気味ですが、それが逆にいい感じです。
「Stuttering」
Toby Gadプロデュース。既に大物の風格が漂うバラード。ただただ素晴らしいの一言に尽きます。
「Famous」
「Excuse Me」と並ぶお気に入り。No I.D./Prolyficプロデュース。信じれば夢は叶う!自分の夢を信じ続け、そしてそれを勝ち取ったJazmineが歌うと余計に感動的ですね!Jazmine本人もかなりお気に入りの1曲のようです。
「Luv Back」
Missy Elliott/Ricky Blazeプロデュース。キュート&リズミックなダンスホール調の仕上がりがグッときます。
国内盤にはボーナス・トラック「Girl Catalog」が収録されています。
『Fearless』(2008年)