発表年:1974年
ez的ジャンル:フィリー系メロウ・ソウル
気分は... :運命の1曲!
William DeVaughnによる一世一代の名盤『Be Thankful For What You Got』(1974年)です。
William DeVaughn1948年ワシントンDC生まれの男性ソウル・シンガー。The Impressions、Curtis Mayfieldの影響を強く受け、グループを組み歌っていたようです。
しかしながら、プロの道は遠く設計技師として働いていたDeVaughnでしたが、フィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオで自費レコーディングした「Be Thankful For What You Got」をレコード会社が気に入り、シングル発売したところ全米シングル・チャート第4位、同R&Bシングル・チャート第1位の大ヒットとなりました。
そんな大ヒット・シングルを含む1stアルバムが『Be Thankful For What You Got』(1974年)です。
プロデュース&アレンジをJohn Davisが担当し、John Davis(org)以下、Earl Young(ds)、Bobby Eli(g)、Norman Harris(g)、Vincent Montana, Jr.(vib)などフィリー・サウンドを支えた一流ミュージシャンがバックを務めています。
やはり目玉は大ヒット曲「Be Thankful For What You Got」ですが、それ以外の曲も捨て曲ナシの充実作です。
曲良し、演奏良し、ヴォーカル良しと三拍子揃っていますね。
アルバム全編を通じて至極のメロウ・グルーヴを堪能できます!
また、声量よりも声質で聴かせてくれるDeVaughnのヴォーカルも僕好みです。
僕が保有しているCDは上記のジャケではなく、イラスト・ジャケのリイシュー盤の方です。
何度聴いてもよく出来た1枚だと感心してしまう作品です。
全曲紹介しときやす。
「Give The Little Man A Great Big Hand」
フリーソウル好きはグッとくるであろうオープニング。ハートウォーミングな魅力を持ったメロウ・グルーヴです。
http://www.youtube.com/watch?v=WptV5xkoIKo
「We Are His Children」
美しいバラード。声量ではなく声質で聴かせてくれるところがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qNifLcLu--U
「Blood Is Thicker Than Water」
この曲もシングルとして全米R&BチャートTop10入りしています。パーカッシヴなグルーヴ感が格好良いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=_zMfiJQVfiA
「Kiss And Make Up」
スロウ系では一番好きな曲。程良くパーカッションが効いているあたりが僕好みです。
http://www.youtube.com/watch?v=-5113yP3kjM
「Be Thankful For What You Got」
前述のように、大ヒットした至極のメロウ・グルーヴ。ジワジワと盛り上がってくる感じがたまりませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=KDTXljIqxRE
当ブログではMassive Attack、Fingazzのカヴァーを紹介済みです。個人的にはオリジナルよりもアルバム『Blue Lines』収録のMassive Attackヴァージョンを先に聴いていました。
Massive Attack「Be Thankful For What You've Got」
http://www.youtube.com/watch?v=6OuaHh7M0Ss
Fingazz「Be Thankful For What You Got」
http://www.youtube.com/watch?v=f-BU4zyd0p0
それ以外にもIntruders、Love With Arthur Lee、Winston Curtis、Cleveland Watkiss 、Yo La Tengo、OmarとErykah Baduのデュエット、Lipbone Reddingなどがカヴァーしています。
Intruders「Be Thankful For What You Got」
http://www.youtube.com/watch?v=NzsW2dlHgzw
Love With Arthur Lee「Be Thankful For What You Got」
http://www.youtube.com/watch?v=MUmrTvHSnSw
Winston Curtis「Be Thankful For What You Got」
http://www.youtube.com/watch?v=AhcASGSHSt8
Omar (Duet With Erykah Badu)「Be Thankful」
http://www.youtube.com/watch?v=XHHgeVNK_ts
Yo La Tengo「Be Thankful For What You Got」
http://www.youtube.com/watch?v=swslzqoLtGM
Lipbone Redding「Be Thankful For What You Got」
http://www.youtube.com/watch?v=1zIchVzztd0
また、N.W.A.「Gangsta Gangsta」、Master P「Mama's Bad Boy」、Ludacris「Diamond In The Back」、J. Holiday「Back of My Lac」等のサンプリング・ネタにもなっています。
N.W.A.「Gangsta Gangsta」
http://www.youtube.com/watch?v=NyHj_5DaX-s
Master P「Mama's Bad Boy」
http://www.youtube.com/watch?v=9mSkn3AG87o
Ludacris「Diamond In The Back」
http://www.youtube.com/watch?v=vk6OGi_mymI
J. Holiday「Back of My Lac」
http://www.youtube.com/watch?v=i6-pCB_6CCU
「Be Thankful For What You Got」1曲のみでもかなり楽しめますね!
「Sing A Love Song」
シンプルな歌詞なので思わず一緒に♪Sing A Love Song〜♪と口ずさんでしまうスウィート・バラード。
http://www.youtube.com/watch?v=0v5TUPGBfuc
「You Can Do It」
フィリーらしいサウンドを堪能できるメロウ・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=79pfHeW-bKo
「Something's Being Done」
フルートの音色が涼しげなメロウ・チューン。密かに好きな1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=4KmoIr86uzU
「You Can Me A Brand New Star」
CDボーナス・トラックえすが、実はアルバムで一番華やかな曲かもしれません。Curtis Mayfieldあたりがお好きな人はグッとくるファンキー・グルーヴ。ご機嫌なホーンセクションもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=CkaM_PglbKY
DeVaughnは1980年に2ndアルバム『Figures Can't Calculate』をリリースしています。
私は、リアルタイムでは全く彼のことを知りませんでしたが、復刻ブームの中でたぶんezさんのリイシュー盤と同じものを購入しました。
改めて聴いてみると、声のパワーと個性が足りなかったせいで後が続かなかったんじゃないかと思います。
それでも、このアルバムは素晴らしいですねー。
ひたすら、気持ち良い!
アレンジと演奏が一流だということがキモだとは思いますが、彼が作る曲も歌声も優しさがあふれていて耳に残ります。
ありがとうございます。
ご指摘のとおり声量感はありませんが、それでも魅了される歌声ですよね。
彼が作る楽曲と歌声が豪華バック陣のサポートと一体化して、至極のメロウ・ワールドを創りだしています。
本作のあと信仰の道へ行ってしまったのは残念ですね。
それでも、もう1枚のアルバムのセットになった2in1 CDを入手したものの・・・聴いてません。
確か、アルバム自体は聴いた覚えがあるんですが。
たぶん貴重と思ってるんですが、シールドのオリジナルLPも持ってたりします。
しかし、お粗末な感想でコメントしてしまいました。
先日も、このCDをレコファンで3枚もみつけたのですが、いずれも廃盤価格で高値でした。
ありがとうございます。
お持ちなのに聴いていないのは勿体無いですね。
「Be Thankful For What You Got」以外の曲も充実しているので、
ぜひ聴き直して下さいね。