2006年05月03日

The Who『My Generation』

モッズバイブル「My Generation」万歳☆The Who『My Generation』
マイ・ジェネレーション(デラックス・エディション)
発表年:1965年
ez的ジャンル:モッズバイブル・アルバム
気分は... :♪Talkin' 'bout my generation♪

昨晩、NHKの衛星映画劇場で大好きなThe Whoのドキュメンタリー映画『The Kids Are Alright』(1979年)を観た。

この映画は、Keith Moonが他界する直前に制作されたものであり、Pete Townshend(g)、Roger Daltrey(vo)、John Entwistle(b)、Keith Moon(ds)というオリジナル・メンバー4人によるライブ映像に大興奮でシタ。あとはKeithの変人ぶりがサイコー!ホント、あんたはイカしてる奴だぜ!

改めて思ったけど、これほどメンバー全員が均等に主役になっている大物バンドって他にいないよね。

さらに、初回放送を見逃したWOWOWの『Rock The Classic』のThe Who『Who's Next』の回も、一昨日の深夜に再放送でようやく観ることができまシタ\(^〇^)/ワ〜イ

何より、裏話やPeteやRoger、そして今は亡きJohnのコメントが聞けただけで大感激!『Who's Next』のベースとなった幻のSFファンタジー“Life House”についての話も大変興味深かったね。大好きな「Baba O'Riley」の解説も嬉しかったなぁ。

コレはWhoのアルバムを紹介するっきゃないでしょ!ってカンジで、記念すべき彼らのデビューアルバム『My Generation』(1965年)っす。

Whoの紹介は、『Who's Next』に続き2回目っすね。僕のWho好きについては『Who's Next』の記事を参照下さい。

『Who's Next』(1971年)は大傑作だけど、モッズ・バンドの面影は全く無いアルバムだったので、モッズ・ヒーローとしてのThe Whoを知りたい人は、モッズ・バイブルと言える永遠の名曲「My Generation」を含む本作『My Generation』を聴かないとね。

前述の『Rock The Classic』の中で、当時の関係者のコメントとして、“The Whoは若い女の子がキャー☆キャー言うのが似合わなかった。彼らは男の子のバンドだったのさ”というのあった。モッズ・バンドとしてのThe Whoのカッチョ良さをうまく説明している気がしまシタ。

デビュー前のThe Whoのポスターには、“The Who:Maximum R&B”というコピーが使われていた。The Whoと並ぶ元祖モッズ・バンドSmall FacesRolling Stones、Yardbirds、Animals等の当時の大物グループもR&Bテイストのロックバンドであったと言えると思う。しかし、他のグループとThe Whoが決定的に違っていたのは、ビート感溢れるダンサンブルなR&Bテイストだったという点だと思う。彼らがMartha Reeves & The Vandellas「(Love Is Like A) Heat Wave」をカヴァーしていたあたりがそれを象徴していると思いマス。

ファンの方ならばご存知の通り、このデビューアルバムのオリジナル仕様は、当時からもめていた諸権利の法的な問題により、LP時代から長い間廃盤状態が続いていた幻のアルバムっす。それが数年前にデラックス・エディションのかたちでやっと念願のCD化が実現しまシタ。

僕もThe Whoを聴き始めてしばらくの間、ジャケットも、曲目も異なるアメリカ盤(現在CDで『The Who Sings My Generation』として売られている盤)をずっとオリジナルだと思っていまシタ。当時見た雑誌・本のロックの名盤紹介の類でも、すべてアメリカ盤のジャケ写真が用いられていましたからね。しかも、アメリカ盤の方はCD化されていて長年聴いてきたので、正直アメリカ盤のジャケにも思い入れが深いっす。

なので、ある意味このオリジナル仕様盤は、ジャケットも含めてかなり新鮮に聴けまシタ。ちなみにThe Pretendersの代表作『Learning to Crawl』(1984年)は、本作のジャケットをモチーフにしていますよね。

この当時のロックバンドのデビューアルバムとしては、かなりオリジナル曲の比率が高い。Peteのソングリティング能力の高さがあったからこそでしょう。

全曲紹介しときやす。

「Out On The Street」
切れ味抜群のオープニング・ナンバー。前述のビート感溢れるダンサンブルなR&Bテイストという表現がピッタリのナンバー。ハードなボーカルとエッジの効いた演奏にウットリですな。

「I Don't Mind」
「Please, Please, Please」
James Brownのカヴァー2曲。どちらも哀愁ムードたっぷりのブルージーなバラードに仕上がっていマス。

「The Good's Gone」
Rogerの吐き捨てるようなボーカルと、Peteの鼻づまりコーラスが印象的な曲。どことなくKinksっぽいなんて思っていたら、Kinks「See My Friend」にヒントを得た曲なんだとか。

「La-La-La-Lies」
「It's Not True」
Martha Reeves & The Vandellasあたりとセットで聴きたくなる軽快なR&Bタッチのナンバー2曲。イカしたピアノプレイはNicky Hopkins、さすが職人さんですな!実にヒップなセンスに溢れる、密かなお気に入りの2曲。

「Much Too Much」
The Whoの売り物の1つのコーラスワークを堪能できるナンバー。この頃はまだ洗練されていないけどね。逆にそれが初々しいカンジでイイっす!

「My Generation」
説明不要のモッズ・バイブル。やっぱりこの曲の放つエナジーは別格だね。イントロ聴いただけで胸がトキメキね!Rogerのどもり唱法、Peteのブンブン扇風機ギター、Johnの骨太リード・ベース、Keithの大暴走ドラミングといったライブ光景が目に浮かびマス。Keithと一緒にドラムキットを蹴り倒したいね!

「The Kids Are Alright」
「My Generation」と並ぶモッズのテーマ曲。ハードな「My Generation」とは対照的に切ないメロディのポップなナンバー。この曲でPVで屋外での演奏シーンがあるんだけど、そこでお茶目にドラムを叩く(ふりをしている?)Keithの姿が何とも好きだなぁ。
この♪The Kids Are Alright♪というメッセージこそ、Pete TownshendあるいはThe Whoというバンドが一貫して伝えてきたものだと思いマス。

「I'm A Man」
ロックンロールのパイオニアの一人Bo Diddleyのカヴァー。でも、僕的にはアルバム中最も忘れがちな1曲かも?このタイプの曲をカヴァーするぐらいならば、オリジナルでいいじゃん!って気がしマス。

「A Legal Matter」
Peteがリードボーカルを努めるナンバー。同じR&Bタッチの軽快なナンバーでも、Peteが歌うとほのぼの(笑)してしまうのは何故?

「The Ox」
John Entwistleのニックネーム“The Ox”をタイトルにしたハードなインスト・ナンバー。“The Ox”ことJohnのスゴ腕ベースは勿論のこと、KeithとPeteのハードな演奏も含めて、ある意味最もThe Whoらしいナンバーかもしれないっすね。驚愕の1曲ですな。

なお、前述のアメリカ盤には「I'm A Man」の代わりに「Circles」が収録されています。実はこの「Circles」がカッチョ良いビート・ナンバーでお気に入りだったりしマス。

やがて70年代後半にパンク世代の多くのロックバンドが、このアルバムから影響を受けることになる。このアルバムのインパクトを考えれば、当然だよね。
posted by ez at 00:26| Comment(5) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
やっていましたね、僕も見ました〜♪
キース・ムーン元気だったデスねー。
しかしあれを見ても一言では言い尽くせない
ザフーはなかなか難しいなーとおもいます。
Posted by けん at 2006年05月03日 05:11
アルバム、フーズネクストや曲マイジェネレイションは好きですね。フーも特にファンではないですがキースムーンは唯一無比の変わり種ドラマーとして興味深いです。ドラミングも個性的で貴重。後任の元スモールフェイセスのケニージョーンズではスケール小さくてドダイ無理ですよ殮アルバムの中ではトップとラストのシンセシーケンスがカッコイイ抜群の2曲も良いですが、美しいソングイズオーバーがアルバム中一番好きですね。ピアノで参加のニッキーホプキンスも名演。マイワイフやキーピンなどその他の曲も良い。
フーの最高傑作は四重人格だそうだけどはたしてそうなんですかね?
Posted by マルチP at 2006年05月03日 19:06
☆けんさん

ありがとうございます。

確かにWhoはアルバム1枚や映像1本で語るには、いろんな顔を持った
グループだったのかもしれませんね。

それにしても、ここのところNHK衛生、WOWOWなど洋楽番組が充実していますね。
昨晩もNHK衛生でZeppelin観ちゃいました。
これからWOWOW『Rock The Classic』でCreamの再放送を観る予定っす。

☆マルチPさん

ありがとうございます。
僕もKeith Moon大好きっす!演奏もキャラも文句ナシですね!

>最高傑作は四重人格だそうだけどはたしてそうなんですかね?

Whoのファンで『Quadrophenia(四重人格)』を最高傑作に挙げる人は少ないのでは?良い作品だけど最高傑作とまではいかないという感じでしょうか。

最高傑作と言うのであれば、『My Generation』、『Live At Leeds』、『Who's Next』
あたりを推す声が多いのでは?

個人的には『Who's Next』がダントツの最高傑作だと思いますね!
なので、僕は『Who's Next』だけでCD3枚持っています(笑)
Posted by ez at 2006年05月04日 00:48
フーズネクストは名作ですが、プロデュースが達人グリン・ジョンズなのが嬉しいですね。この人はビートルズの幻の名盤ゲットバックやその他多くの名盤に関わった抜群の耳を持った名プロデューサー。
Posted by マルチP at 2006年05月04日 12:34
☆マルチPさん

ありがとうございます。
60年代後半〜70年代のロックをコレクションすれば、
US、UK問わず自ずとGlyn Johns関連作品だらけになりますよね(笑)
Posted by ez at 2006年05月05日 01:34
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