発表年:1997年
ez的ジャンル:UKソウル系R&B
気分は... :僕のハートの特効薬( ̄ー, ̄*)
Lynden David Hallのデビュー作『Medicine 4 My Pain』(1997年)をずっと紹介しようと思って、出来ずにいた。
そんな矢先の2月、ガンにより彼は31歳の若さでこの世を去ってしまった。
昨年出た3rdアルバム『In Between Jobs』発表時に、“ガンとの闘病生活を克服し、見事復活!”といった内容の記事を読んで彼がガンと闘っていたことは知っていたのだが...その若すぎる死はあまりに残念だ。
Lynden David Hallが残したアルバムは、『Medicine 4 My Pain』(1997年)、『The Other Side』(2000年)、『In Between Jobs』(2005年)のわずか3枚。正直、僕は2nd、3rdは聴いていない。僕にとってのLynden David Hallはデビュー作『Medicine 4 My Pain』が全てだ。
一般的にもLynden David Hallに対する評価の殆どは、このデビュー作に対するものだと思います。実際、Lynden David Hallは、デビュー当時“UKからD'Angeloへの回答”と称されるほどのUK期待のR&Bシンガーだった。
でもって、この『Medicine 4 My Pain』がホント素晴らしいんだよね。確かにグルーヴ感はD'Angeloと共通するものがあるけど、全体の雰囲気はD'Angeloよりもセクシー&スウィートってカンジですかね。あとUKならではのスタイリッシュさがあるかなぁ。ほんのりPrince殿下の香りもするかもしれません。
発売時にもよく聴いたけど、昨年このアルバムがマイ・ブームとなってそれ以来頻繁に聴いていマス。案外このタイプのR&Bって、現在あるようでない気がしマス。タイトルの通り、僕のハートの特効薬みたいな音楽っす。
昔のKeith Sweatあたりが好きな人なんかも気に入るんじゃないかなぁ。
彼女との甘〜い夜のお供にピッタリな1枚だと思いますよd(^ ^)グッ!
全曲Lyndenの書き下ろしっす。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Do I Qualify?」
“D'Angeloが変名で出しているのでは?”と彼が注目されるきっかけとナンバー。メロディアスなD'Angeloってカンジですね。Aretha Franklin「Chain of Fools」ネタを使っています。Arethaの記事でも書いたけど、「Chain of Fools」はAretha作品のマイ・フェイバリットなのでウレシイですね。
「Sexy Cinderella」
彼の代表曲と呼ぶべきヒット曲。セクシー&スウィート系が好きな人は間違いなくヤラれるスローですね。いかにもこれから彼女を落とすぜ!ってカンジがたまりませんな。Me'Shell Ndegeocelloがベースで参加していマス。
「Crescent Moon」
「There Goes My Sanity」
ネオ・ソウルなナンバー2曲。2曲ともUSのネオ・ソウル作品よりもスタイリッシュな印象を受けるのはUKならではかも?シングルにもなった「Crescent Moon」はCurtis Mayfieldの香りも漂ってきマス。「There Goes My Sanity」は哀愁のバラード。
「100 Heart Attacks」
D'Angelo好きにはたまらない浮遊感のあるグルーヴが印象的なナンバー。当然ながらジャジーっす。冒頭の打ち込みのピコピコ感がMarvin Gaye「Sexual Healing」っぽくて好きですね。
「Livin' the Lie」
重心の低いなベースラインを、オシャレなエレピの音色が包み込んでくれる実にオシャレなナンバー。しかも美メロとくれば文句ナシでしょう。Lyndenのセンスを感じる隠れオススメ・ナンバーですね。
「Yellow in Blue」
「Jennifer Smiles」
Lyndenのソングライティングの才能を感じる2曲。「Yellow in Blue」は切なさ一杯のメロウ・スロー。「Jennifer Smiles」は官能のファルセット・ボイスが何ともセクシーな美メロ・スロー。
「I Wish I Knew」
冒頭の♪I Wish〜I Knew♪のフレーズでメロメロになりそうなセクシー・スロー。
「Medicine 4 My Pain」
シングルにもなったタイトル曲。シンプルなアコースティック・ソウルはまさに痛みを癒してくれる感じですね。
ちなみに今回掲載している盤はオリジナルとジャケが異なります。
僕はオリジナルのUK盤で持っていますが、オリジナルのジャケの方が好きですね。
こんなセクシー&スウィートな名作を残してくれたLyndenに感謝します。これからもずっと聴き続けるからね!
心よりご冥福をお祈り致します(‐‐)†
ところで
Ah HA!赤い表紙のブアツい一冊、持ってますよ。ローリングストーンレコードガイド!(ジョンスウェンソン、デイブマーシュ編著) これは最初、町の図書館に置いてあったのを借りて感動したんですが、のちに神田神保町で80年代に逃さず購入。大事に活用してきました(^_^)。たまにおかしな(間違った)批評もありますが、辛めの独特の批評は面白いし、B級アーティストやソウル、ジャズもかなり網羅されてて貴重な一冊。プログレ系が概ね評価が低いのが異議ありですけどね。アフロディテスチャイルドの666が最低評価の無価値って…Wh〜y?《まだ読んでないアーティスト有り》
ありがとうございます。
The Rolling Stone誌レコードガイドは今でも楽しめますよね。
このガイドで★(貧弱)、■(無価値)の評価の作品も結構持っています。
■の評価は逆に相当インパクトがあった証とポジティブに考えています(笑)
一方で、こうした方法で作品を評価する危さも感じてしまいます。基本的に音楽は良い/悪いといった客観的な評価で価値観を他人に押し付けるものではなく、主観的な好き/嫌いのみで、各々のスタンスで楽しめばいいものだと思っていますので。
星一つ以下のアルバムでも、無視できない良〜いアルバムがあったりするんですよね。
ローリングストーンの毒舌も交えた批評は独特で面白い。救いようのない愚中の愚 とか(笑)…言われてるアーティストはかわいそうですけどね。オズモンズファミリーへのすごい攻撃や、トライアンバイラット(旧西独プログレ)、アイアンバタフライ、ポールアンカ、ロゼッタストーンなど…言いたいホウダイですな
ありがとうございます。
昔のようにアーティストや作品に関する情報が乏しく、ましてや試聴などできない時代にあっては、評論家によるレビューの意義は大きかったんでしょうけど、今日は評論家に頼ることなく、殆どのアルバムは自分の耳で試聴できますからね。レビューにしても評論家よりもユーザーのレビューの方が説得力がある。評論家受難の時代かもしれませんね。